こんにちは。デジタルハリウッド東京本校、TAの大久保です。
2016年8月3日、デジタルハリウッド東京本校に株式会社オムニバス・ジャパンの中川茂之様(コンポジット課 課長)がお越し下さいました。
中川様はTVドラマ「牙狼-GARO-」シリーズに初回から携わっており、雨宮慶太総監督からも絶大な信頼をいただいているベテランコンポジターです。
最近の作品では特撮監督として撮影現場に入っており、2014年に放送された「牙狼-魔戒の花-」第13話では監督も務めていらっしゃるとのことで、
現場の貴重なお話を聞かせていただきました!
第一部「撮影現場での各部署の紹介とCG部の関連」
第一部では、撮影現場に集まる監督から役者に至るまで、あらゆる役割の部署とCG部門との関わりをお話いただきました。
実写合成に興味はありましたが、今まで現場との関わりをあまり気にしたことがなく、CG部に関わりがあるのは照明とカメラに関してだけかと思っていました。
しかし話を聞くうちに、想像以上に他部署との様々なやりとりがあることを知りました。
特に印象に残っているのは、助監督についてです。
助監督はチームで構成されていて、チーフが制作スケジュールを作り、それ以外の助監督がスケジュールに合わせた制作の進行管理を行っているそうです。
CGが大きく絡む撮影に関しても助監督がCG部と相談しつつ管理しているということを聞き、とても驚きました。
撮影や照明、美術などCGと関わりの深い部署のことのお話いただくうちに、逆にその部署にCGのことを知ってもらうのが大事だなと感じました。
CGを作ったり、合成するときに必要な情報や動き、流れを知ってもらうことで、撮影現場でよりCGが活用できるんじゃないかと思います。
私がこれまで存在すら知らなかったスクリプター(※)など、本当に全ての、現場に集まる人の仕事内容について説明していただけたのはとても面白かったです。
「実写合成に興味ない人でも、ライティングやカメラなど、現場(実写)から学べることが必ずあります。
特に作品の一から十までをすべて統括・管理する撮影現場の監督(総監督)の仕事は共通部分が多いので、CGクリエイターを目指す人こそ撮影現場を経験してほしい。」
撮影現場の全ての部署とCG部との関わりのお話の中で、中川様はこうおっしゃっていました。
※スクリプター…映画の撮影現場において、撮影シーンの様子や内容を記録・管理するパート
第二部「現場での経験からCG,VFX制作時にフィードバックできる事」
第二部では、映画の予告を観ながら、どういった工夫があるのか考察する、ということを学びました。
意図に合わせて、カットが変わるごとに照明も変化していることを指摘したり、
スタントマンのシーンを上手く挿んでいることを指摘したり...
映像を見て考察することは大変勉強になりました。
iTunes Movie Trailersで映画予告がたくさん見ることができるという耳寄りな情報を頂きました。
今回の授業で得た映像の考察の仕方を元に、色々な映像の技術に触れていこうと思います。
また、中川様が最後におっしゃっていた、
「CGで頭でっかちになっていない間に純粋な気持ちで作品を見る。」
という言葉には感じ入るものがありました。
ついついCGのことを考えてしまいますが、一度目くらいは純粋に作品を見たいものです。
今回の講義を終え、CGを学ぶ上で実写撮影の知識はとても大事なものだと改めて認識しました。
中川様、貴重なお話をいただき、誠にありがとうございました。