こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校スタッフです。
今回はCG作品を制作する際に使用するツールとそれぞれの役割をご紹介します。
・これからCGを学びたいと考えている方
・CGを用いた映像作品が好きという方
・数あるCGツールがある中で、それぞれ何が出来るのか知りたい方
・作りたいイメージがあるけど、どのツールを使えばいいかわからない方
ぜひ、最後までご覧ください!
Maya
CG制作に欠かせない、業界標準ツール!
Autodesk社が開発した Maya (マヤ)は、モデリング、アニメーション、レンダリングなど、3DCG制作に必要な機能がオールインワンで揃っており、ハリウッド映画や有名ゲーム作品でも数多く使用されています。
映画・アニメ・ゲーム・CM・MVなど、あらゆる制作現場で活用されており、キャラクター制作から背景、エフェクト、カメラワークまで、コンテンツ制作全体を通して使える柔軟さと表現力がMayaの魅力です。
CG業界への就職を目指すなら、Mayaのスキル習得は欠かせません。
Mayaをベースに、必要に応じて他のソフトを組み合わせるという制作スタイルが一般的であり、業界標準のツールとして多くの企業に導入されています。
なぜMayaを学ぶべきなのか、過去に詳しく記事にしていますのでぜひチェックしてみてください!
Mayaはほとんどの3DCG作品で使用されていますが、こちらの卒業制作ではMaya以外のCGソフトをほとんど使っていないため、Mayaで何ができるのかわかりやすいです。
こちらの作品はデジタルハリウッドで開催している「DIGITAL FRONTIER GRAND PRIX」で特別賞/観客賞を受賞しています。
▽Mayaはこんな方におすすめ!
・CG業界への就職を目指す方
・映画やゲームなど映像制作の幅広い分野で活躍したい人
・モデリングからアニメーション、レンダリングまでオールラウンドに学びたい人
3ds Max
背景や建築表現に強い、実制作でも使われる3DCGソフト!
3ds Max (スリーディーエス マックス)は、Autodesk(オートデスク)社が開発する3DCGソフトです。特に建築パースやインテリア、ゲーム背景など、「空間や構造物の表現」に強みがあります。
Mayaと比べるとアニメーション機能は控えめですが、正確なモデリングや美しいレンダリングに定評があり、今も実務の現場で使われているツールです。
また、Maya同様、トゥーン調の表現を可能にするプラグイン「Pencil+」にも対応しており、セル画風の表現を目指す方にも活用されています。
▽3ds Maxはこんな方におすすめ!
・建築やインテリアなど、空間デザインを3DCGで表現したい人
・ゲームの背景や建物など、精密なモデリングに興味がある人
・トゥーン表現(アニメ調)をCGで作ってみたい人
Houdini
エフェクトや自然現象を作り出す、VFX表現を極めるツール!
映画やゲーム、CMなどで目にする迫力ある爆発、煙、破壊表現の多くは、SideFX社が開発した Houdini (フーディニ)というVFX(視覚効果)に特化した3DCGソフトを使って作られています。
ハリウッド映画や有名ゲームタイトルでも広く使われており、ノードベースという独自の操作スタイルと高度なシミュレーション機能が特徴です。習得すれば、他のソフトでは難しい複雑な演出も自在にコントロールできます。
こちらの卒業制作内での、砂・煙・水しぶきなどの表現がHoudiniで制作されています。
Houdiniの大きな特徴のひとつが、「繰り返し・自動化・仕組み化」ができることです。
これは、ただ1つのものを作って終わりではなく、その作り方自体を“仕組み”として組み立てる考え方で、たとえば1本の木を作ったら、それを100本に増やしたり、風で揺らす動きを同じ仕組みの中で簡単に調整できます。
また、爆発や煙のような動きも、一度作れば位置や大きさを変えて何度も応用できるのが特徴です。途中で形や動きを変えたい時も、最初からやり直す必要はなく、設定を変えれば自動的に反映されます。
このように、Houdiniは効率よく、大量に、柔軟に、CGを作れるツールです。
さらに、こちらの卒業制作では、細かい粒子が形を作る動きがHoudiniで制作されています。
※集合体が苦手な方はご留意の上ご覧ください。
写実的な映像だけでなく、世界観のある象徴的な映像も作ることができる万能なソフトということがわかりますね。
ゲームや映像の中でも、迫力のある表現をしたい方は必見のソフトです。
▽Houdiniはこんな方におすすめ!
・爆発・煙・水など、リアルなエフェクトを作ってみたい方
・動きや変化のあるCGを、仕組みから作るのが好きな方
・VFX(映像効果)の分野に進みたい方
ZBrush
粘土をこねるように、デジタルで自由に形を作る3Dモデリングツール!
Maxon社が開発・販売する ZBrush (ズィーブラシ)は、まるで粘土をこねるように3Dモデルを作れるデジタル彫刻ソフトです。(Mayaでのモデリングは、画面上で立体を組み立てていくイメージです)
ZBrushの大きな特徴は、質感や細かい装飾など、細部までリアルに作り込める点で、映画やゲームのキャラクターデザイン、フィギュア制作など、幅広い分野でクリエイターから高く支持されています。
リアルな動物や恐竜、ファンタジーのクリーチャーなど、絶妙な調整をしながら作りこみたい制作に特に向いています。
初心者でも直感的に形を変えられるため、3Dモデリングが初めての方でも楽しみながら学べるソフトです。
こちらの卒業制作では、静止画の制作にZBrushを使用しており、細部までリアルに作り込まれています。
また、こちらの動画ではZBrushでのスカルプティングを丁寧に解説しており、工程を理解することができます。
2時間強と動画の時間は長めですが、モデリングに興味がある方は必見です。
登壇されている森田悠揮さんは、デジタルハリウッドの本科CG/VFX専攻卒業生です!
