「今の仕事を、このまま続けていいのだろうか」――働くなかで、そう感じたことはありませんか。
今回お話を伺ったのは、デジタルハリウッドSTUDIOの本科UI/UXデザイン専攻で学んだY.Yさん。大学卒業後システムエンジニア(SE)として働いたあと、2025年10月にデジタルハリウッドへ入学しました。現在は、友人が立ち上げたスタートアップに創業期から参画し、資金管理から顧客への提案・見積もりまで、経営に近い業務を担っています。
「UXデザイナーへの転職」を目指して学び始めたY.Yさんは、なぜ別の道を選んだのか。そして、デジタルハリウッドで身につけたデザインの視点が、いまどんな場面で役立っているのか。キャリアの転機を、Y.Yさんの言葉からたどります。
PROFILE
Y.Yさん
大学では機械工学を学び、情報系の大学院へ進学。修了後、SEとして就職し、基幹システム開発に2年弱携わる。2025年10月、デジタルハリウッドSTUDIO 本科UI/UXデザイン専攻に入学。在学中に応募した「第87回 黒船祭ポスターデザイン募集」で作品が採用される。2026年1月から、友人が立ち上げたスタートアップに参画。
SEとして2年弱。「このまま働き続けるのは難しいかも」と感じた日々
情報系の道から、SEへ
大学院まで情報系を学んだY.Yさんは、その流れのままSEとして就職。社会インフラに近い領域のシステム開発に携わりました。
しかし働くうちに、職種とのミスマッチや、職場の雰囲気、働き方など、さまざまなことが重なっていきます。「このまま働き続けるのは難しいかもしれない」と感じるようになったといいます。
そしてもう一つ、別の軸として芽生えていたのが「UXデザイナーになりたい」という思いでした。この2つのモチベーションが重なり、Y.Yさんは会社を離れ、デジタルハリウッドへの入学を決めます。
大学時代から独学で続けてきたデザイン
実はY.Yさん、大学2年生のころから、ロゴやチラシ、ポスターづくりを独学で6〜7年続けてきました。在籍していたのは機械工学科で、デザインとは縁のない環境。それでも一人でデザインのイベントに足を運び、デザインインターンにも参加していたそうです。
ただ、「好きだけれど、仕事にできるだけのスキルがあるか」と問われると、自信は持てなかったといいます。そこで本業には、大学で学んでいた情報系の道を選んだのでした。
「情報×デザイン」が両立する場所として、UI/UXへ
好きなこと、合っていることの方がパフォーマンスが出る
SEとして働くなかで、Y.Yさんは「好きなこと、自分に合っていることをやった方が、パフォーマンスが出る」と強く感じたといいます。
そこで考えたのが、情報系のバックグラウンドと「デザインが好き」という自分の軸を両立できる領域。それがUI/UXでした。両方を持つ人材なら、ある種の需要があるのではないか――そんな見立ても、一歩を後押ししました。
独学だったからこそ「誰かに師事したい」
ずっと独学でデザインを続けてきたY.Yさんには、「デザインの知識を誰かにきちんと教わりたい」という気持ちがありました。
スクールは2校まで候補を絞り、見学や資料請求で比較。決め手は、デジタルハリウッドに通っていた知人から「すごく良かった」と聞いていたこと、そして実際に訪れたときの雰囲気の良さだったそうです。
課題は「誰かに届くもの」に。実在のクライアント・コンペと向き合った在学期間
在学中、Y.Yさんが大切にしていたのは「作るからには意味づけが欲しい」ということ。架空のクライアントを想定した制作ではなく、課題はできるだけ実在のクライアントやコンペティションにつなげ、誰かに届くものにすると決めていました。
黒船祭のポスターに採用。自分のデザインが喜ばれる経験に。
ポスター制作の課題では、提出締め切りを起点に、公募情報サイト「登竜門」で締め切りから逆算してコンペを探しました。そこで見つけたのが、静岡県下田市の黒船祭のポスターデザインを募集する「第87回 黒船祭ポスターデザイン募集」です。
応募した作品は採用され、2026年の第87回黒船祭のポスターに。下田に招かれた際には、下田市長や在日米軍の関係者の方々から、直接喜びの声をいただいたそうです。この出来事は、デザインで人に喜ばれる嬉しさを改めて実感した大きな原体験になったといいます。
Y.Yさんのデザインが採用された第87回黒船祭(2026年)のポスター
伊豆下田黒船祭公式サイトより引用
親戚が営むサロンのWebサイトを制作
Webサイト制作の課題では、Webサイトのつくり方がわからず困っていた親戚のサロンから依頼を受け、実際にサイトを制作しました。
「何に困っているのかは、本人に聞けばわかる。想像で作るより、むしろやりやすかった」とY.Yさん。相手の課題を聞き、それに応えるという制作の進め方は、のちの仕事にもつながっていきます。
