卒業生のプロフィール
PROFILE
井上 和行さん
専科3DCGデザイナー専攻卒業
井上さんの卒業制作
卒業生インタビュー
INTERVIEW
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- デジタルハリウッド入学前にCGの経験はありましたか?
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未経験でデジタルハリウッドに入学しました。
入学する前に少しだけBlenderを触りましたが、しっかりCGを学び始めたのはデジハリに入ってからです。大学では情報科学系でプログラミングなどを学んでいました。
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- CGに興味を持ったきっかけは何でしたか?
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ピクサー作品に影響されました。
小さいころからディズニーピクサーの映画が好きで、 特に高校生の頃にトイ・ストーリー3を観た時は感動をしました。 トイ・ストーリー3の宣伝としてピクサーで働かれていた日本人の方 の取材をしているテレビ番組を見て、 「 こんな環境で働けたらいいな」 と思っていました。 当時は高校生で、 無理だろうと考えていたのでアートとは関係のない学部に進学しま した。
大学3年生になり、今後40年どう行った仕事をしたいのかを考え 始めました。就職活動として様々な業界を研究をしたり、 インターンシップに参加してみたりしていたのですが、 どこの会社にも興味が湧きませんでした。それなら 行きたい会社 に行こう! ということで大学を1年間休学してCGを学ぶことを 決めました。
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- デジタルハリウッドを選んだ理由を教えてください。
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1年間の目標を立てて学習ができると感じたからです。
ピクサーで働かれている卒業生がいらっしゃることとDF(デジタルフロンティア/優秀作品発表会)というイベントがあり、デジハリは 1年間の目標を作るのにとても良い環境だと感じたからです。 結果的にDFで賞を取ることは出来ませんでしたが、グループで制作した作品が「 ショートショート フィルムフェスティバル & アジア」(SSFF & ASIA) のCGアニメーション部門にノミネートすることができたので目標を達成できたと思っています。
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- 専科3DCGデザイナー専攻(Mayaを集中的に学ぶコース)を選んだ理由を教えてください。
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Mayaをしっかり学びたかったからです。
1年間でMayaだけでなくMaya以外のソフトも学ぶとなると 全部が中途半端になってしまうのではないかと思い、Mayaだけ を集中して学ぼうと専科3DCGデザイナー専攻にしました。
入学当初はアニメーターになりたいと思っていたわけではないので 、まずは浅く広くモデリング、リギング、 アニメーションなどを勉強していました。しかし、 最終的にはスペシャリストになろうと考えていたため、 なるべく早い段階で目指す職種は決めたいと思っていました。 中間課題でアニメーションをしてみて一番楽しかったので、8月頃 (4月生なので入学してから4ヶ月目)には アニメーターを目指そうと決めました。
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- デジタルハリウッドの授業以外でしていたことはありますか?
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アルバイトやインターンシップへ行きました。
受講期間中は、授業が週に1回だったので 週4日東京のCG制作会社でアルバイトをしていました。 CGを学び始めてから間も無い頃に実務経験をさせてもらえたのは本当に良い経験でした。学生とプロのスピード感の違いや技量の差など、すごく学ぶことは多かったです。その他にも、アニメーターのデジハリ講師の方に授業以外でアニメーションを習ったり、オンラインスクールを受講したりしていました。
デジハリ卒業後、大学に復学しなければいけなかったので、大学に通いつつ一年間デジハリでTA(ティーチングアシスタント/授業のサポートをする役割)をしていました。またその間に、 CG制作会社2社のインターンシップに行きました。
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- 卒業後はどのような企業に就職されましたか?
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マーザ・アニメーションプラネット株式会社(日本の会社)→Sony Pictures Imageworks(カナダの会社)
卒業後は日本の企業の 「マーザ・ アニメーションプラネット株式会社」(以下マーザ) に就職しました。マーザでは2年間アニメーターとして勤めました 。その後、カナダの 「Sony Pictures Imageworks」(以下SPI) へインターンシップへ行きました。
2022年1月、2月頃に海外の企業への転職活動を始めました。 一般応募でSPIから返信を頂いたのですが、 なかなか話が進みませんでした。それに、 しばらくアサインされていたプロジェクトが3月に終わり、 そのタイミングでマーザを退職して海外のスタジオに挑戦しようと 考えていたため、内心焦っていました。そこで、話が進まないなら SPIのインターンシップに行ってみるのも良いのではないかと思 い、応募することに決めました。
最終的に2022年5月にインターンシップ合格のメールを頂き、 7月から始まるインターンシップに備えるため、5月にカナダへ向かいました。そして2ヶ月間の インターンシップを経て2022年 9月に正式にアニメーターとして採用されました。
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- もともと英語は得意だったのですか?
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得意ではないですが、日本にいた頃から努力はしていました。
全く得意ではなかったのですが、海外で働こうと思っていたので、マーザにいるときから毎日オンライン英会話を30分やっていたり、同僚に外国人が多かったので英語でコミュニケーションをとるように心がけたりしていました。
しかし、英語力は足りなかったですね。ミーティングも全て英語なので今はそれがかなり厳しいです。内容が理解できないことも多いので、 ミーティングを自分で録画して何度も聞けるようにしています。 ミーティングの内容をメモしてくれる方がいて、後からメモを送ってくれるのでそれに頼って何とかフィードバック内容を理解しています。あと数年はしっかり英語を勉強しないといけないなと思っています。
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- 海外就職するために、「日本で就職→海外就職」と「海外で学ぶ→海外就職」の方法が良くある道のりだと思うのですがどちらがいいと思いますか?
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正解はないと思いますが、僕は日本でのキャリアが今に活きていると思います。
どちらの方法でも海外就職している方はいるので、正解はないと思います。ただ、アメリカの大学に行くとなるとどうしてもお金がかかってしまうので、経済的に余裕があるかが大事になると思います。一番のメリットとしてはアメリカの学校で学位を取得すればOPTという制度を利用できる点だと思います。OPTを利用すれば就労ビザの取得が困難なアメリカで一年間働くことができます。僕の場合はお金をサポートしてもらえる環境ではなかったのでアメリカに行けませんでした。
しかし 日本で実務経験を積んで良かったと思っています。 具体的には、実力が未熟な間に就労ビザや契約更新を気にすることなく日本で修行できることや実務経験があることでカナダの就労ビザが取りやすくなることです。
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- 今後の目標や意気込みがあれば教えてください!
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目の前の目標としては契約更新。次のプロジェクトでIntermediate Animatorになることです。
海外で働くほとんどのアーティストには契約期間があります。 今後の目標としてはまずは契約を更新することですね。今はAss ociate Animatorというアニメーターなのですが、次の契約更新で Intermediate Animatorになりたいです。
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- 海外で働きたい方へメッセージをお願いします!
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とにかく行動に移してみてください。
どんどん行動に移してほしいと思います。 もしかしたらハードルが高いと思っているかもしれないのですが、日本でしっかり経験を積んでいればそんなことも無いと思います。とにかく応募してみることだと思います。でも言語の壁は大きいと思うので、英語の勉強をしておくことはオススメしたいです。