デジタルハリウッドSTUDIO渋谷 ブログ

UI/UXデザインはキャリアをどう変える?卒業生が語る、現場で求められるデザイナーとは|セミナーレポート

2026-08-23


「UI/UXデザインを学んだ先には、どんなキャリアがある?」
「未経験からクリエイティブ業界を目指すには、何を身につければいい?」
「AIがデザインを生み出せるようになった今、デザイナーに求められる力とは?」

そんな疑問に答えるセミナー、「UI/UXデザインはキャリアをどう変える? 卒業生が語る、現場で求められるデザイナーとは」を開催しました。

今回登壇したのは、2022年にデジタルハリウッドを卒業し、現在は大手IT企業でプロダクトマネージャーをされている卒業生、櫃石祥歌さん。
大学卒業後に情報システム系の会社へ就職し、そこからクリエイティブ業界へ転身。クリエイティブ会社での経験を経て、現在はプロダクトマネージャーとしてサービス改善に携わっています。

「デザイナーになる」だけではない、UI/UXデザインを学んだ先のキャリア。
そして、AI時代にクリエイターに求められる力とは何なのか。
セミナーで語られた内容をご紹介します。

登壇者

本科UI/UXデザイン専攻卒業生 櫃石祥歌さん



大学卒業後、情報システム系の会社に勤務するも、クリエイティブ職への思いを諦めきれず退職。未経験からデザインを学ぶためデジタルハリウッド東京本校へ入学を決意。運よく入学前に株式会社ロフトワークへ入社が決まり、通学と両立しながら、クリエイティブディレクターとしてWeb制作やデザイン経営ワークショップの企画・運営、デザインリサーチなど幅広いプロジェクトに携わる。現在は大手IT企業にてプロダクトマネージャーとしてサービスの企画・改善に従事。

「やっぱりクリエイティブ業界を諦めきれない」から始まったキャリア

櫃石さんは、大学卒業後、情報システム系の会社に新卒入社しました。

大学時代から広告業界やWeb制作会社など、クリエイティブ業界を志望していたものの、当時は就職活動で見せられるポートフォリオを作ることができず、一度はその道を諦めたといいます。

しかし、社会人として働き始めると、
「やっぱり諦めきれない」
という気持ちが強くなっていきました。

「まだ諦める年齢ではないのではないか。やりたいなら、やった方がいいのではないか」
そう考え、入社から約1年半で会社を退職。

その後、クリエイティブ会社へ転職し、クリエイティブディレクターやプロジェクトマネージャーとして、さまざまなプロジェクトを経験しました。

そして現在は、プロダクトマネージャーとしてサービスのプロダクトに携わっています。
デザイナーとしてキャリアをスタートしたわけではありません。

しかし、UI/UXデザインを学んだ経験を土台に、クリエイティブディレクター、プロジェクトマネージャー、そしてプロダクトマネージャーへ。

櫃石さんのキャリアからは、UI/UXデザインを学ぶことが、その後のキャリアの可能性を広げるきっかけになることが分かります。

なぜデジタルハリウッドでUI/UXを学んだのか?

クリエイティブ業界への転身を決めた櫃石さんが、学びの場として選んだのがデジタルハリウッドでした。
当時、別のオンラインスクールにも通っていましたが、そこでの学びは個人で取り組むスタイルが中心。

一方、櫃石さん自身は、
「仲間と一緒に学び合いたい」
というタイプだったそうです。

また、将来的にはフリーランスではなく、企業に所属してクリエイティブに関わりたいという思いもありました。

そこで、
・体系的に学べること
・仲間と一緒に実践的な経験を積めること
・卒業後のキャリアやつながりがあること
などを理由に、デジタルハリウッドへの入学を決めました。

当時の本科UI/UXデザイン専攻では、Photoshopを使った制作やロゴ制作、Webサイトの企画・デザイン、コーディング、マーケティングなど、幅広い内容を体系的に学びました。

