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リスキリングとリカレント教育の違いとは?メリット・デメリットや必要性について解説

リスキリングとリカレント教育の違いとは?

リスキリングとリカレント教育は意味を混同しやすい言葉ではありますが、それぞれ違う意味を持っています。共通しているのは、どちらも学校を卒業した人が新たに何かの知識やスキルを学習するという点ですが、主導する主体・目的・実施方法が異なります。

「リスキリング」と「リカレント教育」それぞれの意味をもう少し詳しくみていきましょう。

リスキリングとは

経済産業省はリスキリング(Reskilling)を、「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。

DXが進む今、働き方の変化によって今後新たに発生する業務で役立つ知識やスキルの習得を目的に学習をしてもらう取り組みを意味しています。

リカレント教育とは

リカレント教育とは、就労と学習を反復して学ぶことです。

リカレントの場合は、現在の企業を一度離職もしくは休職をし、専門機関で学習しスキルを身につけた後に再び就職・復職を行います。

リスキリング・リカレント教育の現状

日本において、リスキリング・リカレント教育はまだ充分に導入が進んでいる状態とは言えません。内閣府の調査によると、日本において大学・大学院への25歳・30歳以上の入学者の割合は、OECD諸外国に比べて低い値を示しているといわれています。

また、実際にリカレント教育を通して学び直しを行った後に、昇進や給与アップにつながりにくい環境であるなどまだまだ改善できる点が多いのも事実です。

ただし、近年では政府がリスキリング・リカレント教育を支援する施策を行うことが増え、一般の方でもリスキリング・リカレント教育を知り、進んで支援を活用する方も増えてきています。


リスキリング・リカレント教育が注目されている理由と必要性は?

現代において、なぜリスキリング・リカレント教育が注目されているのでしょうか。理由を大きく3つに分けてご紹介します。

注目理由1 DX推進

デジタルの分野において技術の進化が急速に発展しています。技術革新が急速に進んだことで市場環境、働き方において大きな変化が生じています。ビッグデータの活用も進み、AI(人工知能)も驚異的な早さで広まっており産業構造も大きく変化しています。

2030年ごろには、IOTやビッグデータ、AIの技術革新により人類史上5番目の新しい社会が到来するという予想もされています。

企業でも変化に対応すべくDXが推進されています。

こういった背景があり、市場の変化・技術革新に対応できる人材が必要であることからリスキリング・リカレント教育が注目されています。

注目理由2 人生100年時代の到来

人生100年時代と言われるようになったように、平均寿命が伸びています。内閣府のホームページによると、2010年時点では男性79.64年、女性86.39年でしたが、2050年には女性の平均寿命が90年を超える見通しです。平均寿命の延伸に伴い、働く期間も長くなってきています。生活のために働くだけではなく、生活・人生を充実させるために自ら働きたいと希望する高齢者が増えている一方、働き続けるためには、知識やスキルのアップグレードも求められます。こうした背景は、リスキリング・リカレント教育が注目されるようになった理由の一つと言えるでしょう。

注目理由3 働き方の変化

新型コロナウイルスの流行により今までは対面で仕事をしていた方もリモートワークに変化せざるを得ない状況になるなど働き方に変化が生じたという方も多いのではないでしょうか。コロナウイルスが収束しつつある現在でもコロナウイルスの流行前とは働き方が異なるという方も少なくはないでしょう。

また、現代では多様性が重視され始め、ライフスタイルに合わせた様々な就労が可能になってきました。

こういった現代の働き方の変化により、その都度、必要な知識やスキルを習得しなければならない状態になったこともリスキリングやリカレント教育が注目されるようになった理由の一つです。

リスキリングのメリットとデメリットとは?

