トポロジーとは?CG・キャラクターモデリングで重要な理由をわかりやすく解説

公開日:2025-12-21

CGや3DCG、キャラクターモデリングを学び始めると、必ず出てくる言葉が「トポロジー」です。 一見むずかしそうな専門用語ですが、実は「キャラクターをきれいに動かすための設計」を指しています。

この記事では、トポロジーとは何か、なぜキャラクターモデリングで重要なのか、そしてAI時代でも必要とされる理由までを、初心者にもわかる言葉で解説します。

トポロジーとは?

トポロジー(Topology)とは、 3Dモデルを構成するポリゴン(面・線)が、どのような流れ・構造で配置されているか を指す言葉です。

簡単に言うと、見た目ではなく「中身の設計図」のようなものです。 同じ見た目のキャラクターでも、ポリゴンの流れが整っているモデルと、 行き当たりばったりで作られたモデルでは、 動かしたときの美しさや作業効率がまったく違います

なぜトポロジーが重要なのか?

① キャラクターは「動かす」前提だから

キャラクターCGは、歩く・走る・腕を曲げる・表情をつくるなど、 必ず動きが伴います。

このとき、肘・膝・肩・口・目・眉といった 可動部分に沿ったトポロジーになっていないと、 形が潰れる、変なシワが出る、動きが不自然になるといった問題が起こります。

つまりトポロジーは、 「動かしたときに破綻しないための設計」なのです。

② アニメーション・リグ工程が圧倒的に楽になる

トポロジーが整っているモデルは、ボーン(骨)を入れやすく、 ウェイト調整がしやすく、修正も少なくて済みます。

逆にトポロジーが悪いと、 後工程(アニメーター・リガー・テクニカル担当)がとても苦労します。

そのため現場では、 「トポロジーがきれい=仕事ができるモデラー」 と評価されることも少なくありません。

③ チーム制作では「信頼」に直結する

ゲームや映像制作はチーム制作です。 トポロジーが整っていると、 他の人が触っても壊れにくい、修正・追加に強い、 制作全体がスムーズに進むといった効果があります。

見た目の派手さ以上に、 「他人のために作られているか」 が問われる部分でもあります。

よくある例え:トポロジー=服の型紙

トポロジーはよく、服の型紙に例えられます。

  • デザイン(見た目)=完成した服
  • トポロジー=型紙の切り方・縫い方

見た目が同じ服でも、型紙が悪いと動きにくかったり、 すぐ破れたりします。 CGも同じで、 見た目が良くても、構造が悪いと使えないのです。

AIで作ったモデルとトポロジーの課題

最近はAIで3Dモデルを生成できるようになり、 「もうモデラーはいらないのでは?」と感じる人もいるかもしれません。

しかし現状のAI生成モデルは、 ポリゴンの流れが不規則だったり、 動かす前提で作られていなかったりして、 そのままゲームやアニメーションには使えないケースが多いです。

特にキャラクターは、筋肉の流れや関節の構造、 自然な変形を意識した人の判断が不可欠です。 そのため、 AIは「補助」、トポロジー設計は人の仕事 という考え方が、現場での共通認識になっています。

トポロジーはどうやって身につける?

トポロジーは、座学だけでは身につきません。 実際にキャラクターを作り、動かして破綻を見る、修正する。 この繰り返しが重要です。

学校や講座では、ローポリ課題、キャラクターモデリング課題、 アニメーション前提の制作などを通して、 自然とトポロジーの考え方を学んでいきます。

まとめ:トポロジーは「動かすための思考」

トポロジーとは、 3Dモデルをきれいに動かすための構造設計です。 見た目だけでなく、動きやすさ、チーム制作のしやすさまで考える、 プロのモデラーに必須の視点でもあります。

CGやキャラクターモデリングを目指すなら、 トポロジーは避けて通れない、 そして身につけるほど武器になる技術です。

著者: