こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校の中村です。
先月から始めました『スタッフ中村のTrend Reserching』
だいぶ間があいてしまい1か月ぶりとなりましたが、vol2をお届けいたします。
今回のお題は、IoTの記事を書いた時から実は決めていました。
第二回で取り上げるのは『Fintech』
前回のIoTについて調べている際に、何度もこの単語が登場し、
次はこれしかないと思っていました。
単語の雰囲気からなんとなくの意味はわかりそうですが、
少し詳しく見てみたいと思います。
前回に引き続き、今回もエト牛さんに登場していただきます。
IT企業が金融サービスを提供する理由
まずFintechという言葉。
これはFinance(金融)とTechnology(技術)の二つを組み合わせて作られた造語です。
この言葉自体は、5年ほどまえからアメリカで使われるようになってきました。
日本では2014年に新聞で登場したのが初めてなので、まだまだ日本では日が浅い言葉ですね。
意味をざっくりと言えば、金融分野でのITの活用、です。
これだけだと、わかるようなわからないような…
金融分野でのITの活用というと、大手都市銀行が行っているようなネット上で振込などができるサービスや
ネット銀行をイメージされた方もいるかと思います。
(私もその一人です。)
ですがFinTechはそのような意味ではありません。
ここでのポイントは、金融分野"での"ITの活用、という点です。
"金融機関が"ではありません。
『IT企業が金融分野で独自のサービスを提供すること』です。
なぜその専門ではないIT企業がやるのか。
なぜ金融機関がやらないのか。
それは各銀行や金融関連の会社がやってしまうと、それぞれが売りたい商品やサービスを押し出してしまうため、
ユーザーからすると、何か営業されるのではないかと不安に思うこともあるでしょう。
その点で公平ではなくなってしまう懸念があるためです。
もう一つは、UX(User Experience)という言葉が頻繁に使われるようになったことからもわかるように、
ユーザーはサービスそのものではなく、サービスを通して得ることができる体験を求めるようになってきたためです。
どんなサービス、どんなモノを提供してくれるのか、ではなく、
『そのサービスやモノによってどんな体験を提供してくれるのか。』
これが今とても大事になってきています。
「体験を提供する」ということを得意としているIT企業が金融分野に進出することで、
お金にまつわるサービスとそれに伴う体験を様々な側面から提供できるようになります。
金融機関が現在行っているのは総合的な金融サービスの提供や、金融商品の販売。
そうではなく、IT企業が『決済』『投資』など細かくセグメントした領域に特化することで、
よりユーザーが求めている体験を提供できるのです。
とは言ってもIT企業は金融に関しては初心者。
もちろん金融機関との協力は必要不可欠です。
スマートペイもFinTechの一つ。
では実際、どんなサービスがこのFinTechを使って行われているのでしょう。
FinTechの代表例を、役割ごとにいくつか紹介します。
それぞれの分類と実例を記載します。
①決済する・・・楽天スマートペイなどのように、携帯に小さな器具を差し込み、
そこにクレジットカードを通すことで簡単に決済ができる端末。
これは私も使ったことがありますが、とても便利でした。
サインも画面にタッチでできるんです。
すでに導入されているかもしれませんが、ピザやクリーニングのデリバリーサービスでお客様にお届けした時に、
その場でクレジットカードで決済できたらいいですね。
②管理する・・・クレジットカードを登録すると、自動でいくら使ったかなどを
まとめて管理してくれるものなど。
③増やす・・・どの商品が最適かを判断し、投資を自動でやってくれる。
④集める・・・インターネットを通じて、お金を借りたい人が不特定多数の人に呼び掛け、
資金を集めることができるようになるなど。
⑤送る・・・BitCoinなどの仮想通貨を使って、金融機関を通すよりも安く
個人間で送金ができるようになる。
このような宅配の場面で、スマートペイのような決済は重宝されそうですね。
FinTechスタートアップはまさに今年
FinTechは2年前からアメリカでは大きな注目を集めていました。
アメリカのそういった流れが日本にくるのは大体2~3年後だと言われています。
それを加味すると、この2016年がまさにその年。
日本にとってFinTechのスタートアップの年になるのではないでしょうか。
今まであまりITやテクノロジーに積極的でなかった金融の分野にも、ついに流れがやってきました。
これからさらにこの波は大きくなっていくかと思います。
デザイン×金融、テクノロジー×金融、システム×金融。
インタラクティブ×金融、なんてものもいずれは出てくるかもしれません。
金融だけでなくどんなものとも結びつくことができる『デザイン』や『インタラクティブ』
ものすごいスピードで変化していくこの世界を生きるためには、
この上ない武器になるかもしれないですね。
やっとお届けできました第二弾。
次はどんな話題をピックアップしようかなと、早速構想を練り始めています。
皆さんに少しでも有益な情報をお届けできるよう、これからも頑張っていきます。
引き続きよろしくお願いします。ではまた!