現場で求められるのは「つくる技術」だけじゃない

クリエイティブディレクター、プロジェクトマネージャー、プロダクトマネージャーとして現場を経験してきた櫃石さん。

そんな櫃石さんが、現在のクリエイティブの現場で重要だと感じている力として挙げたのが、
「言語化する力」

そして、
「計画力・推進力」
です。

さらに後半では、AI時代にクリエイターが鍛えるべき力として、「思考力」と「審美眼」についても語りました。
ここからは、セミナーで語られた3つの力を紹介します。

1.デザインの理由を説明できる「言語化する力」

一つ目は、言語化する力です。

櫃石さんが語った「言語化する力」とは、単にデザインについて説明できるということではありません。
・なぜこのデザインにしたのか
・なぜこの表現が必要なのか
・何を実現したいのか
・それを相手にどう伝えるのか
まで含めて、自分の考えを言葉にする力です。

クリエイティブをつくるときには、必ず「なぜ作るのか」「作ってどうしたいのか」というコンセプトや方向性があります。

それをデザイナー、エンジニア、ディレクター、そしてクライアントなど、さまざまな立場の人と共有する。
そのためには、自分の考えを言葉にして伝えることが欠かせません。

「なぜ、このフォントなのか?」まで説明する

セミナーでは、櫃石さんが携わったWebサイトの事例も紹介されました。

施設の開業前に公開するティザーサイトで、まだ施設が完成していないため、写真素材も十分にありません。
それでも、見る人に「どんな施設なんだろう?」「行ってみたい」とワクワクしてもらう必要がありました。

そこで重要になったのが、デザインの一つひとつに理由を持たせること。
「なぜこのフォントなのか?」
「なぜこの太さなのか?」
「なぜこのイラストなのか?」
「なぜこの表現なのか?」
一つひとつの要素について理由を説明できることが、クライアントへの提案にも、デザイナーとのコミュニケーションにもつながります。
そして面白いのは、理由を伝えることで、デザイナーからさらに良いアイデアが返ってくることがあるということ。
「こうしてください」と指示するのではなく、「こういう理由で、こうしたい」と伝える。
すると、デザイナー側から「それなら、こうした方が良いのでは?」というアイデアが生まれる。

櫃石さんが「クリエイティブをやっていて面白い瞬間」として語ったのが、まさにこの対話の中から新しいアイデアが生まれる瞬間でした。

2.チームを前に進める「計画力・推進力」

二つ目は、計画力・推進力です。

クリエイティブの仕事というと、「良いデザインをつくること」に目が向きがちです。
しかし、実際のプロジェクトでは、
「スケジュールが足りない」
「予算が足りない」
「必要な素材が揃わない」
など、さまざまな制約が発生します。

そこで必要になるのが、
「何を削ってもいいのか。でも、何だけは絶対に削ってはいけないのか」
を判断する力です。

これは単なる妥協ではありません。
クリエイティブの核を守りながら、現実的な方法を考える。
そして、チームで「これでいこう」と合意し、実際にプロジェクトを前へ進めていく。
そのためには、計画する力だけでなく、メンバーのアイデアを引き出し、代替案を考え、チームを動かしていく推進力も重要になります。

櫃石さんは、こうした力はプロジェクトマネージャーだけに必要なものではなく、デザイナーやエンジニアなど、さまざまな職種にとっても重要だと話しました。

AI時代に、デザイナーは必要なくなる?

そして、現在のクリエイティブ業界を語るうえで欠かせないのがAIです。

櫃石さん自身も、仕事の中でAIを積極的に活用しています。
資料の作成や情報整理だけでなく、プロトタイプを短時間で作るなど、AIによって仕事のスピードが大きく変わっているといいます。
では、AIがデザインやプロトタイプを作れるようになったら、UXデザイナーは必要なくなるのでしょうか?

