公開日:2023-07-01
リニアワークフロー(Linear workflow)とは
すべての映像素材が現実世界と同じ見え方になるよう管理する、
カラーマネジメント(色管理)の1つです。
●ワークフローの必要性
なぜワークフローが必要かというと、
冒頭で述べた様なカラーマネジメントもそうですが、
現実世界の光に対して、人間が感じる光は明るさが異なる事による、
誤差の調整が必要となる為です。
●現実世界の光と、人間の感じる光
現実世界の光は、光の量に対して正比例であり、
「1という量の光」に「1という量の光」を重ねると
「2という強さの光」になりこの状態をリニア(線形)といいます。
人間の目はその場の明暗に合わせて、
目に入る光の量を調節する機能が備わっています。
暗い部屋では光をより多く取り込もうとする為、
実際の光より明るく感じ、
明るい部屋では光を取り込もうとする力が緩和されます。
なので現実世界の光に対して正比例に捉えるのではなく、
暗い光の方に歪んで捉えているのです。
この歪みを図形化したものがガンマ曲線と呼ばれます。
●従来、現在のワークフローと、
カラーコレクション(色基準)の違い
従来のワークフローは「ノンリニアワークフロー」と呼ばれ、
人間の目の感覚に合わせガンマ補正された画像を
カラーコレクション(色基準)に使っていました。
現在は「リニアワークフロー」に置き換わり、
人間の目の感覚に合わせガンマ補正された画像を
リニアライズした上でカラーコレクション(色基準)に使用します。
冒頭で述べた様に、両者とも最終的には
人間の感覚として正しい明るさに調整されるのですが、
リニアワークフローでは一時的に現実世界の明るさ(リニア)に
戻したタイミングでカラーコレクション(色基準)を採取するので
様々な処理において、より正しい結果を得ることが出来ます。
加算処理を例にするとノンリニアワークフローで調整すると
白とびしていた画像が、リニアワークフローで加算を行うと、
白とびせず自然な画像として結果を得ることができます。
また合成やブラー処理などにおいては、
従来のノンリニアワークフローで計算を行うと
若干暗めな画像となっていたのですが、
リニアワークフローで計算を行うことで
これまでより明るく、リアルな色合いで結果を得ることができます。