PRTとは

「PRT(ピーアールティー)」とは、「Precomputed Radiance Transfer」の略で、3DCG業界で使われる用語です。日本語では「事前計算放射輝度伝搬」と言われています。
PRTは3Dゲームなどに使われるリアルタイムレンダリングにおいて「グローバルイルミネーション(global illumination)」という、自然で柔らかい間接光を表現するレンダリングを行うモデルの1つです。
PRTは比較的新しい手法であり、2002年に「SIGGRAPH 2002」にてPRTに関する論文が発表されたことから大きく注目されました。また、この論文がきっかけでPRTの研究開発が各方面で盛んに行われるようになりました。

グローバルイルミネーション

PRTはグローバルイルミネーションのモデルの1つですが、グローバルイルミネーションとは太陽のような直接光に加え、そこから反射した間接光のあらゆる影響を考慮したシェーディング(陰影)により、現実世界のような照明効果が得られるレンダリング技法のことです。グローバルイルミネーションはGIと略され、日本語では大局照明、大域照明と呼ばれています。
物体の陰影は直接光だけで表現を行うとどうしても不自然なシェーディングになってしまいますが、グローバルイルミネーションにより自然な照明効果が得られます。例えば3Dゲームにおいてエッジのきつい影はぼかしているものがありますが、これは反射などにより生まれた自然なものではなく、あくまでも直接受けた光をぼかしているだけです。このような不自然な陰影ではなく、太陽光などから受けた直接光が壁や天井など他の物体に反射することによって生まれる間接光で自然で柔らかい陰影を表現します。

PRTの考え方

3Dゲームなどに使われているリアルタイムレンダリングでは、グローバルイルミネーションによる全ての光をリアルタイムで計算するのは負荷がかかりすぎるため難しく、基本的に直接受ける光の計算のみ行ない、現実世界では本来存在するはずの間接光についてはリアルタイムレンダリングでは無視されていました。しかし現実世界のようなフォトリアルな表現のためには間接光の存在は不可欠となります。そこで事前にオフライン(非リアルタイム)で時間を掛けて計算をしておき、リアルタイムレンダリング時にはその事前計算結果を利用することで計算にかかる負荷を軽減しながら間接光を実現しようというPRTの考えが登場しました。

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