リスキリングにはメリットとデメリットがあります。メリット・デメリットを理解した上で取り組みましょう。

メリット

リスキリングには複数のメリットがあります。項目別に簡潔にご紹介します。


・新しい発想が生まれやすい

リスキリングでスキルや知識を取得することで、社内に新しい発想が生まれやすくなります。AI活用など変化の激しい現代にも対応出来うる人材が存在することで新規事業の立ち上げ・事業拡大につながりやすくなります。

・業務の効率化が進む

リスキリングでのスキルや知識を活かし、今までの業務に対しDXを推し進めることができやすくなります。DX推進により業務の効率化につながる可能性があります。


・人材不足に対応できる

今後、事務職や生産職に余剰が生まれる一方、DX人材をはじめ、専門職や技術職が不足するのではないかと予想されています。その場合、採用が難しくコストもかかってきます。今いる人材にリスキリングにより知識やスキルを身につけてもらうことが今後の企業の成長につながる可能性があります。

デメリット

メリットが複数ある一方で、デメリットもあります。


・推進にコストがかかる

リスキリングを実施するには、時間と手間がかかる場合が多く、アウトソーシングする場合は、どこに依頼するのか・誰に依頼するのかなど、実際に依頼する際に費用がかかります。また、研修や資格の取得を促す場合は、それらに対しても費用が必要です。


・転職のリスク

リスキリングによって新しい知識やスキルを身につけた社員が、より知識やスキルを活かせる職場を求めて転職する可能性があります。人材流出を防ぐためには、リスキリングを得て身につけた知識・スキルを活かせる場・環境をつくっていくことが求められます。

リカレント教育のメリットとデメリットとは?

リカレント教育にも同様にメリット・デメリットがあります。それぞれ紹介します。

メリット

・キャリアの選択肢を広げることできる

学び直しを行い新たなスキルを身につけることでキャリアの選択肢を広げることができます。汎用性の高いスキルを身につければ不測の事態においてもキャリア形成の立て直しがしやすくなります。


・年収UPにつながりやすい

企業が求める資格やスキルを取得することを条件に昇進・昇格につながるケースがあります。学び直しを行うことで年収増加につながる可能性があります。

・ライフスタイルにあわせた多様な働き方を選択することができる

フレックス勤務、テレワーク、リモートワーク、短時間勤務、副業、複業など労働時間ではなく仕事の出来が評価されるような雇用が行われる場合は、仕事に対し必要なスキルを持っていることが前提です。学び直しを行い新たな知識やスキルを取得することで、雇用形態にとらわれず、様々な働き方を選択することができやすくなります。

デメリット

・長期間の学習に対して周囲の理解を得るのが難しい

学び直しをするために長期の休暇制度の取得を行える制度を整備している企業はまだ少ない状態です。リカレント教育の場合は、一度仕事から離れ学び直しをするという学び方ですので、例えば大学に再入学を行う場合は長期間の学習期間が必要になることが想定されます。

会社内で学び直しに対してある程度の期間が必要であることに対して、理解やサポートを得る必要がありますが、周囲の理解を得ること自体が難しいという場合もあります。

・学んだことが評価されづらい可能性がある

学び直しを行いスキルを身につけた後、休職期間を経てから再就職活動、転職をする方も少なくありません。リカレント教育は社会人が対象であるため、ほとんどの方は中途採用での就職活動になります。中途採用の場合は、実務経験やスキルが重視されることが多く、学び直しを行い得た知識やスキルが必ずしも評価されるとは限りません。学んだ内容を活かして再就職ができるよう計画的に学習を進めることが大切です。

リスキリング・リカレント教育を行う手順とは?


実際に、リスキリング・リカレント教育を自社に導入したいと思った際の基本的な手順を簡単に紹介します。


リスキリング・リカレント教育を行う手順 現状の調査と把握


まずは、リスキリング・リカレント教育を通して自社に必要なスキルが何かを明確にしましょう。内的要因・外的要因を調査し多角的に自社に必要なスキルと具体的な目標を決めます。


リスキリング・リカレント教育を行う手順 プログラム選定


自社に必要とされる新たなスキルが把握できたら、次は、実際に実施するための具体的なプログラム内容を検討・選定します。実施の時期はいつが良いのか、どのような環境が必要になるのか、社員にはどのように周知したら良いのかなど、実施に移る前に準備が必要です。


リスキリング・リカレント教育を行う手順 実施方法の確認


自社にとってプログラムの実施はどのような方法が良いのか手段を決めましょう。一般的に、自社での研修を通して従業員にノウハウやスキルを身に着けてもらう方法と、完全に外部事業者に委託する方法に分かれます。


