デジタルハリウッド東京本校 ブログ

【Webデザイナー専攻】ブックデザイナーがWebデザインを学んで感じたこと、そして学校の魅力とは!?

2023-07-29

卒業生紹介

那須彩子さん


専科Webデザイナー専攻卒業

ブックデザイナー/アートディレクター

 今回、専科Webデザイナー専攻卒業生の那須さんより卒業制作で制作したWebサイト『木漏れ日ハウス』の雑誌販売が決定したとご連絡をいただきました。その卒業制作のWebサイトについて、また受講中の思い出などお話を伺いました。

ご経歴を教えていただけますか?

卒業制作で制作したWebサイト『木漏れ日ハウス』

 大学時代からずっと、デザインをしています。マガジンハウスのデザイナーとして長年働き、『TARZAN』や『クロワッサン』などの雑誌から始まり、多くの書籍のアートディレクションを担当してきました。

そして40歳になる時に、働き方を変えたいなと考え自分の会社を作りました。仕事内容は引き続き書籍のアートディレクションとデザインです

Webを学ばれたきっかけを教えてください

 デジタル自体に興味を持ったのはスマートフォンの普及によって、紙媒体の需要がどんどん減ってきていると実感したからですね。残念ながら生活の中で雑誌を読むというライフスタイルが減りましたし‥‥。
一度Webというものを勉強してみて、Webができることを体感してみたかったのです。

実際にWebを学んでみていかがでしたか?

 長く紙と向き合ってきた私としては、Webを学んでいく中でぼんやり見えてきたことは、もっと温度がある表現があってもいいのではということでした。『Web=便利な情報ツール』という点が勝っていますが、単にスピーディーに伝えるだけではなく、映画のように感覚的にじわじわとゆっくり人の感性に響くような情報装置でもいいでは、と思ったのです。

素敵なお考えですね!
実際に制作されたWebサイトもそのような思いが込められているのでしょうか?

 はい。卒業制作は雑誌のように文字がきちんと読めて、目が休まる程度に空間があり、写真を眺める時間や読ませる時間があるデジタルと紙の間のようなサイトを目指しました。ただ、思い描いたものを実現するのが難しくて、学校に日々通って聞きながらやっていました。

卒業制作で制作された『木漏れ日ハウス』についてお伺いできますか?

 『木漏れ日ハウス』 は蜂須賀さんの日々の生活のWebサイトです。“ 身近な自然に目を向ければ、暮らしはもっと楽しくなるのでは…” という発想から、 蜂須賀さんご自身でそういった生活を実現されている方です。蜂須賀さんの柔らかい世界観を美しい写真とともに楽しめる媒体としてWebがふさわしいと思い卒制のテーマに選びました。

『木漏れ日ハウス』  https://with-nature.net/

今回その卒業制作を雑誌として販売開始された経緯も教えてください

 Web制作で蜂須賀さんの心地よい世界観は、ある程度表現できたと思っているのですが、やはり紙媒体の最大のメリットは、自分のペースで手元で繰り返し読めることですよね。Web制作をしたことで改めて『本』という形の持つ魅力を確認でき、手のひらサイズのちいさな雑誌が生まれました。

蜂須賀さんの思いは「これからの個人の豊かさを考えていく中で、どうやってお金をかけ過ぎずに日常の幸せを見つけていくか」ということです。このメッセージをゆっくり読み返しながら感じ取ってもらうためには『ちいさな雑誌』というカタチがベストだと思いました。

デジタルハリウッドでWebサイトを作ったことで、紙とWebの違いが分かったからこそ、もう一度紙に戻ったのです。デジタルをやってよかったです。

そしてWebを使って自身で販売できるのも嬉しいです。海外に住む知人にもwebを通して雑誌を販売している情報が伝わり購入していただきました。

Webサイトから雑誌制作のすべてを行っているのですが、もし誰かにお金を払って頼むことはできたとしても、 やはり限りなく自分の手でやりたい、自分たちで生み出すことに価値があるという想いは美大で培ったものですね。自分で作ることで細部を工夫していけますし、業者に頼むより断然夢があります。

