在宅クリエイター・尾関日奈子さんの

一週間とパラレルワークのために7つのポイント


デジタルハリウッドSTUDIO 主婦ママクラスの卒業生で、在宅フリーランスWEBデザイナー・ディベロッパーとして活動する先輩ママさんに、その起業までのストーリーや、パラレルワークをするための7つの心得を伺いました!




index

一部 2児の母が在宅ワークを始めるまで


二部 パラレルワーカーのための7つのポイント!

  1. 「好き」が最強のエネルギー!のめり込めることを仕事する
  2. いろんなツールを「味見」して、気に入ったものを使う!
  3. まずはやってみる!が大事
  4. 「善意のドリームキラー」に惑わされない!
  5. こもる時期はひたすらこもる。
  6. 出て行く時期は、あちらこちらへ!
  7. チームランス。仲間がいると、より楽しい。


一部 2児の母が在宅ワークを始めるまで


以前の仕事への不満はなに?

正社員時代は、子育てと仕事の両立させる自信がなかった


私の以前の働き方についてご紹介します。都内の私立大学を卒業後、新卒で一部上場の大手小売業で入社して以来、デジタルマーケティング部門で働いていました。業務も忙しく退社時間は平均22時という具合でした。スタッフも減る一方で、周囲を見ても子育てに配慮のある職場環境とは言えませんでした。当時、子供を抱えて復職して、やりがいのある仕事を続けてというのは難しいと感じていたのです。


子供に笑顔を見せつつ、胸を張って仕事と家庭を両立し、私自身も心赴くままに自分のスキルアップに全力で取り組む。それが可能な全く新しい働き方はないものか、となんとなくモヤモヤしておりました。


profile

尾関日奈子(おぜき ひなこ)

「仕事と育児のイイ関係」の実現を目指す、2児の母。2018年、第二子出産の際に、在宅フリーランスママの妊娠・産休育休を経験。第一子の育休中、産後3ヶ月目からデジタルハリウッドSTUDIO Webデザイナー専攻主婦・ママクラスにてWeb製作技術を学ぶ。2017年1月よりフリーランスとして活動を開始し、Webデザイン・実装や印刷販促物制作、SNS管理運用など行う。

「コムルシエル web デザイン」https://commeleciel.jp/

一年発起をした理由は?

好きなところで働ける「フリーランス」との出会い


そんなモヤモヤを抱えていたところ、長男が生後3ヶ月になり、手がかからなくなったタイミングで、以前から気になっていたデジタルハリウッド STUDIOの主婦ママクラスに通い始めました。この時点では「スキルアップになる」「photoshopやillustratorを学ぶ」「黒画面をカチカチできるようになったらなんかカッコ良さそう!」と言う軽い気持ちでの入学で、これまでお仕事を頑張ってきた自分へのご褒美として、貯金を学費に当てました。


在学中の授業風景
卒業の時の写真

その講座に通い始めて1ヶ月目の終わりに、在宅フリーランスとして働く先輩ママさんのゲスト講座がありました。そこで生まれて初めて「フリーランス」という働き方の存在を知りました。

お恥ずかしながら「働く=勤める」だという先入観があって「フリーランス=ギャンブラー」みたいな認識しかなかったのです。なので「在宅で働ける」「時間も場所も縛られない」「プロであり、基本的にお勤めしてる人よりも全体的にスキルが高い」というスピーカーの先生のお話や働き方は、寝耳に水でした。え、そんな働き方ってこの世にあるの…?と。


反面、フリーランスの不安定さについては気になりました。


そこで、実際に在宅フリーランスをしている先輩ママさんと繋がれる場所に赴きました。そこでみなさんに対して、働き方やクライアントとのやりとり、収入周りのことなどを質問してみました。また、フリーランスとして成功するかどうかは、個人の人柄・スキルに寄るところがあるので、デジハリ在学中からいろいろなお仕事にトライしてみたのです。



在学中の主婦ママクリオの様子
在学中の仕事中の様子

すると、長男の保育園計画は、結局「待機児童」となり、復職プランは消滅。育休1年後から育児休業手当金は減額となるため、生活的に収入なしは生きていけないと、このタイミングでフリーランスに踏み切るしかない!と決断し、2017年の春に退職、個人事業主として開業させていただきました。



仕事部屋風景
ディスプレイ

生活はどう変わった?

