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【東京本校/ブログ】有限会社カナバングラフィックス特別授業「企画や脚本は、"ロジカル"に構成されている!」

2016-06-18

有限会社カナバングラフックス

初めまして。本科CG/VFX専攻VFXコースの比留間と申します。

先日、デジタルハリウッド東京本校で第一回目のワークアウトプログラムに参加しましたので、その授業レポートを書かせていただきます。

今回お越しいただいた企業は「カナバングラフィックス 」様です。

あの『ウサビッチ』や『やんやんマチコ』など、独特のテイストで数々の人気コンテンツを手がける人気企業ですが、この度はその代表兼ディレクターである富岡聡様にお越しいただきました。

全3回に及ぶ講義のテーマは、映像制作の準備段階となる、コンテンツや企画や脚本などのプリプロダクション(以下:プリプロ)です。


脚本についての書籍は今まで2、3冊読んだことがありましたが、こういった授業形式で実際にプロの方から直々に教わるのは初めてでしたので非常に楽しみでした。

プリプロは個々人の経験とセンスに大きく依存し、人類普遍のテクニックとして形式化することが難しい工程です。
あったとしても理屈はあまり役に立たない、そう思っていました。

例に倣い、企画や脚本で大事なのは理屈ではなく感性やセンス!という固定観念を持って臨んだ授業でしたが、内容はとてもロジカルで驚き、それと同時に理屈も使い手次第だということを痛感しました。

一回目の授業では企画書の大まかな流れと、脚本の三幕構成(設定・対立・解決)などの書き方、
二回目ではキャラクターデザインについて、
そして三回目では実際に富岡先生が書いた絵コンテを元に、自身の制作工程をご教示いただきました。

この中でも特に印象に残ったのが富岡さんの考え方です。
つまり、企画や脚本、絵コンテに対してのアプローチの仕方でした。

今回の講義では「各自で企画書を作ってきてください」という自主課題が出され、提出すると授業中に富岡先生に添削いただけました。

その際のアドバイスが的確かつ論理的でとても勉強になったのを覚えています。

例えば、キャラクターの印象のバランスです。
別の方の企画ですが、個人的にはテーマがしっかりしていて興味をそそられました。

その企画では『デスノート』のキラとエルのような敵対する二人の主役級のキャラを設定していましたが、それに対して富岡先生が指摘したのはこの二人の印象の差が大きい点でした。

つまり、一方はキャラとして濃いのにもう一方がキャラとして薄く、そのバランスが悪いとのことでした。
私は気づきませんでしたが、確かに言われてみればと納得した記憶があります。
それと同時に、プロはここまで洞察をしているのかと素人ながら実力差を痛感しました。

他にも、テーマを絞ること。
これは壮大でSFな企画書を出していた方へのアドバイスでした。

その他に、中途半端にするくらいなら突っ切った企画にする、キャラを活かす、問題やハプニングを設ける、などなど。

これらは理屈にするとどことなく凡庸で脚本に関する書籍ならほぼ載ってるような内容に思えますが、実際に具体的な企画を前に問題点をずばずばと指摘していく様子を見ると書籍と言ってることは同じでも実感としては全く別物でした。

百聞は一見にしかず、今回の場合とは若干意味が変わりますが、いくら本で読んで知識をつけても、実際に自分で試してみたり、プロのやり方を見なければ、本当の力として定着しない、そう痛感させられた授業でした。
脚本だけに限らず理屈やテクニックは使いようなんですね。

ちなみに私の企画も添削していただきました。

人間になりたいアンドロイドをテーマにした作品で、モノとして扱われることに憤りを感じ、主人の元を離れて一人旅に出るが、旅先の出会いを通して本当の自分らしさを知っていくというお話です。

これにたいしてのご指摘がテーマをもっと絞ろうと、問題をもっと分かりやすく、でした。
確かにその通りです(笑

卒業制作として予定している作品で尺の問題もあり減量と分かりやすさは必須ですね。
自分で作品を作り始めると客観視することが難しくなりますのでこういった機会は非常に貴重ですし、何よりプロの考え方を吸収できるこの上ないチャンスだと思いました。



最後に、富岡先生。
卒制のアドバイスもいただきまして、誠にありがとうございました。

大変勉強になりました。
今回の授業で学んだことを生かし、卒業制作、さらには今後の創作を進めていきたいです!

本科CG/VFX専攻VFXコース 比留間 大地

授業後に配られたアンケートがとてもかわいかったです!
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