櫃石さんの答えは、
「それは絶対違う」
でした。

AIが生成したものを、そのまま使えば良いわけではありません。
「情報の強弱が適切か?」
「本当に伝わるのか?」
「ユーザーにとって良いものなのか?」
「そもそも、このデザインで課題を解決できているのか?」
生成されたアウトプットを見て、良し悪しを判断し、必要な修正を加える。

そこには、人間の「見る力」と「考える力」が必要になります。

AI時代に鍛えたい「思考力」と「審美眼」

櫃石さんがAI時代のクリエイターに必要だと考えているのが、
「思考力」と「審美眼」です。
AIを使うこと自体が目的なのではありません。

AIを使って生み出されたものを見て、
「これは良いのか?」
「なぜ良いのか?」
「何を変えれば、もっと良くなるのか?」
を判断する。

その判断の背景には、ユーザー、課題、状況などを総合的に捉える洞察があります。

だからこそ、AI時代には「つくる技術」だけではなく、何をつくるべきかを考え、アウトプットの質を判断する力がより重要になっていくのです。

「審美眼」はどうやって鍛える?

では、思考力や審美眼はどうやって身につければいいのでしょうか。

櫃石さんが挙げたのは、
「とにかく多くのものを見ること」
そして、
「なぜ?と考え、言語化すること」
です。

Webサイトを見るだけではありません。
街中の広告。
駅のサイン。
美術館やアート。
海外の看板。
日常生活の中にある、あらゆるものがインプットになります。

例えば電車に乗っているときに、
「なぜ、このフォントサイズなんだろう?」
「なぜこの写真を使ったんだろう?」
「なぜ、この場所にこのサインがあるんだろう?」
と考えてみる。

最初は「なんとなく太い文字だな」くらいだったものが、繰り返し見ていくことで、フォントや写真、コピー、レイアウトなど、細かな部分まで見えるようになっていく。

それが、自分自身の「見る目」を育てることにつながります。

つまり、デザインを学ぶことは、特別な場所に行かなければできないわけではありません。
日常そのものを、デザインを学ぶ場所に変えていく。
そんな姿勢も、これからクリエイターを目指す人にとって大切なのかもしれません。

デジタルハリウッドで学んだことは、現場でどう生きている?

セミナーの最後には、櫃石さん自身が卒業生として、デジタルハリウッドでの学びを振り返りました。

そこで挙げられたのが、
「自分の自信の下支えになった」
ということでした。

クリエイティブには、絶対的な正解があるわけではありません。
だからこそ、未経験で業界を目指すと、
「自分の考えで大丈夫なのか?」
「本当にクリエイティブ業界でやっていけるのか?」
と不安になることもあります。

そんなとき、
「体系的に学んだから大丈夫」
と思えることが、自分自身を支える力になる。
デジタルハリウッドで1年間学んだ経験が、櫃石さんにとってその土台になったそうです。

グループワークだからこそ身につく力

そして、もう一つ強調されていたのが、グループワークと仲間の存在です。

今回紹介した、
・言語化する力
・相手に伝える力
・計画力・推進力
・思考力
・審美眼
これらは、グループワークの中で実践的に鍛えられると櫃石さんは話しました。

自分のアイデアを相手に伝える。
相手のアイデアにコメントする。
限られた時間の中で、チームとして成果物を完成させる。
そして、自分にはなかった視点を仲間から得る。
こうした経験の積み重ねが、実際のクリエイティブの現場で必要になる力につながっていきます。

さらに、卒業後も同期との交流が続いており、それぞれ異なるクリエイティブ領域で働く仲間から、業界の最新情報を聞くこともあるそうです。

学ぶ期間だけではなく、その後も続いていく仲間とのつながり。

これも、スクールで学ぶからこそ得られるものの一つです。

UI/UXを学ぶことは、「デザイナーになる」だけではない

今回のセミナーで印象的だったのは、櫃石さんのキャリアそのものです。

情報システム系の会社からクリエイティブ業界へ。
そこからクリエイティブディレクター、プロジェクトマネージャーを経験し、現在はプロダクトマネージャーとしてサービス改善に携わる。

UI/UXデザインを学ぶことは、必ずしも「UI/UXデザイナーになる」という一本道ではありません。
デザインを軸に、企画、プロジェクトマネジメント、プロダクト開発など、さまざまなキャリアへ広がっていく可能性があります。
そして、AIによって「つくること」のハードルが下がっていく今だからこそ、
「何をつくるのか」
「なぜつくるのか」
「本当に良いものなのか」
を考え、判断し、チームを動かす力が重要になっています。