子供の様子に合わせて働く。OL時代に比べてストレス半減。


フリーランスとなり、文字通り生まれ変わったかのように変化しました。

みなさんの参考のために、これまでのフェーズを出産前の社員時代、長男のいる社員時代、そしてフリーランスの時代に合わせてまとめてみました。


①出産前のお勤め時代

仕事一筋!という過ごし方でした。

職場の空気が苦手で、休日出勤だけは絶対にしない!と決めていましたが、週末はPCを持ち帰り自宅で作業をしていました。


②上の子1歳時代(保育園なし)

朝起きて家事育児をしたら仕事を開始。満員電車に乗らなくていい!決まった時間に向けて慌ただしく出社したり移動したりしなくていい!!!というのが開放的で、それだけでお勤め時代からはストレスが半減しました。

WEB制作が趣味なので、土日もまったく制作をしない日が逆に違和感となり、1〜2時間でも隙間時間で制作をしていました。

ずっと手元に子供がいたため、家事・育児・仕事がパッチワークのように織り混ざった働き方をしていました。打ち合わせは基本はオンラインですが、オフラインの場合はカンガルーワークか子連れミーティングです。

子供がぐずれば仕事の手を止めて遊び、外にいきたがれば公園にいき、基本的にはお昼寝の間が仕事の時間で、一人遊びがだいぶできるようになったことからは起きていても仕事をしたりしていました。またおでかけしたい日はスケジュールを変更してお出かけをしたり、旅にいきたいときは子連れでPCを抱えて旅しつつ仕事をする(ワーケーション)など、その時その時の様子に合わせた働き方をしていました。


下の子との仕事風景・上の子連れてワーケーション
地方で仕事


③現在(上の子3歳、下の子1歳、保育園あり)


上の子・下の子ともに保育園に入園してからは、まとまった仕事の時間を設けられるようになりました。オンラインの打ち合わせは大丈夫ですが、さすがに3歳と1歳を連れてオフラインの打ち合わせへ行くのは不可能だったため、保育園の入園はとても助かりました。


保育園に預けている時間は、仕事に当てつつ、家事や余裕があるときは勉強・スキルアップに時間を当てています。最近では、脱ペーパードライバーの講習に通い、実際に運転できるようになったほか、将来どこかでカフェ運営もしたいのでABCクッキングで料理を学んでいます。また動画制作のスキルを身に付けたく、オンライン講座のAfter Effect・Premiere講座を受講したりしました。


土日は基本子供と遊ぶ曜日としていますが、食後の時間やちょっとのんびりしている時間などは制作に当てています。地味に嬉しいのは、夜泣きがひどかった次の日の日中は眠たくなるので、1時間ほど昼寝してしまうこともあります。上の子・下の子ともに様子を見ながら、二人に会ったペースで保育園と付き合っていけたらと思っています。


二部 パラレルワーカーのための7つのポイント!


私のようは働き方をする人間は「在宅ワーク」「フリーランス」「複業」「テレワーク」など、いろんな表現があります。「複数の収入源を持ち、一つのビジネスに依存しない働き方」という意味では、事業内容もさまざま、クライアントも多数なので、いまでいう「パラレルワーカー」に当たるかと思います。そんな私の働き方を紹介する上で、7つのポイントをまとめてみました。


1.「好き」が最強のエネルギー!のめり込めることを仕事する


世の中には「楽しい」だけのことはないと思います。必ずどれも大変な側面があって、苦労があって、そのさきに楽しさや幸せがあるものです。大事なのはその「苦しい」「大変」をどう前向きに乗り越えていけるか、だと思います。


私の答えは、結局はそれが「好き」!という気持ちが「最強」ということです。「好き」ならば、「苦しい」「大変」を乗り越えるのが多少楽で、それを乗り越えた時の充実感は大きく、また「頑張ろう」と先に進むことができます。


また「好き」だからこそ、途中でもっと深掘りしたくなります。100を求められていても「こうしたらどうだろう?」「あ、これもやってみたいかも」と、最終的に自然と200のものができ上がる。これも「好き」故のことだと思います。


パラレルワークの楽しみの一つは、その広がりです。

一つのビジネスに囚われず、あれをしてみたりこれをしてみたり。その結果、思いも寄らぬところで2つのビジネスが繋がったり。また自然と3つ目のビジネスに手を伸ばすことになったりと。


その「広がって行く感じ」は、「好き」という気持ちが伴うと、前進している感が溢れ、仕事が楽しくなっていくと思います。


2.いろんなツールを「味見」して、気に入ったものを使う!


