こんにちは!デジタルハリウッドSTUDIO卒業生の、小島ひなと申します。
現在は、制作会社でWebデザイナー兼コーダーとして仕事をしています。
デジタルハリウッドSTUDIOでは2021年2月末に、新しく 「グラフィックデザイン講座」 が開講され、開講記念イベントである「現役のグラフィックデザイナーが語る! 仕事でもプライベートでも使える 《デザインセンス》の磨き方」に参加しましたのでレポートをお届けします。
突然ですが、これからデザイナーを目指そうと思っている方は、こんな疑問を持っているのではないでしょうか?
「デザイナーって未経験から目指せるのかな?」
「デザイナーになるには、センスは必要なの?」
「社内向けの資料・提案資料、もっとセンス良く作れないかな?」
本イベントでは、このような疑問を解消するために、現役デザイナー2名をお招きし、本音のお話を伺いました。
お話していただくのは、
松尾先生
と
下田先生
です。松尾先生は、ロンドン大学の大学院を卒業後、海外でのデザイナー経験を経て、現在は外資系会社デザイナー/ブランディングディレクターとしてお仕事をされています。下田先生は、大学卒業後に新卒でオンデマンド印刷の会社にデザイナーとして就職、その後デジタルハリウッドSTUDIOへの通学を経てWeb業界に転職し、現在はフリーランスのデザイナーとして、幅広い分野で活動されています。お二人とも、現役デザイナーとして第一線で活躍をする傍ら、デジタルハリウッドSTUDIOに講師として携わり、これまでに多くの卒業生を送り出しています。
【目次】
2. デザインセンスの磨き方
5. Q&Aコーナー
早速お話を伺っていきましょう!まずは一つ目の疑問にお答えいただきます。
【疑問① デザインはセンスって本当?】
これは、デジタルハリウッドSTUDIOに入学を検討されている方からもよく聞かれる質問だそうです。下田先生、いかがでしょうか?
下田先生:
「デザインセンスも大事ですが、デザインのルールを学んで取り入れることが重要だということを、受講生さんにいつもお話しています。“カッコ良いもの”が作れるのがデザイナー、というイメージがあるかもしれませんが、まず、クライアント様の意図を汲んだものを作るのが大原則。その上で、デザインのエッセンスを盛り込んで、より良いものを作っていきます。良いデザインを作るために、デザインのエッセンスを学ぶ必要はありますが、エッセンスだけではだめです(笑)」
なるほど・・・デザインを学び始めると、どうしても“技術を身につけること”に気を取られてしまいますが、それだけでは良いデザインはできないのですね。
下田先生:
「例えば、基本的なルールとしては、「デザイン4原則」というものがあります。“コントラスト”、“近接”、“反復”、“整列”の4つのポイントを抑えるということです。初めて知る方もいると思いますので、簡単に説明しますね。
①整列
要素を揃えて読みやすくすることです。普段、会社で資料を作る時に意識されている方も多いのではないでしょうか?一番綺麗に見えるポイントで、最も重要です。
②近接
人はものをみた時に、位置的に近いものを同じ属性と認識します。例えばWebサイトでは、情報がグルーピングされて配置されています。ひと目見て、情報が自然に頭に入ってくることが、デザインされている証拠です。
③コントラスト
情報の優先度を明確にすることです。同じものでも、対比することでストーリー性やメッセージ性を出すことができます。デザインがカッコ良く決まるポイントです。
④反復
同じ色やデザインを繰り返し使うことです。例えばWebサイトでは、複数のページがあっても、このルールを守ることで、一貫性を保ち、同じページだという認識を持たせることができます。
その他にも、デザインを見ることで学べることがたくさんあります。“デザインのエッセンス”
は、学校で学んだり、参考書を読むだけで身につくものではありません。自分でデザイン分析・研究をするために、“多くのデザインに興味を持って自ら取りに行く姿勢”がないと、
なかなか身につかないものです。私自身も、そういったことに楽しさを感じ、デザイナーを目指しました。」
日々作品に触れて何か学ぼうとする姿勢こそがデザイナーの実力になるという下田先生のお話、大変さもありますが、その姿勢さえ身につければ、未経験でも目指せる職業であり、デザイナーになってからも、楽しく仕事ができるのではないかと感じます。
【疑問② デザインセンスの磨き方】
次の疑問です。お二人は、普段デザインセンスを磨くために、どのようなことを実践されているのでしょうか?