リスキリング・リカレント教育を行う手順 実施・効果検証


実施方法が決まったら、リスキリング・リカレント教育を実施します。実施した際には、従業員との面談などを通して意見をもらい必要があれば改善を加えていくことが必要です。
また、リカレント・リスキリング教育を通じて取得した新しいスキルを実際に事業に活用できる場を用意しておかなければ意味がありません。実施して終わりではなく、スキルを活かせる環境を整えたり、リカレント・リスキリング教育の効果検証を行い次に活かす仕組み作りをおこなったりすることが大切です。

リスキリング・リカレント教育を行う際の注意点とは

リスキリング・リカレント教育を行う際の注意点を今回は3つ紹介します。

注意点1 学習環境の整備

リスキリング・リカレントともに、従業員が学習を行えるよう環境の整備を行うことが大切です。

企業側が進んで学習に対しての整備を行い、少しでもリスキリング・リカレントに興味を持ってもらえるようサポートすることがポイントになります。また、実際にリスキリング・リカレントを行う従業員の働き方に無理が生じないよう勤務を調整したり体制を整えたり、学習を行うにあたり必要な費用の一部を負担するなどの対応も必要になります。

注意点2 スキルの可視化

既存スキルを可視化することで、リスキリング・リカレントを通して何を学ぶべきかアドバイスするのも良いでしょう。従業員がリスキリング・リカレントに興味はあるけど、何を学んだらいいのか分からない場合もあるため、企業側も今後身につけるべきスキルを可視化したり、従業員のキャリアプランに合わせてアドバイスをしたりサポートを行いましょう。

注意点3 学習意欲の継続の仕組み

実際に学ぶ方の学習に対してのモチベーションを継続できるような仕組みがなければ、中長期的な学びの継続は難しいでしょう。実際にリカレント・リスキリング教育で学ぶ従業員の方々の学習意欲の継続のための仕組み作りが大切です。例えば、従業員の意思を尊重し学びたいタイミングで学べるような仕組みを作ったり、オンラインでも学べる仕組みを作ったり、一緒に学ぶ仲間作りができるような仕組みを提供したりなどが考えられます。

注意点4 アウトソーシングの活用

リスキリング・リカレントを実施する際には、アウトソーシングを活用することをおすすめします。社内だけで学習を完結させることもできるかもしれませんが、アウトソーシングを活用することで時間と費用の節約につながります。専門的な外部サービスを効率的に利用していきましょう。

リスキリング・リカレント教育で活用できる助成金・支援制度

リスキリング・リカレントに興味を持っている方にとって必見の助成金・支援制度を今回は2つ紹介します。

制度1 人材開発支援助成金

人材開発支援助成金とは、労働者の職業生活設計の全期間を通じて段階的・体系的な職業能力開発を効果的に促進するため、事業主等が雇用する労働者に対して職務に関連した専門的な知識および、技能を習得させるための職業訓練等を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部等を女性する制度です。 


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制度2 経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業

経済産業省が2023年に本格的に始めた新制度であり、キャリアコンサルタントなどの専門家へのキャリア相談→リスキリング講座の受講→転職相談や職業紹介までを一体的に支援している制度です。事業による補助が最大で受講費用の70%(上限56万円)分受けられることが最大のメリットと言えます。

関連:経済産業省 リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業 対象講座

リスキリング・リカレント教育の支援を活用してあなたも「デジタルハリウッド」でスキルアップしませんか?

リスキリング・リカレント教育で活用できる助成金・支援制度においてご紹介した2つの制度は、デジタルハリウッド専門スクールで提供しています。

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まとめ

今回は、リスキリングとリカレント教育の違いと、そしてそれぞれのメリット・デメリットや必要性について紹介してきました。

DXやAI、働く環境の変化に伴い、リスキリング・リカレント教育の重要性は日増しに高まってきています。

デジタルハリウッド専門スクールでは、これらをサポートする講座・コースを複数ご用意しております。

ご興味をお持ちの方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。


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