公開日:2023-07-01
フォトバッシュとは複数の写真(Photo)をキャンバスに貼り込み、
組み合わせて(bash)1枚の絵を描く技法で、コラージュに近い技法です。
コラージュが人物の顔や体をすげ替える事を目的とするのに対し、
フォトバッシュは一枚の絵を完成させる事が目的で、
二者の相違点となります。
●フォトバッシュの利用
フォトバッシュはコンセプトアートやイメージボード、
2D/3D作品の背景画像やテクスチャー素材などに利用され、
そのほかにも実写映画の背景に合成素材として利用される事もあります。
写真だけで絵を構成するだけでなく、
イラストやゲーム背景に写真を組み込み、
ディティールアップ目的で使われる事もあります。
●フォトバッシュの利点
写真に備わったディティールや質感をそのまま利用できる為、
一定のクオリティを維持する事が出来、
元々用意された素材を張り合わせて絵作りを行う為、
短時間かつ簡潔に制作できる事よりスピードペインティングにも用いられます。
また写真の組み合わせを変える事で、まったく異なる絵を作る事も出来きる為、
絵作りにおいて、とても自由度の高い技法でもあります。
●構図のポイント
フォトバッシュは、異なる環境で撮影された写真を張り合わせる為、
単に張り合わせただけでは当然違和感が残ります。
企画用のコンセプトアートやイメージボードに使うのであれば
そのままでも良いとは思いますが、
張り合わせた写真同士を調和させ、違和感を無くする事が肝要です。
その為にはディティールのサイズ感、色合い、目線、構図など、
バランスをよく考え組み合わせる必要があります。
写真の大きさや位置のバランス取りをする為に、
近景、中景、遠景に分けて構図を計画する手法や、
視線誘導を考慮して、
情報量の多い部分、少ない部分のメリハリをつける手法などがあげられます。
●使用ソフト
PhotoshopやCLIP STUDIO PAINT PROなどのレイヤーが使用できるて、
フィルターや加工ツールが豊富なフォトレタッチソフトであれば
作成し易いと思います。
今は無償の高機能フォトレタッチソフトもあるので、
誰でもチャレンジできると思います。
●使用する写真の権利について
使用する写真の被写体や、撮影者にも権利が発生します。
素材用の写真を用意する場合は出所を明確にし、
権利に抵触する事がないかなど注意が必要です。
自分で撮影した写真や、
知人が撮影した写真で許可を得たものに限定するのが安全です。