デジタルハリウッド東京本校 ブログ

【東京本校/イベントレポート】
Jump into the world!
世界で活躍するCGアーティストに学ぶ
クリエイティブの真髄 ~2018 summer~

2018-08-18

第2回
Pixar Animation Studios アニメーター 原島朋幸氏による
「インクレディブル・ファミリー」メイキングセミナー

こんにちは。
東京本校スタッフの坂上です。

本日はこの夏、世界で活躍するCGアーティストをお招きしてお送りする全4回のセミナーの第2回目の様子をご紹介いたします!

▼ゲスト紹介

原島 朋幸氏(アニメーター)
Pixar Animation Studios

神奈川県出身。電気通信大学を卒業後エンジニアとして勤務している時にデジタルハリウッドを知る。デジタルハリウッド在籍中に作成したショートフィルムが1999年にロスアンゼルスで開催されたシーグラフのエレクトロニックシアターで上映される。
2001年に渡米しサンフランシスコの美大、アカデミー・オブ・アートでピクサーのアニメーターが教える通称ピクサークラスを履修する。アカデミー・オブ・アート在籍時にロスアンゼルスの老舗VFX Studioのリズム・アンド・ヒューズでアニメーション・インターンとして「ガーフィールド2」の制作に携わる。
その後DreamWorks AnimationとPDI/DreamWorksにてアニメーターとして「ヒックとドラゴ1、2」や「マダガスカル2、3」などの制作に携わる。ピクサーでは「アーロと少年」、「ファインディング・ドリー」、「カーズ/クロスロード」、最新作「 インクレディブル・ファミリー 」の制作に携わる。

▼「クリエイティブの妥協をしない」PixarがPixarたる所以

原島氏がご担当されているパートは「アニメーション」です。
インクレティブル・ファミリーのブラッド・バード監督は、キャラクター達を一目見れば、どの様なことをしているのかが伝わるポーズを好まれているそうです。
本作に登場するキャラクターたちはスーパーパワーを持っているが、体重の重みなどを意識したリアルな動きを大切にしながら制作を行ったとのこと。

©2018 Disney/Pixar. All Rights Reserved.


例えば、
ボブ(画像左端のキャラクター):上半身に重心があるため、そこを中心としたバランスづくり・動きに
ダッシュ(画像真ん中のキャラクター):時速160kmで走れるが、10歳くらいの男の子の体重を感じさせる動きに


監督の頭の中に描かれているイメージを形にし、それをまたアニメーター同士で共有しながら制作が進行していくそうですよ。
また、アニメーションの制作と並行してシミュレーションやエフェクトの制作も進行しているとのこと。
しかし、監督の理想とするかたちにならなければ、各パートで制作が進んでいても修正を行っていく。時間もお金もかかることですが、限られたお金と時間の中で理想を追求する部分がPixarのすごいところであり、
「クリエイティブの妥協をしない」という姿勢がPixarがPixarたる所以
であるとのこと。
チームとして作品制作にかける熱い思いが伝わってきました。

▼大切なのは、作品の世界の中で生きるキャラクターたち

「作品に登場するキャラクターたちは、作品の世界の中で生きています。」
アニメーターは、彼らが動かされているのではなく、自分たちで意思を持って動いていると見せることが大切であるとのこと。
どれだけ良いストーリーだとしても、キャラクターたちが動かされているように見えるのであれば、それは失敗だそうです。
キャラクターたちが何を考え、次にどんな動きをしようとしているのかをアニメーターが考え、キャラクターたちが意思を持って動いているようにアニメーションをつけることを目指して制作に取り組まれているそうですよ。

ここで、原島氏が担当されたシーンを映しながら、修正が加えられて最終的にどうのようなシーンになったのかを解説していただきました。

キャラクターたちにどのような動きをつけていくかをアニメーターがアイディアを出し、監督に提案していくとのこと。
簡単そうに見えるシーンでも、キャラクターたちが話しながら移動していくシーンなどは難しく、10秒ほどのシーンでも制作に1か月以上時間をかけているとのことで、会場からは驚きの声があがりました。

また、今回はなんとリメンバー・ミーの制作についてもお話しいただきました!
主人公ミゲルのちょっとした仕草にもこだわりをもってアニメーションをつけているとのこと。
いわれて初めて気付くようなところにまでこだわって仕事をするというお姿、非常に素敵ですね。
参加された方々は、会場にいるからこそ聞けるメイキング解説をとても熱心にメモを取りながら耳を傾けていました。

▼海外就職を目指すあなたへ
 海外で働くとはどういうことなのか

セミナー終盤では、海外就職についてお話しいただきました。

日本を出て海外で働くということは、言語も変われば生活のスタイルも変わります。その中で会社を選ぶ際に何を考えるのか。
それは「自分が何をやりたいのか。」です。
そして、それを踏まえたうえで仕事と私生活のバランスもきちんと保つことができる会社へ行くことが大切です。


自分のやりたいことを続けていれば、自然とその先に繋がっていきます。
自分から気持ちを伝えないという受け身の姿勢では、この先通用しません。
夢をかなえるためには「自分の考えをしっかり伝える」ということがとても大切になってきます。

また、海外での就職は日本での就職活動とアプローチの仕方が異なります。
自分のやりたいことができるポジションがその企業にはあるのか、その企業は採用活動を行っているのかなどをリサーチしていく必要があります。
そして、その企業が求めるデモリールを送れるかが重要になってきます。
現在は、バンクーバーやモントリオールなどカナダの方がアメリカよりもチャンスがある状況です。
カナダであれば、ワーキングホリデーなどのビザも取得しやすいですが、アメリカでのビザ取得はかなり厳しくなっています。

海外に行く際の一番の壁は、やはり「ビザ」なのですね。
ビザは国によって条件や期間などが異なりますので、海外に行かれる方は早めに準備を始める事をお勧めします。

▼最後に、なぜ私が海外就職を叶えられたのか

なぜ、私が海外就職を叶えて、今こうしてここにいるのか。

それは 「諦めなかったから」 です。

自分のやりたいことを見つけて、どうしてもそれがやりたくて。
それを叶えるためには時間もかかったし、泥臭いこともずっとしてきました。
でも、そこで諦めたら終わりだと思っています。
みなさんもやりたいことを見つけて、夢に向かって諦めずに突き進んでください。

いかがでしたでしょうか?
『Jump into the world!世界で活躍するCGアーティストに学ぶクリエイティブの真髄 ~2018 summer~』は第3回、4回へ続いて行きます。

第3回は大阪校にて、 現在はSonyPicturesImageworksでアニメーターとしてご活躍されている若杉 遼氏に、「海外CGアニメーターとして活躍するために、今知っておきたいことセミナー」を行っていただきます。
詳細はこちらから
Jump into the world!
世界で活躍するCGアーティストに学ぶクリエイティブの真髄 ~2018 summer~
第3回 「海外CGアニメーターとして活躍するために、今知っておきたいことセミナー」
また、最終回となる第4回は、ステルスワークスでエフェクトアーティストとしてご活躍されている卒業生:米岡 馨氏に「ステルスワークス米岡流 海外就職とその後のキャリアパスを考えるセミナー」を行っていただきます。
詳細はこちらから
Jump into the world!
世界で活躍するCGアーティストに学ぶクリエイティブの真髄 ~2018 summer~
第4回 「ステルスワークス米岡流海外就職とその後のキャリアパスを考えるセミナー」



それでは、第3回、4回のセミナーレポートもお楽しみに!


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