副業はいくらまで申告不要?20万円の壁と税金の基準

公開日:2026-07-08

副業はいくらまで申告不要?20万円の壁と税金の基準

副業はいくらまで申告不要?20万円の壁と税金の基準

公開日:2026-07-08

会社員の副業が広がる一方で、「副業の所得はいくらまでなら申告しなくていいのか」という疑問を持つ人は多いのではないでしょうか。副業を行う正社員の割合は2025年8月時点で11.0%となり、2018年の調査開始以来もっとも高い水準になったと報告されています。実は、「副業はいくらまで」という問いには所得税と住民税という2つの異なる答えがあります。会社員・副業家それぞれの立場に合わせて、確定申告と住民税の基準、節税につながる申告方法の要件を、公的機関の一次情報にもとづいて整理します。

この記事の要約

会社員で副業所得20万円超の見込み 所得税の確定申告が必要。準備の流れと必要書類を解説
副業所得20万円以下 所得税申告は原則不要でも住民税の申告と普通徴収の選択がカギ
個人クリエイター・副業家 青色申告と最大65万円控除の要件を正しく理解して節税
はじめての人 収入と所得の違い、経費の範囲、家族への給与の基礎を整理

副業の「いくらまで」は収入と所得のどちらで判断する?

「副業はいくらまで申告不要か」を考えるうえで、まず押さえておきたいのが「収入」と「所得」の違いです。税法上、副業で得た売上や報酬の合計金額を収入と呼び、そこから業務のために使った必要経費を差し引いた金額を所得と呼びます。副業の収入が30万円あっても、経費として10万円を使っていれば、税務上の所得は20万円になります。

この考え方は、これから解説する20万円ルールや住民税の申告義務を理解するうえで土台になる部分です。副業の申告要否を「収入ベース」で判断してしまうと、本来申告が不要なケースで慌てて手続きをしたり、逆に申告が必要なケースを見落としたりする原因になります。

なお、副業の形態はWebデザインや動画編集といった業務委託型の仕事から、フリマ・せどりのような物販までさまざまです。クリエイターのお仕事図鑑のように、副業として選ばれやすい職種によって収入や経費の内訳は大きく異なります。

収入と所得の計算イメージ

たとえば、Webデザインの案件で年間35万円の報酬(収入)を受け取り、業務用のパソコン購入費や通信費などで年間12万円を経費として使った場合、税務上の所得は「35万円-12万円=23万円」となります。この23万円という所得の金額をもとに、次章で説明する「20万円ルール」を超えているかどうかを判断します。

所得税の「20万円ルール」とは?会社員の副業所得の基準

副業所得が年間20万円を超える見込みがある会社員が最初に知っておきたいのが、いわゆる「20万円ルール」です。国税庁のタックスアンサーによれば、給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象となっている給与所得者は、給与所得・退職所得を除く各種所得金額の合計が20万円を超える場合に確定申告をしなければならないとされています。

逆にいえば、副業所得が20万円以下であれば、所得税の確定申告は原則として不要ということになります。ただし、見落としやすい例外がいくつかあります。医療費控除など還付申告をする場合は20万円以下の所得も含めて申告が必要です。また、2か所以上から給与を受けている場合や年間給与収入が2,000万円を超える場合、個人事業主が本業を営んでいる場合は、この20万円ルールがそのまま適用されない点にも注意が必要です。

ケース 20万円ルールの扱い
給与1か所・副業所得20万円以下 所得税の確定申告は原則不要
同条件で副業所得が20万円超 所得税の確定申告が必要
医療費控除など還付申告を行う 20万円以下の副業所得も含めて申告が必要
給与を2か所以上から受給 20万円以下でも申告が必要な場合あり
個人事業主が本業を営んでいる 20万円ルールは適用されず事業所得と合算

副業所得が20万円を超えたら?確定申告のやり方

確定申告は、原則として毎年2月16日から3月15日までの間に、前年1年間の所得について行います。必要になる主な書類は、給与所得の源泉徴収票、副業の収入がわかる帳簿や請求書、経費の領収書、各種控除証明書などです。

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収入・経費の整理

請求書・領収書・通帳の記録などから、帳簿や収支内訳書としてまとめます。

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所得税額の計算

給与所得と副業所得を合算し、各種所得控除を反映して税額を計算します。

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申告書の作成

確定申告書等作成コーナーや会計ソフトで申告書を作成し、内容を見直します。

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提出

e-Tax・郵送・窓口のいずれかで提出。青色申告は決算書類も添付します。

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納付

振替納税・電子納税・窓口納付などで、期限にあわせて所得税額を納めます。

申告を忘れた場合のペナルティにも注意

税務署の調査通知前に自主的に期限後申告をすれば無申告加算税は原則5%で済みますが、調査を受けたあとの申告では納付税額に応じて15〜30%が課され、延滞税も別途発生します。期限内の申告が結果的に負担を抑えます。

所得税が20万円以下でも住民税の申告は必要

住民税には、所得税のような「20万円以下なら申告不要」という特例がありません。給与所得者の給与以外の所得については、金額の多少にかかわらず、原則として住民税の申告が必要とされています。住民税には所得税のような源泉徴収の仕組みがなく、他の所得と合算して税額を計算する必要があるためです。

申告先は、その年の1月1日時点で住民票のある市区町村役場の窓口、または各自治体の公式サイトです。なお、所得税の確定申告をした場合はその情報が市区町村へ共有されるため、住民税の申告を別途行う必要はありません。

会社に副業を知られたくない人へ|住民税を自分で納める「普通徴収」

会社員の住民税は通常、給与から天引きされる「特別徴収」で納付されます。副業分を合算して申告すると翌年度の住民税額が増えるため、会社の給与担当者が通知額から副業に気づく、というのが典型的な経路です。

