はじめに
「もっと気持ちよく制作したい」「チームやクライアントと、うまく連携しながら作れるようになりたい」
そんなクリエイターに向けて開かれたのが、今回の講義 「クリエイターのためのプロジェクトマネジメント ~プロセスデザインという武器」 です。
デザインや映像など“ものづくり”に集中するだけでなく、プロジェクト全体をどう進めるか――その“進め方のデザイン”にも目を向けることで、制作がぐっとやりやすくなる。
そんなヒントをたっぷり学べる内容でした。
ワークアウトプログラムとは
「ワークアウトプログラム」は、 受講生が学んだスキルを“現場でどう活かすか”を実践的に学べる、デジタルハリウッドSTUDIO渋谷独自の特別講義 です。
企業訪問での特別講義やワークショップを月1回開催し、学びをキャリアに直結させることを目的としています。
このプログラムでは企業や現役クリエイターとの交流を通じて、制作体験やチームワーク、クライアント対応など、実際の現場で求められる力をリアルに体験することができます。
デジタルハリウッドSTUDIOで開講しているすべてのコース(Webデザイン、グラフィックデザイン、動画コースなどなど)の受講生が参加できるので、専攻を越えた仲間との学びも広げることが可能です。
卒業後の活躍にもつながる実践型プログラムです。
今回、講義してくれたのは株式会社ロフトワークさま
講師紹介
基 真理子(株式会社ロフトワーク HRディレクター)
兵庫出身、京都在住。フリーター時代にWebの世界に魅了され、独学を開始。
百貨店系クレジットカード会社でWeb担当を経て、2018年ロフトワーク入社。
ディレクター・PMとして、大規模Webリニューアルやイベント企画運営に携わる。
また、大学でPM特別授業の講師を務め、KJ法勉強会など「学び」のデザインにも従事。2021年、病をきっかけに「健やかに働くこと」を考え、HRディレクターに就任。
採用から育成プログラム開発まで、人に関わる業務を担う。2024年、PMP®・PMI-ACP®取得。
なぜ今、クリエイターにプロジェクトマネジメントが必要なのか
制作の現場は、スケジュール変更が起きたり、要望が増えたり、チーム内で認識がずれたり……とにかく“思いどおりにいかないこと”の連続です。
この講義では、それらをただ「トラブル」として扱うのではなく、
変化が起きるのは当たり前。それにどう向き合うかが大事。
という前提から話が始まります。
クリエイターが“作れる人”であるだけでなく、
- どう段取りをつけるか
- 誰とどう連携するか
- 問題が起きた時にどう対処するか
といった視点を持つと、制作そのものもスムーズになり、チームからの信頼も高まる──そんな考え方が、すごく丁寧に紹介されていました。
“プロセスをデザインする”という発想
講義の中で印象的だったのが、「プロセスデザイン」という言葉です。
プロセスデザインとは
作品そのものではなく、そこに至るまでの“流れそのもの”をデザインすること。
たとえば…
- リスク(起こりそうなこと)を事前に整理しておく
- 早い段階で関係者を巻き込む
- 一気に決めきらず、少しずつ細部を固めていく
こうした進め方をすることで、無駄な手戻りが減ったり、チームが混乱しにくくなったり、結果として「いいものが作りやすい環境」が整います。
クリエイティブのクオリティって、作業時間だけでは決まらなくて、
どんな進め方をしたか、どんな状況で作れたか
にも左右されるんですよね。
3つの“やってみたい”ポイント
講義の中で、特にすぐ実践に活かせそうなポイントをまとめると以下の3つでした。
① 変化に対応できる“余白”を作る
スケジュールも仕様も、最初から100%決める必要はない。
変化を前提にすることで、焦らず柔軟に対応できるようになります。
② 他の視点を早めに取り入れる
クリエイターだけで判断せず、クライアント・エンジニア・関係者の視点を早い段階で共有。
認識ズレの防止にもなり、安心して制作を進められます。
③ 全体と細部を行き来しながら作る
「今どこに向かっているのか」と「今日やるタスク」をつねに行き来することで、目的を見失わず制作ができます。
これは一人作業でも、チームでも役立つ考え方です。
現場で本当に役に立つ“クリエイター × PM思考”
今回の講義で扱われた内容は、専門用語の暗記や難しい理論ではなく、
クリエイターが日々の制作で使える実践的な考え方ばかり でした。
- フリーランスとして活動したい
- 副業で案件を受けられるようになりたい
- チームでもっとスムーズに動けるようになりたい
- 将来ディレクターやPMの役割も担ってみたい
そんな人には、特に役立つ内容だったと思います。
おわりに
プロジェクトマネジメントって一見“堅い”イメージがありますが、
講義を通して感じたのは、
クリエイターこそ、プロジェクトを気持ちよく前に進める力が必要なんだ。
ということでした。
そしてその力は、特別な才能ではなく、考え方を少し変えるだけでぐっと身につけやすくなります。
制作のクオリティを上げる一番の近道は、実は“プロセスを整えること”なのかもしれません。
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