▽ZBrushはこんな方におすすめ!
・リアルで細かい造形をじっくり作り込みたい方
・キャラクターやクリーチャー、恐竜などを自由にデザインしたい方
・粘土細工のような直感的な操作で3Dモデリングを始めたい初心者の方
NUKE
現実世界にCGを溶け込ませる、実写合成映像を制作するコンポジットソフト!
Foundry社が開発・販売を行うNUKE(ヌーク)は、実写の映像とCGを自然になじませて、映画やCMの完成映像を作るソフトです。
たとえば「街の映像に爆発を足す」「背景を入れかえる」など、実際に撮った映像にCGを加えてひとつの映像にする作業がNUKEの得意分野です。
NUKEはノードベースという操作方法を採用しており、映像のパーツごとに処理を分けて視覚的に確認しながら編集できます。これにより、複雑な映像合成も整理しやすく、修正や調整もスムーズに行えます。
映画やテレビ、CM、ゲームなど多様な映像制作の現場で使われており、特にハリウッド映画やNetflixのVFX制作で、映像合成の標準ツールとして高く評価されています。
こちらの卒業制作はNUKEを使用しており、メイキングのようなカットで編集されています。
実写映像とCGを融合させた映像を作りたい方は必見のソフトです。
▽NUKEはこんな方におすすめ!
・実写映像にCGやエフェクトを自然に組み合わせて、リアルな映像を作りたい人
・映画やCM、テレビなどの映像制作で合成技術を身につけたい人
・VFXの現場で映像合成に携わりたい人
AfterEffects
映像に動きとエフェクトを加えて、最後の仕上げをするソフト!
Adobe社が開発する After Effects (アフターエフェクト)は、モーショングラフィックスや映像の加工・演出を得意とする映像編集ソフトです。
CG制作の現場では、完成した3DCG素材に文字やエフェクトを加えたり、カット全体の色味を調整したりと、仕上げの工程(コンポジットや演出)で活躍します。
たとえば「キャラクターの動きに光のエフェクトを足す」「グラフィックを動かす」「映像全体にトーンや雰囲気を加える」といった作業が可能です。
After Effectsは、3Dソフト(MayaやHoudiniなど)から書き出された映像素材を組み合わせて、見栄えを調整し、印象的に仕上げる役割を担っています。
CG専門ではありませんが、現場ではCGと実写、文字、効果音などをまとめる“最後の仕上げツール”として多く使われています。
▽After Effectsはこんな方におすすめ!
・3DCG映像に、エフェクトや文字、動きを加えて完成度を高めたい方
・映画やCM、MVなどの映像演出に興味がある方
・映像全体の雰囲気や見せ方にこだわりたい方
Unreal Engine
映像もゲームも作れる、リアルすぎる“仮想世界”の制作ツール!
Unreal Engine (アンリアルエンジン)は、Epic Games社が開発した、リアルタイムで映像やゲームを制作できる高性能なゲームエンジンです。
キャラクターの動きや光の演出、カメラワークなどをその場で確認しながら制作を進められるのが大きな特長で、ゲームのように操作しながら完成形に近い映像を作れるのが魅力です。
現在では、ゲーム開発はもちろん、映画・建築・アニメーションなどさまざまな業界でも活用が拡大しており、リアルタイム技術の需要が高まっています。
こちらの卒業制作でUnreal Engineが用いられています。
映画のようなリアルな3DCG映像を作りたい方にはおすすめのソフトです。
▽Unreal Engine はこんな方におすすめ!
・ゲーム制作に興味があり、実際に動く画面を作ってみたい方
・キャラクターや背景をリアルタイムで動かしながら映像を作ってみたい方
・映画やアニメのようなシーンを、自分で演出・構築してみたい方
Unity
ゲームやアプリ、VRなどを“自分で作って動かせる”開発ツール!
Unityは、スマホゲーム・3Dアプリ・バーチャル空間・インタラクティブな展示など、動きのあるコンテンツを作ることができるゲームエンジンです。
スマホやPC用の2D/3Dゲーム制作、体験型アプリ開発、VR・ARコンテンツの制作などが得意で、作成した制作物はスマホ、PCなど多くの機器で使えるマルチ対応であることが特徴です。
プログラミング初心者でも始められる環境が整っていて、世界中の個人クリエイターから大手企業まで幅広く使われています。
こちらの卒業制作のエフェクトが、Unityで作られています。
また、こちらの卒業制作でもUnityが使用されています。
プレイヤーが自分の手を動かして、“後出しじゃんけん”に挑戦する体験型ゲームです。
インタラクティブな操作やVRとの連携も、Unityならではの強みですね。
▽Unity はこんな方におすすめ!
・ゲーム制作に興味があり、スマホやPCで動く作品を作ってみたい方
・プログラミングとデザインの両方を活かして、インタラクティブな体験を作りたい方
・ゲーム以外にも、アプリやAR/VRなど幅広い分野にチャレンジしたい方
まとめ
それぞれのソフトでできることや強みをご紹介してきましたが、実際に使ってみてこそ、その面白さや奥深さが実感できるはずです。
デジタルハリウッドの本科CG/VFX専攻では、今回ご紹介したMaya・Houdini・ZBrush・NUKE・After Effects・Unreal Engine・Unityなどの主要ツールを、実践的なカリキュラムで学ぶことができます。
CGや映像制作に少しでも興味のある方は、ぜひ一度デジタルハリウッドのスクール説明会にお越しください。
もっとデジタルハリウッド卒業生の作品が見たい方は、下記ボタンからチェックしてみてくださいね。
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