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【イベントレポート】『LINE株式会社プロダクトマネージャー斎藤氏に聞く!サービスデザインとは?』

2023-05-27

LINE株式会社プロダクトマネージャーが登壇!

生活の一部にもなっているスマートフォンアプリ「LINE」
日々皆さんが触れているサービスはどのようにデザインされているのか 、 実際のデザイナーの仕事内容は・・・?
LINE株式会社にて、プロダクトマネージャーとして広告プラットフォームの企画などを担当している齋藤健氏をお招きして、お話を伺いました!





登壇者紹介

齋藤 健 氏

LINE株式会社 LINE広告事業本部
Demand Product Management室副室長
2010年ヤフー株式会社でデザイナーとしてキャリアをスタート。ECや広告周りのUI/UX
デザインを担当。
2016年LINE株式会社にPdM(プロダクトマネージャー)として転職し、広告プラット
フォームの立ち上げに従事。
2018年外資系コンサルタントでUXコンサルタント兼デザイナーとして銀行や配送業の
アプリ設計やデザインを担当。
2020年に再度LINE株式会社に戻り、現在に至る。

会社紹介

LINE株式会社
コミュニケーションアプリ「LINE」などの各種サービスを運営。
また、近年では動画・音楽・マンガ・ゲームなどを中心とした「コンテンツ・プラットフォーム」と、決済・求人・O2O などの生活関連サービスに注力した「ライフ・プラットフォーム」の2 軸によって、より多くのユーザーの生活が豊かになるサービス展開を行っている。

https://linecorp.com/ja/

もくじ

そもそもサービスデザインとは何か?

すべての要素を広く網羅し、異なる立場や業種の人団体が協力して新たなサービスや価値観を作りながらユーザーを中心にサービスの質を向上させる手法のことを大きく指します。
特に、サービスデザインはサービス提供者、ユーザー、その他のステークホルダー(利害関係者)全員の体験を重視します。

なぜ広告を出すのか?

広告を出すことによって価値とお金が動き、お金が循環する仕組みが出来上がっています。
サービス提供側とサービスの利用者は価値と価値の交換をしています。
サービス提供者は広告代理店、広告主に価値を提供し、収入を得ています。
そうすることによって広告を通してお金を循環させ、収益を上げています。

プロダクトマネージャーの仕事とは?

ライン広告にかかわる人への価値を最大化して収益を上げる仕組みを作る仕事です。
そのために仕組み( ≒サービス)を可視化して仕組み( ≒サービス)を作っています。
デザイナー、QA、エンジニア開発、セールスと連携相談しより良いものを製作するのが仕事です。

サービスができるまで

①調査と企画
プロダクトマネージャーがユーザーはどんなものに需要があるのかどんな機能が欲しいの
かの調査


②仕組みを作る(システム開発)
企画したサービスがどのようにしたら実装できるかをプロダクトマネージャーとエンジ
ニアたちが相談


③デザインをする
企画したサービスを実装した際にはどのように目に見える形にするのかのデザインを考え、
加えてどこに広告を掲載するかをプロダクトマネージャーとデザイナーが考える


④届け方
この新サービスをどのように知ってもらうのかをビジネス企画マーケターが相談し、テレ
ビCMを出すのか、YouTubeに広告を出すのかなどを検討
リリースを経て...


⑥分析・改善
サービスの欠陥や改善点を探し改善するほか、サービスの向上できる部分を探す

サービスデザインをするうえで重要なこと!

「ユーザーニーズを把握すること」隠れたニーズを見つけ出すにはユーザーへの深い洞察力と執着心が必要。
ほんの小さな動きまで見逃さず、絶えず、疑問を持ちながらあらゆる方法で奥底にあるニーズを徹底的に問い続けること、
ユーザーへの熱い思いがあってこそ。
そこがとても大事だとお話しいただきました。


デザインに対する5つの考え方

・サービスを可視化する
 サービスは 見えないもの なので可視化する必要がある
・サービスを整理する
 なんとなく同分類であるもので分けていくことによって情報の整理する
・サービスを取捨選択する
 整理した情報から今何を考えるべきかを明確化していき、
 今どんな人に向けてサービスを考えるべきなのか焦点を絞る
・サービスを磨きこむ
 
価値を最大化するためにサービスに磨きをかける
・試すこと
 試すことでわかることがある

毎回サービスデザイン的な手法を使っているわけではない?

複雑なサービスか否かが重要になります。利害関係者の人数によって変わり、提携先企業、
提携先に商品を出している複数の企業など利害関係者が多い場合はサービス的デザインを使用しますが、
そうではなく利害関係者が少ない場合はサービスデザイン的な手法は使用しません。

LINE社がサービスデザインをするうえで気を付けていること

―ユーザー中心に考えていきます。
 サービスを利用する人だけがユーザーではなく、提供するサービスに関わる全員がユーザーだと考えています。
―複数の人が関わるサービスではサービスという見えないものの可視化、整理。
 磨きこみが重要視されてくると思っています。
―プロダクトマネージャーおよびマーケッターがやることが多いですね…!
 こういった手法は採用でも利用することがあります!

