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トンボも知らないワーママが、デザインコンペに参加したときのお話

はじめまして。STUDIO横浜在校生の羽生未来です。

在校生という響きに懐かしさと少し恥ずかしさを覚えます。なぜなら、私は30代主婦であり、1児の母であり、フルタイムで働く会社員だからです。

そんな私は2018年10月に行われた学内コンペ「CREATIVE FOR THE EARTH」に参加してきました。そのときのことをお伝えします。

CREATIVE FOR THE EARTHとは

デジタルハリウッドと原子力発電環境整備機構NUMO共催の学内デザイン・映像コンペティションのことです。

テーマは「高レベル放射性廃棄物の処分問題」です。「高レベル放射性廃棄物」は「核のごみ」とも呼ばれています。その処分について考えることへの啓蒙活動の一環、またデザインによる課題解決という狙いのコンペティション。2016年にはじまり、今年で3回目です。


8月、私が応募したきっかけは偶然でした。たまたま学習に来ていたSTUDIOで、コンペの説明会がありました。休憩のつもりで参加したのですが、その内容は興味深く、気づけばメモをみっちりとっていました。とはいえ、育児、家事、仕事、勉強の両立さえままならない自分に、コンペの参加は到底できないことだと思っていました。一方、「デザインの業務経験のない自分に、なにか実績をつくるチャンスかもしれない…」という思いもありました。



その夜、夫に相談すると「やってみたらいいよ!」とひと言。背中を押してもらいました。 時間は限られているので、「1日だけ企画書を考える日にしよう」と決め、取り掛かりました。もともと企画を考えたり、絵を描くことが好きだったので、アイデア出しはとても楽しくできました。2時間で6本のアイデアを出し、そのうち2本を企画書に起こしました。 そして、応募して7日後。審査通過のお知らせをいただき、私以上に家族が喜んでくれました。

試練続きの制作期間

しかし、喜んでいたのも束の間、怒涛の制作期間が始まります。 そもそも受講2ヶ月目、トンボも知らない私がポスターデザインを始めたのです。これは予想以上に大きな挑戦でした。Illustrator、Photoshopの技術はもちろん、「デザインとはなんぞや?」、から学ばなくてはいけませんでした。そして時間を確保できない自分への苛立ち、焦りは募るばかりで、正直苦しいときもありました。

では、どうやって乗り越えたのか。それは、周りのサポートのおかげです。


Caption::ポスター制作指導中の飯田祥平トレーナー

文字や構図などデザイン的な点はもちろん、印刷の際のファイル設定など勉強することがたくさんです。


進捗確認やデザインチェックの打ち合わせは、平日にSTUDIO横浜に行けないため、職場や自宅からビデオ会議で柔軟に対応していただきました。

週末は、夫に娘を預け、STUDIO横浜に通いました。会社を休んで、籠もったこともありました。 受講の遅れに焦る私に、何度も「コンペ優先で大丈夫ですよ。なんとかなります!」と優しく励ましていただき、なんとかモチベーションを維持しました。

飯田祥平トレーナーには制作の進め方やデザインの基礎を、原八千代トレーナーにはDTPについて2年分の知識を2時間に凝縮して教えていただきました。”トンボ”についても、理解しました。ポスターの機能について考えることは新鮮な作業で、通勤時間もポスターや中吊り広告を見て試行錯誤の毎日でした。

Caption::元々絵を描くことが好きだったので、イラストは手描きでデザインしてillustratorでデジタル化しました。

動画視聴だけでは身に付けられない知識を、たくさん学ぶ機会をいただきました。 また提出サイズはA1、意外と大きなものです。色味や配置を確認するため、実寸で確認する作業が必要になります。都度、業者に発注するのは費用が嵩むので、A4サイズで何枚も出力し、裁断、貼り付けをし1枚に繋ぎ合わせました。 それは地道で時間のかかる作業です。

お休みの日にもかかわらず、スタッフの小牧雅未さんがお子さんを連れて、手伝いに来てくださいました。その姿に涙が出そうになりました。こんなに親身になってくれるスクールは他にあるでしょうか。

インターネット投票と結果発表

あっという間に9月は過ぎて、10月半ばに納品。 今回のコンペでは、当日の審査のほかに、事前にインターネットでの一般投票が行われました。学校に通っていることは多くの人には話していませんでしたが、想い切ってSNSで告知をしました。

Caption::作品名:少し先のミライへ

高レベル放射性廃棄物は、無害になるまで10万年の歳月が必要と言われています。日本と同じ課題を持つフィンランドでは、地層処分の施設着工までに40年かかりました。「10万年先」は遠すぎるけれど、「40年先」はぐっと近くに感じます。それは、こどもたちの担う社会です。課題を先送りしないために、今を知り、未来を想像することが大切だと考え、その想いを込めて制作しました。

すると、友人、家族、ママ友、国内外から応援のコメントをたくさんいただきました。ポスターを見て「核のごみの処分について考えてみようと思ったよ!」「勉強になった!」という感想も聞くことができました。自分の実績のためだけではなく、啓蒙に少し役立てた気がして嬉しかったです。


そして10月30日、いよいよ結果発表とプレゼン当日です。御茶ノ水にあるデジタルハリウッド大学で行われました。ここで、他の参加者と初めて顔を合わせました。福岡、京都、鳥取など全国各地から集まっており、起業している人、デジハリスタジオのスタッフ、写真が趣味の青年、広告代理店の電通社員など様々。緊張しているはずなのに、ワクワクした気持ちが強かったです。

Caption::Creative for Earth発表当日の様子

学長をはじめ、講師、取材陣、応援に駆けつけてくれたスタッフら、オーディエンスの前で作品について発表をしました。ポスター制作の私の持ち時間は30秒。ゴングが鳴り響き、一風変わった雰囲気の中、大勢の前で作品発表をすることなどなく、これもまたとても貴重な経験になりました。


結果はノミネート賞。大きな賞には及びませんでしたが、この2ヶ月はとても濃く、学んだ多くのことには変えられない体験をさせてもらいました。また運営スタッフや審査員の方から、「コンセプトと一番向き合っていた」「子育て世代には響くものがあった」とお言葉をいただき、評価してくださった人がいたことに感動しました。懇親会では、用意していた名刺30枚がすべてなくなりました。

同じ課題に取り組んだ仲間とは自然と打ち解け、話が尽きることはありませんでした。いまもSNSを通して交流があります。参加して、本当によかったです。 後日、手元には立派なトロフィーが届きました。名前の入った、キラキラしたトロフィーです。それを見ると、制作期間を、つい昨日のことのように思い出します。

苦くも良い思い出です。 最後になりましたが、 根気よく、あたたかく見守ってくださったSTUDIO横浜のスタッフのみなさん、 限られた時間に的確な指導をしてくださったトレーナーのみなさん、 本当にありがとうございました。 そして週末を制作時間に充てることを快諾してくれた夫、 「ママおべんきょ」と応援してくれた娘にも、感謝の気持ちでいっぱいです。

Caption:週末を制作時間に充てることを快諾してくれた夫、 「ママおべんきょ」と応援してくれた娘にも、感謝の気持ちでいっぱいです。

頑張る人を、全力で、そして家族のようにサポートしてくれるスタッフがSTUDIO横浜にはいます。

私は、彼らのサポートのおかげで、小さな実績と自信を作ることができました。 「ママにだって、仕事をしながらだって、できる!」ということが伝われば嬉しいです。 私自身、今後の働き方については、まだ模索中ですし、卒業できるのかも不安ですが(笑)もう少し挑戦を続けたいと思います。

感謝の気持ちを忘れずに。



注釈

トンボ=印刷物をデザインするときにしようされる裁断のマークのこと

ワーママ=ワーキングマザー、仕事をしているママのこと


羽生未来 

北海道生まれ。

フルタイムで働くワーキングマザー。

育休を経て仕事復帰するも働き方を変えたく、デジタルハリウッドSTUDIO横浜へ入学。趣味は旅、絵を描くこと。

instagramアカウント @miki.hny =================

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