ブリードとは

公開日:2023-07-01

「ブリード(英:Bleed)」とは、日本語で「塗り足し(ドブとも呼ばれます)」のことを指す印刷の基本用語の1つです。印刷物の図柄・色などを仕上がり時の裁断ラインいっぱいに配置し、紙のフチに余白をつけない印刷加工を「裁ち落とし(フチ無し印刷)」と呼びます。

裁ち落としの印刷をしたい場合、入稿時のデータでは印刷会社の各規定に則り、図柄・色などを3mm程度カットラインからはみ出すようにして塗り足しておかなければいけません。塗り足しをしておかないと、デザイン時に意図していないズレや紙の地色が出たまま印刷されてしまうことや、印刷会社からデータ修正の連絡が届く可能性があります。

ブリードが必要な理由

通常、家庭用プリンターではA4サイズやB5など、仕上がりのサイズに合わせて印刷を行いますが、印刷会社の場合は、大きなサイズの紙にいくつも並べて印刷をしてから断裁を行います。この際に一度に多くの紙を重ねて断裁を行うため、多少のズレが発生します。そのため仕上がりサイズの絵柄で印刷を行うと、断裁の際に印刷されていない部分が発生する可能性があります。こういったことを防ぐために、実際の仕上がりサイズよりも大きめに作成をします。

トリムマーク(トンボ)の設定

ブリードの設定を行うためには、仕上がりの紙面サイズに合わせてトンボを作成します(アプリケーションによってはトリムマークと表示されます)。

トンボは角にある「コーナートンボ(角トンボ)」、センターにある「センタートンボ」(十字トンボ)」の2種類で構成されています。コーナートンボの内側の線が実際の仕上がりサイズとなり、センタートンボは天地中央の真ん中を表しています。

一般的にトンボの一番外側の角は仕上がりサイズから3mm離れて作成されるため、このトンボを元に塗り足しを行います。

トンボに合わせて背景を作成

トンボに合わせて写真などの絵柄や背景のみを伸ばしてデータを作ることで、断裁した後も端まで綺麗にプリントされた印刷物が出来上がります。

背景のみを伸ばせない場合は仕上がりサイズ全体を拡大するという方法もありますが、この方法は文字や写真が仕上がりサイズギリギリに配置されている場合、断裁時に文字切れしてしまう可能性があり注意が必要です。

また、ブリードと同じように文字やロゴなどの要素は仕上がりサイズに対して3mm内側に配置しておくことが望ましいです。

著者:デジタルハリウッド スクール 編集部