デジハリは「締め切りを買い、アウトプットとレビューを得る場所」
ツールの使い方は、いまやAIや動画でも学べる時代。だからこそ、自分のアウトプットに対してプロのデザイナーが時間を割いてフィードバックをくれることが最大の価値だった、とY.Yさんは話します。
Y.Yさんはデジタルハリウッドを、「締め切りを買い、アウトプットとレビューを得る場所」と表現します。そしてもう一つ大きかったのが、熱量の高い仲間と出会えたことでした。
デザイナー就職ではなく、友人のスタートアップへ
「顔も知らない上司より、友人を手伝いたい」
2026年1月ごろ、友人から「会社を立ち上げるけれど人が足りない。手伝ってほしい」と声がかかります。当時は学業に専念していたY.Yさんは、これを引き受けました。事業はフィジカルAIを題材にしたもので、Y.YさんはAIに詳しかったわけでも、サービスに強いこだわりがあったわけでもなかったといいます。
当初は、立ち上げを手伝ったら抜けて、UXデザイナーとして就職するつもりでした。しかし、会社として需要があり事業が回りそうだと見えてきたこと。そして何より、「声をかけてくれた友人を手伝う方が、顔も知らない上司を手伝うよりモチベーションが出る」とはっきり感じたこと。迷った末に、Y.Yさんはスタートアップへの参画を決めました。
「0から1を生み出すよりも、やりたいことが明確にある人を手伝い、その実現をサポートする方が力を発揮できる」。自分の原動力がどこにあるのかを見つめた末の選択でした。
喜んでくれる人がいれば、職種は大きな問題じゃない
会社員時代にはあまり感じられなかった、「自分の仕事を喜んでくれる人がいる」という実感。それがあれば、実務で何をしているかは大した問題ではない――そう気づいたことで、Y.Yさんはデザイナーという職種にもこだわらなくなったといいます。
その原点は大学2年生のとき。サークルの先輩に頼まれて作ったロゴは、8〜10年ほどたった今も使われ続けているそうです。その後、サークルの創設者から有償でチラシ制作を頼まれ、喜んでもらえた経験も、デザインの楽しさや嬉しさを知るきっかけになりました。
デザインスキルは、デザイナーのためだけのものではない
「ユーザーファースト」は、メールにも見積もりにも生きる
現在のY.Yさんの主な業務は、資金管理と、顧客との面談・ヒアリング・提案・見積もり作成といった技術営業や管理業務です。事業はシステムの受託開発が中心で、今後は自社プロダクトの開発を目指しているそうです。
肩書きはデザイナーではありません。それでも、デジタルハリウッドで学んだ「ユーザーファースト」の視点は、メールの文面づくり、見積もりの提出、顧客対応など、ビジネスのあらゆる場面で役立っているといいます。
相手は何に困っていて、どう伝えれば届くのか。UI/UXデザインで鍛えた「使う人の立場で考える」姿勢は、職種を問わず生かせるスキルだということが、Y.Yさんの働き方から見えてきます。
学びは「目的」から逆算する
財務や会計など、経験のない業務にも向き合っています。ChatGPTなどのAIに「この勘定科目は何ですか?」と壁打ちしながら、仕訳を一つずつ覚えているそうです。
見積もり作成のように、会社の業績に直結する学びは優先し、成果への結びつきが遠いものは後回しにする。目的から逆算して学ぶ姿勢は、課題を実在のクライアントに結びつけていた在学中のスタンスとも重なります。
デジタルハリウッドの同期と、いまも事業化を進めている
デジタルハリウッドでの出会いは、卒業後も続いています。卒業制作で良い発表をした同期とは、いまも一緒に事業化を進めているそうです。
まとめ:キャリアを動かす「一歩」として
SEとしてキャリアに悩んでいたY.Yさんが踏み出した一歩は、デザイナー転職という当初の目標を越えて、仲間とともに事業をつくる道へとつながりました。
デザインは、見た目を整えるためだけの技術ではありません。相手の立場に立ち、伝わる形を考える力は、営業でも経営でも生かすことができます。そしてY.Yさんにとってデジタルハリウッドは、スキルに加えて、学習への強制力とプロからのフィードバック、熱量の高い仲間との出会いをもたらし、人生を動かすきっかけになった場所でした。
「今の仕事にやりがいを感じられない」「何かを変えたい」。そう感じているなら、まずは話を聞いてみるところから始めてみませんか。
デザインの視点を、これからのキャリアに。
Y.Yさんが学んだ本科UI/UXデザイン専攻では、デザイン思考やUI/UXデザイン、UXリサーチ・情報設計などに、企業課題を通して取り組む実践的なカリキュラムで学べます。通学とオンラインのどちらにも対応しています。
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