参加者からのQ&Aにとても丁寧に回答いただきました。

Q1 一生懸命作ったものにネガティブな意見が来た場合どうやって心の安定を保っていますか?


A. ネガティブな意見も貴重なフィードバッグだと思うので改善にしていくのに必要な貴重
な意見だと考えています。
使ってもらえないことよりも、ネガティブな意見は注目されている証!だと思っているので
素直に反応があることはうれしいです。

一番悲しいことは誰にも見てもらえないということですね ...。

Q2 プロダクトマネージャーは業界未経験でも経験を積めばできますか?


A. プロダクトを作りきるために、プロダクトがどのようにしてできているかを知る必要があります。
そのためにも1通り全部を体験してみるというのは非常に重要なことです。
実際に経験を積むということはとても大事でして、全体の仕事をなんとなく知っておくことで
プロダクトマネージャーとして働きやすくなります。


Q3 プロダクトマネージャーが複数いた場合方向性が違った時にはどのように解決しますか?


A. 相談して決めることが多いです。
相談で決まらなかった場合は取締役などに決めてもらい方向性を統一していきます。
広告デザインにおいては予算などの数字で判断することが多いですね。


Q4 先ほどグラフィックレコードが画面で見えておりましたが、
 それもプロダクトマネージャーをする中で
自然に身についたスキルですか?


A. グラフィックレコードは前会社(Yahoo!)時に同僚から学んだスキルです。
海外などでは話し合いの際にグラフィックレコードを描くことが多く、
その方が頭に残りやすいと現地の人たちはよく話しています。
グラフィックレコーディングは絵をうまく書く必要はないので簡単に描くことができます。
プロダクトマネージャーはいろんな人の話を聞いてその情報を整理する
ということが多いので役立つ場面が多いです。


Q6 英語ができれば何か活躍の場は広がりますか?


A. 英語ができた方がよいのは間違いないです。デザインの発祥は大体が海外です。
英語ができればより多くの情報を得ることができるので、プロダクトデザイナーにおいて
たくさんの情報を知っていることは強みになります
ので英語はあるに越したことはないです。


Q7 将来的にフリーランスとして活躍したい場合、
  プロダクトマネージャーの裁量を生かすことはできますか?


A. フリーランスで何になるかにもよりますが、
最近は プロダクトマネージャーもフリーランスで働くこと があります。
大きな会社に入り、コネクションを作った後にフリーランスになりプロダクトマネージャーをする人も
中には存在します。
やっぱりちょこちょこ増えてきていますね。
サービスを0から立ち上げる時にそういう色々なことを考える人が必要になるんですよね。
立ち上がってしまえば後は特定のスペシャリストたちで成り立っていくのですが、
やっぱり最初はいろんな人たちの力が欲しいので一時的にいろいろな人を集めるってなった時に
フリーランスで活躍するには必要になってきますよね。


Q8 プロダクトマネージャーの裁量を持ってウェブデザインができて、グラフィックレコードもできたい、
 となれば正直会社でどれくらいの経験年数が必要だと思いますか?


A. 0から立ち上げた経験があるかが大きく影響していて、LINEはある程度人数がいて、
いろんな人と一緒にやるということが多いです。
そのため、プロダクトマネージャーとしてある程度できるようになったのは2年ぐらいでした。
ですがベンチャー企業などに所属してどうしても納期に間に合わせなければいけない場合が多いところで
働いていくと1年程度で経験を得ていると思います。
その分結構大変かなーと思いますね。
現在新卒で入ってプロダクトマネージャーをするとなると3年程度はかかるのではないかなと思いますね。


Q9 会社に入らなくてもランサーズなどで経験を積んでも問題ないですか?


A. ランサーズの場合はWebデザインを製作するお仕事まではいきます。
ただ、それ以上にはいかないので経験としては良いですが、1つのサービスを作るとなると
そのレベルまで行くにはなかなかできないかなと思います。
その場合企業の人と関わる機会を増やしていくのがよいかと思います。
ランサーズではwebなどを作るスキルを身に着けるにはとてもよいかなと思います!

  

ありがとうございました!
皆さんが使っている「LINE」にはこんな思いが込められているのですね。
デジタルハリウッドではこれからそんなサービスを作っていく、サービスに携わっていく
人たちが学ぶ場所です。
新しく何かをはじめたいと思っているあなたをお待ちしております。
斎藤さん、ありがとうございました!


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