AI活用・DX推進に向けたリスキリングの導入方法とは?事例や補助金・支援も紹介

AI活用・DX推進に向けたリスキリングの導入方法とは?事例や補助金・支援も紹介

AIやDXの進展により、企業には業務の高度化や変革への対応力がこれまで以上に求められています。 その中で注目されているのが、従業員のスキルを時代に合わせて再構築する「リスキリング」です。 本記事では、AI活用・DX推進の観点からリスキリングが必要とされる理由や導入の流れ、 具体的な企業事例、活用できる補助金・支援制度までをわかりやすく解説します。 導入を検討中の企業担当者の方はぜひ参考にしてください。

【目次】

そもそもリスキリングとは?

リスキリングとは、社会や産業構造の変化に対応するために、従業員が新たな知識やスキルを学び直す取り組みを指します。特にAIやDXの進展により、既存業務の見直しや新技術の活用が求められる中、職種転換や業務高度化を目的として注目されています。個人の成長だけでなく、企業の競争力強化につながる人材戦略の一つです。

関連リンク:リスキリングとは?導入時のポイントやメリット・デメリットを紹介!


AI活用・DX推進においてリスキリングが注目されている理由

AIやデジタル技術の急速な進化により、業務の自動化や高度化が進み、従来のスキルだけでは対応が難しい場面も増え始めています。DXを推進するには、ツールを導入するだけでなく、それを活用できる人材の存在が不可欠です。しかし、外部から即戦力人材を確保することは容易ではなく、コストや定着面でも課題があります。そのため、既存社員が新たなスキルを身につけるリスキリングが、現実的かつ持続可能な手段として注目されています。人材不足の解消とDX推進を同時に実現できる点が、リスキリングの大きな価値といえます。


AI活用・DX推進におけるリスキリングがもたらすメリット

AI活用やDX推進に向けたリスキリングには、複数のメリットがあります。まず、既存社員がデジタルスキルを習得することで、業務効率化や生産性向上につながります。現場を理解している社員が変革を担うため、実務に即したDXが進めやすい点も大きな強みです。また、新たなスキルを身につける機会を提供することで、社員の成長実感やモチベーション向上が期待でき、離職防止にも寄与します。さらに、外部採用に頼らず社内で人材を育成することで、採用コストの抑制や組織全体のスキル底上げが可能になります。中長期的には、変化に強い組織づくりにつながる点も大きなメリットです。


AI活用・DX推進におけるリスキリングがもたらすデメリット

一方で、リスキリングには注意すべきデメリットも存在します。教育には一定の時間とコストがかかり、短期的には業務負荷が増える可能性があります。また、学習内容が実務と結びつかない場合、効果を実感しにくく、形骸化するリスクもあります。さらに、全社員が同じ意欲で取り組めるとは限らず、個人差への配慮が必要です。目的やゴールを明確にせず導入すると、DX推進につながらない恐れがあるため、計画的な設計とフォロー体制が重要です。


AI活用・DX推進に向けてリスキリングを導入する流れ

AI活用やDX推進を実現するために、目的設定から学習・定着までの具体的な導入の流れを解説します。


流れ① 現状分析と課題の洗い出し

まずは自社の業務内容や人材スキルの現状を把握し、AI活用・DX推進における課題を明確にします。どの業務でデジタル化が遅れているのか、どの部門にスキル不足があるのかを整理することが重要です。あわせて、将来的に求められるスキルや人材像を定義します。この段階で方向性が曖昧だと、学習内容が実務と結びつかず、リスキリングの効果が薄れてしまいます。経営層と現場の認識をすり合わせながら、優先順位を決めることが成功のポイントです。


流れ② リスキリングの目的・ゴール設定

次に、リスキリングを通じて何を達成したいのかを明確にします。AIツールの業務活用、データ分析力の強化、DX人材の育成など、具体的なゴールを設定することで、学習内容や対象者を適切に設計できます。また、短期的な成果だけでなく、中長期的にどのような組織を目指すのかを共有することも重要です。目的が明確であれば、社員の理解と納得感が高まり、主体的な学習につながります。


流れ③ 対象者・学習内容の設計

目的に応じて、リスキリングの対象者やレベル別の学習内容を設計します。全社員向けの基礎的なAIリテラシー研修から、特定部門向けの専門スキル習得まで、段階的に進めることが効果的です。業務と並行して学べるカリキュラムや、実践型の学習を取り入れることで、知識の定着率が高まります。自社だけでの設計が難しい場合は、外部研修や教育機関の活用も検討するとよいでしょう。


流れ④ 学習環境の整備・実施

学習を継続するためには、環境づくりが欠かせません。業務時間内での学習確保や、オンライン講座の導入など、社員が無理なく取り組める体制を整えます。また、学んだ内容を業務で試せる機会を設けることで、理解が深まります。上司や組織全体が学習を後押しする文化をつくることも重要です。単発で終わらせず、継続的な取り組みとして位置づけましょう。

流れ⑤ 効果測定・定着化

最後に、リスキリングの効果を定期的に振り返り、改善につなげます。スキル習得状況や業務改善への影響を可視化することで、次の施策に活かせます。また、学んだスキルを活かせる役割や業務を用意することで、定着と成果創出が進みます。PDCAを回しながら継続的に取り組むことで、AI活用・DX推進を支える人材基盤を強化できます。