パラレルワークの心強い味方は、便利なオンラインツールです。特に働く場所や時間を縛られずに、パラレルワークをしたい方は、オンラインのコミュニケーションツールを駆使することがおすすめします。


いろいろなツールがありますが、代表的なところは下記です。


コミュニケーション:

slack、チャットワーク、メッセンジャー、LINE、backlog、メール、zoom、whereby、skype


タスク管理:

asana、trello、googleカレンダー


ファイル管理:

dropbox、gooogle drive、box


デザインや実装関連のツールは、環境によってさまざまで、常に日々アップデートされていきます。


こういったツールは、「味見」です。使ってみて自分好みを見つけていくのがオススメです。この世界で活躍している人ほど、ツールの「味見」は、話のネタとなり、趣味な人が多いと感じています(笑)。


3.まずはやってみる!が大事


在宅ワークやパラレルワークなど始めよう、と悩んでいる方に多く聞かれる質問に「まずは何から始めたらいいでしょう?」「どれくらいになったら始めてもいいものですか?」の2つがあります。


答えは、「あなた次第です!」と、「今でしょ!」と、いつもお答えさせていただいてます(笑)、

なにか新しいことを始めるときに、慎重になる気持ちはよくわかります。


始めることでなにか大変なことが起きたらどうしよう…

自分のこれまでの生活や常識がガラリと変わってしまったらどうしよう…

などと、いろんな不安があると思います。


残念ながら、何かを始めていきなりガラッと世界が変わる、ことはありません。新しく始めるにしても、最初は一つ一つ積み上げて、ある程度積み上げたタイミングで、ガラッと変わる。そんなものだと思います。


まずは「最初の一歩だ」と思うことを、「やってみよう」というタイミングで、「軽い気持ちでやってみる」ことだと思います。ファーストアクションを生み出せる方のみに、次のシーンが見えてくることでしょう。


4.「善意のドリームキラー」に惑わされない!


私が尊敬する方の受け売りコピーでもあるのですが、「善意のドリームキラー」は、周りにいないでしょうか?


「そんなことするの? 大変じゃない?」

「えー、今じゃなくて落ち着いてからでいいんじゃない?」

「別に、がんばらなくてもいいじゃない?」

「〇〇さん、失敗したらしいよ?やめておいたら?」


背中を押して、エールをくれて、あなたの躍進を心から応援してくれる。そんな方よりも、こうした「善意のドリームキラー」が世の中には多いと思います。


彼らの困ったところは、あなたを陥れたいのではなく、「心配してお節介でそういってくれている」ところです。だからこそ、あなたの心に響くものがあります。でもそれを聴きすぎてしまうと、惑わされてしまいます。往々にして、進歩の芽を刈り取ってしまいます。


身近な大事な方の声に耳を向けることももちろん大事です。でも、それを無視することも、大事なだと思います。善意のドリームキラー、お気をつけください。


5.こもる時期はひたすらこもる。


パラレルワークをしていると、疲れてくることがあります。

フリーランスとしてパラレルワークをする場合は、いろんなことに頭を回し、いろんなジャンルの方に会って話をすることが多いと思います。そんな時は、「パラレルワーカー=アクティブであるべし!」みたいな既定概念は捨てて、「ひたすらこもる」。そんな時間も大事です。


例えば、読書が好きな方は本をダンボールに詰め込んで山や湖などに、こもってひたすら読んでいた、という話を言いたこともあります。kindleのunlimitedを活用して、気になった本をひたすらダウンロードして家に閉じこもって読み続けていた、などなど。


私はクリエイターなので、自主制作をひたすら行います。WEBサイトを作ったり、自分のメディアを作ったり、名刺や営業資料を刷新したり。またはインプットのためにオンライン講座をとって仕事部屋にこもったりと。逆に、子供との時間を大切にしたい時期は、PCやスマホを置いてひたすら一緒に遊んだりと。


そういったメリハリをつけやすいのもこの働きかたの醍醐味。疲れた時は、思いっきりこもるのがオススメです。


6.出て行く時期は、あちらこちらへ!