スクール通学時代の思い出を聞かせてください

 入学して1ヵ月目に自分がやりたいことをやるには果てしなさ過ぎると途方に暮れてしまいました。そんな時、担任の奥田先生に「無理かもしれない」と相談したところ「今は諦めないでやろう、彩子さんは、デザインは学ばなくていいのでコーディングの技術さえ学べば具現化することはできますよ」と言っていただきました。相談する中で自身がやるべきことと、何が足りないのかが分かってきました。たくさん話を聞いてくださり奥田先生には感謝しています。

また、トレーナーの岩原先生もこうしたいということを丁寧に一緒に考えてくれました。彼女なくしてはこのWebサイトはなかったと思っています。

奥田先生とは今でもお互いのデザインの話をしたり、岩原先生はおうちに遊びに来てくださったり、すごく楽しい関係性になれました。

「もう無理」というところから素敵な卒業制作を作るところまで頑張られたのですね!

2つ目の卒業制作『失語症からの言葉ノート』

 そうなのです。しかもWordPress講座も追加で受講し、WordPressを使用したサイトも制作し、卒業制作を2つ制作しました。何度も何度もAny(※デジタルハリウッドのオリジナル学習教材)を繰り返し見て、不明点はSTUDIOに通って質問をするようにしていました。2つ目の卒業制作はananの編集長が失語症の本を出されたので、その本の宣伝のためのサイトを制作しました。

卒業制作を2作品も!すごいですね!そこまで頑張れた理由はありますか?

 学校で同じモチベーションの人と仲良くなれることは最高かもしれないと思っています。

先生はもちろんのこと、校舎に通っているとお互いよく見かけるね、と話しをするようになった受講生もいました。同じ大学出身で意気投合し、年齢にすると二回りも下の方なのですが、とても能力が高いのに威張らずニュートラルに接してくださり世代を超えた繋がりができました。

繋がりという点で学校をオススメしたい方はいますか?

 子育てをしている方こそオススメです。実際、デジタルハリウッドには主婦の方やママさんもたくさん通っていますが、そんな大きな収入ではなかったとしても何か社会と繋がっていることはとても大切だと思っています。子供のために時間を割いてあげることは素敵だけれど、子どもが巣立った後も人生は長いので…。デジタルハリウッドに入学されている方はいいきっかけを掴んでいるな、と思いました。コミュニティから仕事が生まれたり、就職できたりもありますしね。

デザインをする楽しさはなんですか?

 デザインの楽しさは制作工程にあると思っています。クライアントや発信したい人がどんな世界観を持っていて、どんな条件の中でどんな人たちに伝えたいのか。その思いを丁寧に汲み取れて、クライアント側が望み通りだと思ってくれた時は嬉しいですね。特に発注側がはっきりしたビジョンがなかった場合は、『ビジュアル化するとこんな風に見せることができるのですね』と満足してもらえると、やりがいを感じます。

今まで千冊くらい本をデザインしてきましたが、それでも最初は、相手が何をしたいのかを丁寧に聞くところから始まります。どういうことをしたいのか、ターゲットはいくつの方なのか、ターゲットによって文字のサイズは?どれくらいの余白が必要なのか?とすり合わせていく作業が必要で、完成するまでのコミュニケーションがデザインの魅力です。

最後に、これからデザインを学びたいと考えている方にメッセージをお願いします

 今までデザインをしたことが無い方でも、やってみたい、と考える人は、デザインが好きなのだと思います。

もちろん独学はされるべきだと思いますが、学校ではコミュニケーションを取りながら、趣味でするデザインと対価をもらうデザインはこう違うのだと学ぶことができるのが良いところです。私のように色々な友達ができるかもしれませんし、先生、受講生などたくさんの方とコミュニケーションをとれるのがデジタルハリウッドの魅力であり、半年すべてがチャンスです。

デジタルハリウッドは年齢のボーダーがない学校だと思っています。

唯一必要なのは好奇心。好奇心を持って頑張ってください。



▼那須さんの学ばれた専科Webデザイナー専攻はこちら

その他の東京本校のブログ

BLOGS