こんにちは!STUDIO三宮スタッフです!
今回は11月12日に三宮校で開催したイベントの様子をご紹介します。デザインに長年関わり、現在はレタッチャーとして活躍されている川井統治郎さんをお招きしました。
テーマは写真を通じてのコンセプトの立て方でした。美味しそうな写真って?綺麗ってなんだ?という視点から、川井さんが手がけた過去のお仕事を元にたっぷり教えて頂きました。実際の写真はイベントにご参加いただいた方のみの公開となりますが、このブログを通して空気感が伝わればいいなと思います!
川井統治郎さんってこんなひと
■プロフィール
ビジュアル制作を専門とするビスマイメージを2014年に設立。
イメージのコンセプト立案から、撮影ディレクション、レタッチワークまで、写真制作に関わる全てのワークフローを手掛けている。単にキレイな写真でなくコミュニケーションとしての写真の役割を重視し、写真のマーケティング的なアプローチを得意としている。フォトレタッチにまつわるセミナーも多数開催。
http://vismaimage.com/index.html
1.美味しさと商品コンセプトの伝え方
このテーマでは、食品のパッケージ(その中でもすき焼きの写真)を例にお話ししてくださいました。
写真で美味しいをどう表現していくのか、考え方などを紹介していきます!
食品の美味しさを伝えるポイント
①食材をわかりやすく表現する
→「お肉はお肉、ネギはネギ、にんじんはにんじん」とわかるようにすると、 食欲がわく・食に対する興味がわく。(人はなにか分からないものは怖い。)
→ 色・質感 を分離してわかりやすく。
②食品の美味しさを表現する
すき焼きの 肉の美味しさってなんだ? と考える。
→最初に焼いて、軽く火が通っている様子。ダシで煮込んだ柔らかい感じ。
→撮影時点で、よく焼いて焼き目をわかりやすくつけるなど。
③料理の主役と脇役を区別して表現する
すき焼きの主役は肉
→人間の目は明るい・鮮やかな場所に目が行くようになっているので、肉に照明をレタッチで当てていく。
2.ブランドコンセプトを写真で表現
このテーマでは、洗濯洗剤の商品写真を例に出してお話してくださいました!
商品の切り抜き画像はどんどん変わっていっているそうです。現代はネットショッピング用のものが多く、昔はカタログなどのカチッとしたものが多かったみたいです。
今求められている切り抜き画像は、行儀のよいカタログ画像ではなくブランドの広告などとしての役割を果たせるようなものだそうです。川井さんからの覚えていて損はない情報です!
視覚的に商品の価値を伝えるポイント
①ブランドの便益の表現
洗濯洗剤のブランド便益は
・汚れ落ちがいいこと ・手肌に優しいこと ・環境にやさしいこと
それを表現するには.....?
→ ライティングの当て方などで表現
②製品の信頼性の表現
・視点の移動をスムーズに
→傷などしっかり除去。不要な情報は伝えない。 商品名にまず目を向けさせるように。
・商品の形状を伝える
→ 水平・垂直を整え、文字のにじみが無いようにレタッチする ことで、"商品の確かさ"を表現ができる。
・使用方法と材質を考える
→各パーツの素材や使用感を写真でも伝える( 色を変えてみたり する)
③マルチメディアへの対応
媒体や使用サイズに最適化した画像にする。
→・RGB(Web用)やCMYK画像(カタログなど)
・サイズに応じた画像の大きさにする
・インスタ映えしやすい画像や、広告で使う写真などその時に応じて画像の見せ方を変える。
3.コンセプトとクオリティの関係
このテーマでは、デパコスの化粧品ブランドの化粧品のビジュアル作成の事例を元にお話していただきました。
化粧品はビジュアル命なので、川井さんのお仕事の中で多いのは化粧品の案件だそうです!
ポイント
①被写体に応じたスタジオ選びが、クオリティに大きく影響する。
→撮影スタジオは使い分けた方がよい。製品によっての得意不得意、スタジオが持っている機材によってもクオリティの差が出る。
②合成を前提とした撮影では、完成までの構成の組み立てが重要。
③レタッチで作成するCGより、撮影のほうがクオリティは高く仕上がる。
→極力、撮影時点でクオリティを上げる。撮影でできることは撮影で。レタッチは肝の部分のみがよい。
4.ビューティーのコンセプト
このテーマでは、女性モデルの写真を使ってお話していただきました。
人物表現の定番のルールとトレンド
①どこを補正すれば「キレイ」だと人は思うのか?
→定番のルールは決まっている。例えば、目は、 白目の濁りは抑えること・目頭の赤みは控えめにする と綺麗な印象になる。光と陰で写真をどう立体に見せるかを考えて、ハイライトを足したりするとよい。
②肌の表現のトレンドと基本となるルール
・ 加工せずに自然な肌を表現する のが今日のトレンド。
→昔は、ほくろを取ってほしいなどがあったが、最近は取らないでほしいになっている。なぜなら、SNSなどが発達していて、こっちの写真はほくろあるのに、こっちは無いと騒がれてしまう可能性を避けたいから。ただ、頬骨の角質の部分だけはしっかりとレタッチできれいにする。
・肌の色は従来のオークルからピンクオークルへ。
→今、広告で求められている肌色はピンクオークル系。(マゼンダとイエローがほぼ同じ数値)
ミレニアル・Z世代向けの広告向け。(日本の大手ブランドなどの写真は伝統的な色を使っている)
・形を変えるのではなく印象を変える。
→肌の形を変えずに、その人の良さを引き出していく。
たとえば、ほうれい線は消すのではなく、 ほうれい線を濃い溝だと考えて明るさだけを変えて レタッチをする。
5.質問コーナー
Q. クライアントさんとコンセプトをすり合わせる時はどうしていますか?
A. 一緒につくるということを意識しています。メーカーさんから企画書を頂いたとき、これはゴールの40%くらいなんだな~と。そこから少しずつ詰めていくのが一番大事だと思います。
Q. お仕事をする際に心掛けていることベスト3を教えてください。
A. 予算・納期・内容です。予算を確保しないと気持ちよくお仕事ができないし、納期が早いといい加減な仕事になってしまうと思います。なのでそれらを一番大事にしています。
Q. レタッチはどのソフトを使っていますか?
A. Photoshopです!
5.参加者の声を聞いてみました
・photoshopなどの写真を加工するポイントなどの知識が乏しかったので、「何を意識すればいいか」「手を加える部分はどこかなど」を知れて良かったです。(食べ物や肌の色の特徴などがとても参考になりました。)
・とてもためになるお話ばかりでした。
デザインにも繋がるところがほとんどだと思うので、活かしていきたいと思います。
・私自信、知識不足なところが多かったためこれからWebデザイナーを目指すにあたり勉強していきたい分野だと感じました!
・自社のやり方しか知らなかったので、手広くお仕事されている方のワークフローやコンセプトの考え方を知ることができて大変有意義でした。また川井先生の講座があれば受講したいです。ありがとうございました。
・レタッチとは、という基本の考え方を言語化していただいてなにを大切にすればいいか大変わかりやすかったです!
・全てのジャンルにおいて表現力はもちろん、何を発信したいか強調したいかをはっきり伝えられたと実感しました。本当に素晴らしい2時間でした。
などなど…
とてもうれしい声を頂きました!
三宮校では今後もたくさんのイベントを開催していきたいと思っているので是非ご参加ください!
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