これを避ける方法が、確定申告書の「住民税・事業税に関する事項」欄で「自分で納付」を選択することです。国税庁の確定申告書等作成コーナーでe-Taxを利用する場合も同じ項目で選択できます。ただし、アルバイトなど給与所得は原則として特別徴収の対象となり普通徴収を選べない場合があること、自治体によって運用に差があることには注意してください。

青色申告と白色申告の違い|最大65万円の特別控除の要件

白色申告は事前の届出が不要で、単式簿記による帳簿づけが認められています。青色申告は事前に税務署へ届出書(原則その年の3月15日まで、新規開業は開始から2か月以内)を提出することで選択でき、複式簿記による記帳と引き換えに最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。

複式簿記+電子帳簿保存/e-Tax 65万円
複式簿記+期限内提出 55万円
上記要件に該当しない場合 10万円
項目 青色申告 白色申告
事前の届出 必要(原則3/15まで) 不要
記帳方法 複式簿記 単式簿記
特別控除 最大65万円 なし
専従者給与 全額を必要経費に算入可 事業専従者控除(上限あり)
帳簿の保存期間 一定期間の保存義務 法定帳簿7年・任意帳簿5年

青色申告の承認申請書の提出期限を過ぎると、その年は白色申告扱いとなり65万円控除などのメリットを受けられません。申告方法を切り替えるタイミングを逃さないようにしましょう。

副業収入をもっと伸ばしたい方へ

正しい申告方法を知ることに加えて、副業案件の幅を広げるスキルを身につけることも収入アップの選択肢の一つです。デジタルハリウッドでは、Webデザインや動画クリエイターなど副業でも需要の高い分野を未経験から学べるコースをご用意しています。

副業で経費にできる範囲|家事按分と家族への給与(専従者給与)

必要経費とは、副業の収入を得るために直接必要となった売上原価や、その年に生じた業務上の費用のことです。パソコンやソフトウェアの購入費、業務用の通信費、取材や打ち合わせの交通費などが典型例です。

家事按分の考え方

自宅の一室を仕事用に使っている場合の家賃や光熱費などは、業務用とプライベート用の割合に応じて按分し、業務用にあたる部分だけを経費に計上します。所得税法施行令とその解釈通達では、業務の遂行上必要な部分が支出金額の50%を超える場合や、50%以下でもその部分を明確に区分できる場合に、必要経費への算入が認められています。

家族への給与を計上する「専従者給与」

要件を満たせば家族への給与を経費にできる「青色事業専従者給与」という制度もあります。対象は、青色申告者と生計を一にする配偶者やその他の親族で、12月31日時点で15歳以上、かつその年を通じて6か月を超える期間その事業に専ら従事している人です。届出書を原則その年の3月15日までに提出し、労務の対価として相当な金額を支払う必要があります。

副業所得は事業所得?雑所得?300万円基準と将来的な発展

事業所得か雑所得かの判定は、その所得を得る活動が社会通念上「事業」と呼べる規模・継続性・営利性を備えているかどうかが原則です。国税庁が示す整理では、収入が300万円を超え帳簿の保存もある場合は概ね事業所得、収入が300万円以下の場合は帳簿を保存していても業務に係る雑所得として扱われるのが基本的な整理です。帳簿づけをしていれば自動的に事業所得になるわけではなく、活動の実態と規模が重要な判断材料になります。

まとめ|自分のケースに合った申告方法を確認しよう

所得税は給与以外の所得が20万円を超えると申告が必要になる一方、住民税には金額の基準がなく原則すべての所得を申告する必要があります。会社に知られたくない場合は、確定申告書の徴収方法選択欄で「自分で納付」を選ぶ方法があります。副業が本格化してきたら、青色申告への切り替えや経費の正しい把握など、事業として税額を最適化する視点も重要です。

個別の状況によって最適な判断は異なるため、不明点は税務署や税理士へ確認しながら進めることをおすすめします。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務相談への回答ではありません。副業を単発の収入源で終わらせず、クリエイターの働き方図鑑で紹介するような専門スキルとして育てていくことも、収入の選択肢を広げる方向性の一つです。

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よくある質問

副業の所得が20万円以下なら、何も申告しなくていいですか?

所得税の確定申告は原則不要ですが、住民税の申告は所得の金額にかかわらず必要になるのが原則です。

住民税を自分で納める普通徴収は誰でも選べますか?

業務委託などの所得は選択できることが多い一方、アルバイトなどの給与所得は原則として特別徴収の対象となり選べない場合があります。自治体ごとの運用差もあるため事前確認をおすすめします。

青色申告の65万円控除を受けるにはどうすればいいですか?

複式簿記による記帳と貸借対照表・損益計算書の期限内提出という55万円控除の要件に加えて、電子帳簿保存またはe-Taxでの提出のいずれかが必要です。

副業の経費に上限はありますか?

金額そのものに上限はなく、業務の遂行上直接必要と認められる支出が経費の対象になります。自宅兼用の家賃や通信費などは家事按分で業務分のみを計上します。

副業の年間収入が300万円以下でも事業所得になりますか?

300万円以下の場合は、帳簿を保存していても業務に係る雑所得として扱われるのが基本的な整理です。事業所得になるかどうかは収入規模だけで決まるものではなく、活動の継続性や営利性など事業としての実態が重視されます。

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デジタルハリウッドSTUDIO編集部

全国に展開する「デジタルハリウッドSTUDIO」の運営・広報チームです。Web・映像・デザインを学ぶ受講生一人ひとりの挑戦を日々サポートしてきた経験をもとに、現場のリアルな声や最新の学習トピックスを発信しています。