デジタルハリウッド本科UI/UXデザイン専攻では、実際のサービスを題材に学ぶ

デジタルハリウッドの本科UI/UXデザイン専攻では、UI/UXデザインの知識やスキルだけでなく、ビジネス視点や実践的なプロジェクトを通して、現場で求められる力を身につけるために、1年間の最後の課題としてクライアントワークを設けています。

そして、本科UI/UXデザイン専攻2026年10月生の後半では、LINEヤフーの協力のもと、Yahoo!フリマのサービス改善をテーマにしたクライアントワークを実施する予定です。
実際のサービスを題材に、
「ユーザーにとって、どんな課題があるのか?」
「どうすればもっと良くなるのか?」
「そのアイデアを、どう伝えるのか?」
を考え、チームで形にしていきます。

企業からのフィードバックを受けながら、実際のサービスについて考える経験は、教室の中だけでは得られない学びにつながります。

今回のセミナーで櫃石さんが語った、
「言語化する力」
「計画力・推進力」
「思考力・審美眼」
を、実際のプロジェクトの中で試してみる機会でもあります。

「作れる人」から、「考えて、伝えて、動かせる人」へ

UI/UXデザインを学ぶことは、単にデザインツールの使い方を覚えることではありません。

ユーザーのことを考える。
課題を見つける。
アイデアを考える。
デザインに落とし込む。
その理由を言葉にする。
チームで対話する。
そして、より良いものへと改善していく。
AIが進化するこれからの時代には、こうした「考える力」「判断する力」「人と協働する力」が、ますます重要になっていくでしょう。

今回のセミナーで櫃石さんが語ったように、クリエイティブの面白さは、ただ完成したものを見ることだけではありません。

「こうしたら、人はどう動くんだろう?」
と考え、実際に形にしてみる。

そして、想像していた反応と違ったら、また考えて改善する。
その繰り返しの中で、できることが少しずつ広がっていく。
UI/UXデザインには、そんな面白さがあります。

「未経験からUI/UXデザインを学びたい」
「デザインだけでなく、企画やサービスづくりにも関わりたい」
「AI時代にも求められるクリエイターになりたい」
「クリエイティブを仕事にしたいけれど、何から始めればいいか分からない」
そんな方は、ぜひ本科UI/UXデザイン専攻のカリキュラムをチェックしてみてください。

デザインを「作れる人」から、デザインを通して「考え、伝え、動かせる人」へ。
デジタルハリウッドで、これからのクリエイティブキャリアを考えてみませんか?



本科UI/UXデザイン専攻では何を学ぶ?

本科UI/UXデザイン専攻では、デザインの基礎だけでなく、 ユーザーの課題を発見し、価値ある体験を設計するためのUI/UXデザインを、 実践的な課題制作を通して学びます。

ユーザーの視点に立って課題を考え、 「誰に、どのような体験を届けるのか」を整理しながら、 UI設計やUX設計、Webサイト・サービスの改善提案などに取り組みます。

学べる内容

  • デザイン基礎
  • UI/UXデザイン
  • ユーザー分析・ユーザー調査
  • 課題発見・UX設計
  • UI改善提案・UI設計
  • Webデザイン・コーディング
  • サービスデザイン・インタラクティブ表現
  • 実践的な課題制作
  • 卒業制作・ポートフォリオ制作

単に画面をきれいにデザインするだけではなく、 「ユーザーは何に困っているのか」 「どのような体験を設計すれば、その課題を解決できるのか」 といった思考のプロセスから学んでいきます。

デジタルハリウッドSTUDIO編集部

デジタルハリウッドSTUDIO編集部は、全国に展開する「デジタルハリウッドSTUDIO」のスクール運営・広報チームによって構成されています。
Web・映像・デザインなどを学ぶ受講生一人ひとりの学びと挑戦を日々サポートしてきた経験をもとに、STUDIO現場のリアルな声や卒業生インタビュー、最新の学習トピックスなど、クリエイティブな学びに役立つ情報を発信しています。

デジタルハリウッドSTUDIO渋谷のSNS
X: デジタルハリウッドSTUDIO渋谷 公式X
Instagram: デジタルハリウッドSTUDIO渋谷 公式

その他のSTUDIO渋谷のブログ

BLOGS