下田先生:
「デザイナーになりたてのときに、先輩から、リーフレットなどをたくさん集めて、実際に世の中にどんなものが出回っているのか分析すると良いと、教えていただきました。今は、コロナ禍で、紙物の実物を手に取るのは難しいので、Pinterestなどを使って、オンラインでデザインを集めることが多いです。あとは、幅広く雑誌などを読み漁って、色やあしらいなど、ターゲット別にデザインの傾向を分析し、自分のデザインに取り入れています。また、商業施設に行って、そこにいるお客さんを観察したり、看板などからアイディアをもらうこともあるので、積極的に外に見に行くことも心掛けています。」
松尾先生:
「僕は、常にアンテナを貼って、興味のないことに対しても積極的に目を向けるようにしています。街中で見かけたものについて、一度立ち止まって、"作り手はどのような気持ちで作っているのか?”、"コロナになってどう変わったか?”などを考えます。例えば、コロナ禍で、オンラインのライブを開催するアーティストが増え、”投げ銭”のような新しい仕組みが出てきたら、それを別のことにも応用できないか、など。興味のあることもないことも、多角的な視点から捉えて分析しています。
僕が、このように考えるようになったルーツは、ロンドンでデザインを学んでいた経験にあると思います。ロンドンでは、授業で様々なゲストを呼び、日常の中の問題点についてお話を伺って、デザインがどのように解決できるかを考えます。自分の全く知らない分野の人のお話を伺うことも多く、その経験によってデザインのセンスが養われたと思っています。僕がデジタルハリウッドSTUDIOで行う授業でも、受講生のみなさんに多角的にものを見ることを教えています。」
お二人とも、日常生活の中で、良質なインプットをすることを意識されているのですね。どこにいっても新しい発見があると、毎日が刺激的で、楽しくなりそうです!
【疑問③ デザインを学ぶとどんな働きができるの?】
それでは最後の疑問です。これからデザインを学ぶ方にとっては、一番気になるトピックかもしれません。コロナ禍の現在ですが、お二人はどのような働き方をされているのでしょうか?
下田先生:
「少し前は、対面で会議をすることが当たり前でしたが、コロナ禍になり、オンライン会議が主流になりました。デザインの仕事は、コミュニケーションが一番重要な要素ですが、実際に会わなくてもコミュニケーションの手段さえあれば、問題なく仕事することができました。逆に、外に出られない期間も、仕事があることで、日々の励みになりました。デザイナーは、時間や働き方を自分で選べる専門職だということを実感しています。収入についても、幅広い業種の広告をつくっていたので、急に落ち込むことはありませんでした。今はフリーランスとして幅広い分野で働いていますが、時間や場所を選ばずに働けるということもメリットですが、色々な人と、様々な仕事に挑戦できるので、自分の成長が実感できるのも良い点だと思っています。」
松尾先生:
「僕は、本業は会社員ですが、コロナ禍ではオンラインで仕事をしています。時間や場所に捉われずに仕事ができるので、状況に応じて好きな場所で仕事が出来るのは、すごく大きなメリットだと思います。あとは、デザイナーの方と話すのは楽しいですね。デジタルハリウッドSTUDIOの受講生さんも、大学生から社会人まで色々な方がいて、刺激になりますし、繋がって仕事が生まれたりすることもあります。
デメリットとしては、トレンドのサイクルが早く覚えることが多いのが大変な点ですが、そういった環境に合っている人には向いていると思います。趣味や副業に活かすこともできますので、色々な選択肢を持つという意味でも、デザインを学ぶ価値は大きいと思います。」
下田先生はフリーランス、松尾先生は会社員と、お二人の立場からお話が伺えて、大変参考になりました。時間や場所を選べずに働くことができるという点は、コロナ禍でも特にメリットになった部分だと思います。
ここまでのお話しで、デザイナーになることの魅力は存分に伝りましたが、新しく開講された 「グラフィックデザイン講座」 では、どのようなことが学べるのでしょうか?