AI活用・DX推進に向けてリスキリングに取り組む企業の事例

AI活用やDX推進を目的に、社員のスキル再構築に取り組む企業事例を紹介します。


事例① トヨタ自動車

トヨタ自動車では、AIやデータ活用を軸としたDX推進のため、全社員を対象としたデジタル人材育成を進めています。社内教育プログラムを通じて、データ分析やAI基礎を学ぶ機会を提供し、製造現場や業務改善に活用しています。現場主導でデジタル技術を取り入れることで、業務効率化と競争力強化を同時に実現しています。

参考:全社のDX人財育成施策としてUdemy Businessを導入。インフルエンサーを中心に社員同士の学びの輪を広げる

参考:トヨタ車体のDXに向けた取り組み


事例② 日立製作所

日立製作所では、DXを経営戦略の中核に位置づけ、リスキリングを全社的に推進しています。AI、データサイエンス、クラウド分野の学習プログラムを整備し、職種転換も視野に入れた人材育成を実施しています。社員が学んだスキルを実際の事業や顧客課題の解決に活かす仕組みを構築している点が特徴です。

参考:日立が「日経リスキリングアワード2024」において「企業・団体総合部門 最優秀賞」を受賞



事例③ 富士通

富士通では、DX人材の育成を目的に、データ活用やAI活用に関するリスキリングを積極的に行っています。社内オンライン学習や実践型研修を通じて、エンジニア以外の社員にもデジタルスキルの習得を促進しています。これにより、部門横断でDXを推進できる体制づくりを進めています。

参考:富士通全社変革の「これまで」と「これから」に迫る!DXプロジェクト「フジトラ」の連載がスタート!


事例④ サイバーエージェント

サイバーエージェントでは、AI活用を事業成長の柱と位置づけ、社員向けに高度なAI・データ分析教育を実施しています。専門組織による研修や社内勉強会を通じて、実務に直結するスキル習得を支援しています。広告運用やコンテンツ制作にAIを活用することで、事業競争力の向上につなげています。

参考:サイバーエージェントのAI


事例⑤ 伊藤忠商事

伊藤忠商事では、DX推進を支える人材育成として、AIやデータ活用に関するリスキリングを実施しています。営業部門や管理部門を含めた幅広い社員を対象に、デジタルリテラシー向上を図っています。

参考:伊藤忠商事のDX戦略を加速する人材育成方法



AI活用・DX推進におけるリスキリングを実践するポイント

AI活用・DX推進につなげるために重要となる、リスキリング実践時のポイントを解説します。


ポイント① 業務と直結した学習設計を行う

リスキリングを成功させるためには、学習内容を実際の業務と結びつけることが不可欠です。AIやDXに関する知識を座学だけで終わらせず、業務改善や新たな取り組みに活用できる形で設計します。たとえば、日常業務で使用するツールの自動化やデータ活用をテーマにすることで、学習の目的が明確になります。業務に活かせる実感を得られることで、社員の学習意欲や定着率も高まり、DX推進の成果につながりやすくなります。


ポイント② 継続しやすい体制と評価の仕組みを整える

リスキリングは、短期間で完結するものではなく継続的な取り組みが重要です。そのため、業務と両立できる学習時間の確保や、オンライン講座の活用など、無理なく続けられる体制を整える必要があります。また、習得したスキルを評価やキャリアに反映する仕組みを設けることで、社員の主体性を引き出せます。学びが個人の成長や組織の評価につながることで、AI活用・DX推進を支える文化が定着していきます。


AI活用・DX推進におけるリスキリングで活用できる補助金・助成金

リスキリングに取り組む企業が活用できる代表的な補助金・助成金制度を紹介します。


補助金・助成金① 人材開発支援助成金

人材開発支援助成金は、企業が従業員に対して職務に必要な知識やスキルを習得させるための訓練を行う際に活用できる助成金です。AI活用やDX推進に向けたデジタルスキル研修も対象となり、訓練費用や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。OJTとOFF-JTを組み合わせた研修も対象となるため、実務に直結したリスキリングを行いやすい点が特徴です。制度内容や助成率はコースごとに異なるため、事前確認が重要です。


厚生労働省 人材開発支援助成金


補助金・助成金② IT導入補助金

IT導入補助金は、業務効率化やDX推進を目的としてITツールを導入する企業を支援する制度です。AIツールや業務システムの導入とあわせて、操作研修や活用支援が補助対象となるケースもあり、リスキリングと併用しやすい補助金です。中小企業・小規模事業者が主な対象で、補助率や補助額は申請枠によって異なります。ツール導入と人材育成をセットで進めたい企業にとって、有効な支援制度といえます。

サービス等生産性向上IT導入支援事業


リスキリング支援を活用して”デジタルハリウッド”でスキルアップを

デジタルハリウッドでは、AI・DX時代に求められるデジタルスキルを実務レベルで学べるリスキリング支援を幅広く提供しています。Webデザイン、UI/UX、動画、デジタルマーケティング、CGなど、企業のDX推進に直結する分野を幅広くカバーしており、未経験からでも段階的にスキル習得が可能です。補助金・助成金制度を活用した法人向け研修にも対応しているため、コストを抑えながら人材育成を進められる点も特長です。

デジタルハリウッド専門スクール

人材開発支援助成金を利用したリスキリング、研修のご案内

まとめ

AI活用・DX推進を成功させるためには、ツール導入だけでなく、それを使いこなす人材の育成が不可欠です。リスキリングは、既存社員のスキルを時代に合わせて再構築し、企業の競争力を高める有効な手段といえます。補助金・助成金を活用することで、負担を抑えながら取り組むことも可能です。計画的な導入と継続的な支援を行い、変化に強い組織づくりを目指しましょう。