反面、外に出て行きたくなるフェーズがあります。この時期は何を差し置いてもできるだけいろんな場所に出向き、いろんな方とつながっていくようにします。すると、事業に関わることもそうでないことも、どんどん広がっていくと思います。


私の場合は「外に行きたくなる時期」が3ヶ月に1度ほど訪れるのですが、外に行くと新しいお客さんや案件につながり、次の期間のお仕事に繋がっていくことが多いです。そのため、私はほとんど営業をしたことがなく、自然とみなさんと出会い、交流、おしゃべりをしていく中で人脈が広がってきました。その中で「今度、お仕事をお願いしたいのですが」と、お話をいただくケースがほとんどです。


また、人脈が広がるにつれ、制作仲間に出会うことも多くなります。例えば、私が対応できない制作をお客様から相談を受けた場合には、新しく知りあった制作仲間に相談をする、そんなシーンも多々あります。仕事が自然とうまく循環していくイメージでしょうか。


また、別ジャンルのお仕事・趣味をされている方と交流する中では、自分のこれからの身の振り方や事業プランにハッとさせられることもあります。もしかしたらこれら組み合わせて新しいことができるかも。自分って案外こういうこともやってみたいのかもなどなど。


こもる時はこもり、外に出て行きたくなった時には一気に人脈や知見を広めにいく。その繰り返しが「パラレルワーカー」を強くしていくのだと思います。



7.チームランス。仲間がいると、より楽しい。


「在宅フリーランス」と聞くと、自宅に引きこもってPCと向き合い、一日中誰とも口を聞かない、そんな孤独なイメージを持つ方も少なくありません。実際そのような働き方をされている方もいますが、そうではなく、「チームランス」というキーワードがひとつの答えです。


平たくいうと、フリーランスがチームを組んで活動すること。あくまでも「チーム」というのがポイントで、「会社」ではありません。「ユニット」でもありません。「チーム」というゆるさが、フリーランスとしての個人の活動を邪魔せず尊重し、その上で手を取り合う、適度なつながり感を表していると思います。


私は未経験から新ジャンルでフリーランスとして独立したので、当初は、「自分の市場価値のなさ」を予感しておりました。そのため足らない部分を補完し、困った時に相談できる先輩を求め、フリーランスチームには初めから所属していました。


私は未経験から新ジャンルでフリーランスとして独立したので、当初は、「自分の市場価値のなさ」を予感しておりました。そのため足らない部分を補完し、困った時に相談できる先輩を求め、フリーランスチームには初めから所属していました。


その1つが「育児中の働くをもっと面白く mamimu」です。

mamimu https://mamimuworks.org/

30人規模の異業種チームで、育児中フリーランスが集まるチームです。月1回オフラインで都合が会う人だけ集まることもありますが、基本的にやり取りはオンライン。お互いお仕事を依頼しあったり一緒に取り組んだり、勉強会をしたり情報交換をしたり、時に一緒に子連れワーケーションをしたり。コミュニティー的なチームです。


もう1つが「しゅふママクリエイターズ くりっこ」です。

くりっこ https://currico-mama.com/

こちらはデジハリ主婦ママクラスのクラスメイトを母体に発足したチームで、どちらかというと「制作チーム」の色が強く、デジハリを卒業し「在宅フリーランス」として働くことを志すみなさんと一緒に活動させていただいています。こちらでも一緒に仕事に取り組んだりと、一人では受けきれない仕事を一緒に対応しより納品物のクオリティーを高めていっています。


このように、フリーランスでも仲間を持つことは可能ですし、仲間ができると、幅広い仕事に対応できるようになるほか、刺激になることも多いのです。自分一人では行わなかったような活動をすることもできると思います。


より広い視野で、幅広く活動したい。しかし、会社みたいな結束感は嫌、という方はチームを組んで活動することもオススメです!


以上が私からのパラレルワークのおすすめポイント7点でした!

もし今後「在宅ワークをしてみたい…」「フリーランスになってみようかな…」「パラレルワーク始めてみようかな…」という方がいらっしゃいましたら、参考になると良いなと思います。素敵なあなたらしい働き方、ぜひ模索してみてくださいませ!


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