【「グラフィックデザイン講座」のご紹介】
「グラフィックデザイン講座」は、未経験から4ヶ月で、グラフィックデザインの基礎から応用までのスキルを身につける講座です。在学期間は、オンラインでのライブ授業の他、対象の校舎(※1)またはオンラインでの「個別トレーニング(※2)」を受けることができます。フルオンラインで受講することも出来るので、全国どこにいても、働きながらや子育てをしながらでも、受講することが可能です。
ライブ授業を担当されている、松尾先生に、この講座の魅力について伺ってみましょう。
松尾先生:
「僕も少しカリキュラムの開発に携わらせていただいたのですが、現場で役立つ順番に学べるよう、仕上がっていると思います。デザインは、天から降ってきたアイディアで作るものではなく、膨大なリサーチや、常にアンテナを貼って情報収集をするなどの過程を経て作られています。その過程を知らないと、表面的なデザインしかできないので、この講座では、情報収集とデザイン参考の収集をガリガリやってもらいます!(笑)僕は、海外での経験も踏まえて、デザイナーに本当なのは、「ストーリー + プレゼン + 技術」だと思っています。プレゼンも最初から得意な人はいないので、この授業で回数を重ねて、身につけて欲しいですね。」
「グラフィックデザイン講座」 では、任意の課題を約8つ、必須の課題が2つ(2ヶ月目:ロゴデザイン、4ヶ月目:オリジナルまたは架空サービスの広告プラン)と4ヶ月でたくさんの制作の機会を得ることができます。デザインの技術だけでなく、デザイナーとしての本当に必要な力を身につけることができるので、まさに一生ものと言えるスキルが習得できそうですね!
「グラフィックデザイン講座」は随時開講中です!詳しい内容や開講時期についてはこちらからご覧ください!
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※1 2021年5月時点では、グラフィックデザイン講座の開講校舎はSTUDIO渋谷・STUDIO新宿・STUDIO吉祥寺・STUDIO大阪梅田・STUDIOなんば・東京本校・大阪本校です。完全オンラインでの受講も可能です。
※2 デジタルハリウッドSTUDIOトレーナーから受けるマンツーマン指導。
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【Q&Aコーナー】
最後にお二人に、イベント参加者のみなさんから募った質問に回答していただきました。
質問①
「デザインを学び始めたばかりなのですが、おすすめの本はありますか?今だったら当時の自分にアドバイスしたいおすすめの勉強方法はありますか?」
下田先生:
「私は『レイアウト・デザインの教科書』がイチオシです。以前から実務で使えるルールブックのような本が欲しいと思って探していましたが、ようやくこの本に出会えました。基本を復習するのにピッタリで、これからデザインを勉強し始める方にもおすすめです。
勉強方法については、未経験から新卒で入った会社で、実務経験を積みながら学ぶことが多かったです。しかし、なかなかデザインのコツが掴めず苦労しました。ある日、残業をしていた夜にデザインってこういうことか!と閃いた夜があったのですが、企画のために、海外のデザイン書をトレースし続けていたことが影響していたと思っています。今思うと、先ほど松尾先生もおっしゃっていたように、デザインの専門書などを読んだら、世の中に出回っているデザインをよく見て研究するという反復練習を早くからやっておけばよかったなと思っています。」
松尾先生:
「僕も、新卒で入ったデザインの会社で、住宅展示場のチラシをマネして研究していた時期がありました(笑)いろいろな情報をあの小さな空間にまとめる技術を習得しました。やはり、pinterestなども利用して、意識的にデザインを見ることが重要ですね。」
質問②
「わたしは、紙媒体のデザイン(書籍、フライヤーなど)に興味があります。
グラフィックデザイナーを目指すにあたり、今後の世間におけるグラフィックデザイナーの需要を知りたいです!
デジタル化が進む昨今ですが、今までのグラフィックデザイナーに求められるスキル+αの要素は必要になってくるのでしょうか?」
松尾先生:
「マルチにクライアントのリクエストに答えられる人の需要が強くなると思います。デザインの基本的な技術には長い歴史があるので、変わらないものです。学校で学ぶのもいいですし、自分で本なども勉強できるので、まずは読んでみても良いと思います。ちなみに、おすすめの書籍は、『レイアウトきほんのき』です。授業でも使っていて、仕事で困った時もこの本を頼りにしています。色々なことにチャレンジして、できることを増やしていければ、需要のあるデザイナーになれると思います。」
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今回ご紹介しましたコースはこちら!
グラフィックデザイン講座 ¥330,000(税込)
デザイン基礎パート ¥195,800(税込) ※前半2ヵ月受講
デザイン応用パート ¥195,800(税込) ※後半2ヵ月受講
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