デジタルハリウッドSTUDIO渋谷 ブログ

クリエイターのためのプロジェクトマネジメント講義
「プロセスデザイン」を味方につけると、制作はもっとスムーズになる〈ワークアウトプログラム実施レポート〉

2025-12-19

はじめに

「もっと気持ちよく制作したい」「チームやクライアントと、うまく連携しながら作れるようになりたい」

そんなクリエイターに向けて開かれたのが、今回の講義 「クリエイターのためのプロジェクトマネジメント ~プロセスデザインという武器」 です。

デザインや映像など“ものづくり”に集中するだけでなく、プロジェクト全体をどう進めるか――その“進め方のデザイン”にも目を向けることで、制作がぐっとやりやすくなる。

そんなヒントをたっぷり学べる内容でした。

ワークアウトプログラムとは

「ワークアウトプログラム」は、 受講生が学んだスキルを“現場でどう活かすか”を実践的に学べる、デジタルハリウッドSTUDIO渋谷独自の特別講義 です。

企業訪問での特別講義やワークショップを月1回開催し、学びをキャリアに直結させることを目的としています。

このプログラムでは企業や現役クリエイターとの交流を通じて、制作体験やチームワーク、クライアント対応など、実際の現場で求められる力をリアルに体験することができます。

デジタルハリウッドSTUDIOで開講しているすべてのコース(Webデザイン、グラフィックデザイン、動画コースなどなど)の受講生が参加できるので、専攻を越えた仲間との学びも広げることが可能です。

卒業後の活躍にもつながる実践型プログラムです。




今回、講義してくれたのは株式会社ロフトワークさま

講師紹介

基 真理子(株式会社ロフトワーク HRディレクター)

兵庫出身、京都在住。フリーター時代にWebの世界に魅了され、独学を開始。

百貨店系クレジットカード会社でWeb担当を経て、2018年ロフトワーク入社。

ディレクター・PMとして、大規模Webリニューアルやイベント企画運営に携わる。

また、大学でPM特別授業の講師を務め、KJ法勉強会など「学び」のデザインにも従事。2021年、病をきっかけに「健やかに働くこと」を考え、HRディレクターに就任。

採用から育成プログラム開発まで、人に関わる業務を担う。2024年、PMP®・PMI-ACP®取得。

なぜ今、クリエイターにプロジェクトマネジメントが必要なのか

制作の現場は、スケジュール変更が起きたり、要望が増えたり、チーム内で認識がずれたり……とにかく“思いどおりにいかないこと”の連続です。

この講義では、それらをただ「トラブル」として扱うのではなく、

変化が起きるのは当たり前。それにどう向き合うかが大事。

という前提から話が始まります。


クリエイターが“作れる人”であるだけでなく、

  • どう段取りをつけるか
  • 誰とどう連携するか
  • 問題が起きた時にどう対処するか

といった視点を持つと、制作そのものもスムーズになり、チームからの信頼も高まる──そんな考え方が、すごく丁寧に紹介されていました。

“プロセスをデザインする”という発想

講義の中で印象的だったのが、「プロセスデザイン」という言葉です。

プロセスデザインとは

作品そのものではなく、そこに至るまでの“流れそのもの”をデザインすること。


たとえば…

  • リスク(起こりそうなこと)を事前に整理しておく
  • 早い段階で関係者を巻き込む
  • 一気に決めきらず、少しずつ細部を固めていく

こうした進め方をすることで、無駄な手戻りが減ったり、チームが混乱しにくくなったり、結果として「いいものが作りやすい環境」が整います。


クリエイティブのクオリティって、作業時間だけでは決まらなくて、

どんな進め方をしたか、どんな状況で作れたか

にも左右されるんですよね。

3つの“やってみたい”ポイント

実際にロフトワークさまに訪問して授業を行いました

講義の中で、特にすぐ実践に活かせそうなポイントをまとめると以下の3つでした。


① 変化に対応できる“余白”を作る

スケジュールも仕様も、最初から100%決める必要はない。

変化を前提にすることで、焦らず柔軟に対応できるようになります。


② 他の視点を早めに取り入れる

クリエイターだけで判断せず、クライアント・エンジニア・関係者の視点を早い段階で共有。

認識ズレの防止にもなり、安心して制作を進められます。


③ 全体と細部を行き来しながら作る

「今どこに向かっているのか」と「今日やるタスク」をつねに行き来することで、目的を見失わず制作ができます。

これは一人作業でも、チームでも役立つ考え方です。

現場で本当に役に立つ“クリエイター × PM思考”

グループワーク中の様子

今回の講義で扱われた内容は、専門用語の暗記や難しい理論ではなく、

クリエイターが日々の制作で使える実践的な考え方ばかり でした。

  • フリーランスとして活動したい
  • 副業で案件を受けられるようになりたい
  • チームでもっとスムーズに動けるようになりたい
  • 将来ディレクターやPMの役割も担ってみたい

そんな人には、特に役立つ内容だったと思います。

おわりに

プロジェクトマネジメントって一見“堅い”イメージがありますが、

講義を通して感じたのは、

クリエイターこそ、プロジェクトを気持ちよく前に進める力が必要なんだ。

ということでした。


そしてその力は、特別な才能ではなく、考え方を少し変えるだけでぐっと身につけやすくなります。

制作のクオリティを上げる一番の近道は、実は“プロセスを整えること”なのかもしれません。

■クリエイティブなスキルを身につけたくなったら。 個別説明会実施中!

  1. カウンセリングで疑問を解消
  2. 学校・コース/カリキュラムの詳細を解説
  3. 卒業生作品・実績をポートフォリオでご紹介
  4. あなたの目的に合った就転職プランのご提案
  5. 学習環境・設備のご案内
  6. ご希望の方には体験もご案内

その他のSTUDIO渋谷のブログ

BLOGS