これさえ読めば完璧!? 動画テロップのつくり方
ネット動画クリエイター専攻とWebデザイナー専攻のトレーナーをしているヒラヤマと申します。
簡単に自己紹介すると、かれこれ四半世紀近くの間フリーランスという立場で、ウェブ制作を中心にDTPや映像や写真などいろんなことをやっています。
さて、今回はネット動画クリエイター専攻のみなさんが苦労するテロップ制作について、前半はフォントの基礎知識を、そして後半は実際にテロップ制作をする際に気をつけるべきことを、例を挙げつつ解説していきます。
フォントの基礎知識
まずはフォントについて知らなきゃ選べない、使えない、ということで基礎的な知識を頭に入れておきましょう。
フォントの種類と用語
日本語フォントは「明朝体」「ゴシック体」「筆書体」「デザイン書体」などに分類でき、欧文フォントは「セリフ体」「サンセリフ体」「スクリプト体」「ディスプレイ体」に分類できます。
日本語フォントと欧文フォントは概ね、「明朝体」=「セリフ体」、「ゴシック体」=「サンセリフ体」、「筆書体」=「スクリプト体」、「デザイン書体」=「ディスプレイ体」と対応させることができます。
また、文字の線の太さのバリエーションのことを「ウェイト」、縦線と横線の差のことを「コントラスト」、文字の幅のバリエーションのことを「コンデンス」と呼び、同じ書体でこれらのバリエーション違いを集めたものを「ファミリー」と呼びます。
フォントの入手先
Adobe CCのサブスクリプション契約をしているなら「Adobe Fonts」、そうでなければ「Google Fonts」で探すことがお勧めです。
本格的に予算をかけられるなら「Morisawa Fonts」や「LETS」など年間5〜7万円程度のプロ向けサブスクリプション契約をすると良いでしょう。品質の高いものを利用するにはお金がかかるのです。
もちろん無料のフォントを使用しても良いですが、その際はライセンスなどをしっかり確認し、適切に利用しましょう。
フォントの選び方と使い方
いろいろなフォントを見て「かっこいい」「明るい」「堅苦しい」「楽しい」「高級」「都会的」「強そう」など受けた印象を言葉にしてある程度の分類を考えておくと良いと思います。他には「このフォントに声を当てるなら誰?」と考えてみるのもおすすめです。
こうした印象の蓄積は年数と量を重ねれば重ねるほど役立ちますしクリエイターとしての個性の基礎となっていきます。
そして、必ず制作内容に沿った印象のフォントを選ぶことをこころがけましょう。トータルなイメージとしてはどんなものを伝えたいのか、というところから考えていくと良いと思います。
フォントを縦長や横長などに変形せず利用することがクオリティを低下させない重要な要素です。フォントそのものが持っているバランスやデザイン性を崩さずに活用することを考えましょう。
またテキストを扱う際にはトラッキングやカーニングを調整して文字と文字のスペースが均等になるようにするなど細かいところにも気をつけましょう。Premiere Proなどの動画編集ソフトのテキスト編集機能を使うよりもIllustratorなどのデザインソフトを使用する方がクオリティは上がりやすいと思います。
動画テロップの作り方
これまでのフォントの基礎知識を踏まえた上、わかりやすく見やすいテロップの基本と実践について解説していきます。
色とサイズについて
背景映像が暗い場合は明るい色、背景映像が明るい場合は暗い色を選ぶなど、明暗差のコントラストを意識すると良いでしょう。また基本的には「白色+1色」で作ると読みやすくなることが多いと思います。
テレビやPC、スマホなど再生デバイスに応じて読みやすい文字の大きさを心がけましょう。また大切なテキストは大きくするなど大きさのコントラストにも気をつけるとわかりやすくなります。
また、場所など説明のためのテロップと演出効果として必要なテロップの役割の違いを意識し、使うフォントや大きさなどを工夫すると良いと思います。パッと見で重要度や役割が理解できるように意識しましょう。
テロップが読みづらいときは文字に境界線を入れるかベースを敷いて映像から浮き立つようにします。境界線を入れる際には「マイター結合」「ラウンド結合」「ベベル結合」から相応しいものを選ぶようにしますが、よほど狙った効果がない限り一般的には「ラウンド結合」にしておくと良いと思います。
表示位置について
セーフマージンに気をつけましょう。セーフマージンとは、元々ブラウン管時代のアナログテレビに表示させる際に画面の端が切れて表示できなくなったり歪んだりしたため、だいたいどんなテレビでも歪まず確実に表示させることができるラインを表したものです。
現在でもセーフマージン内に文字を配置すればYouTubeなどのシークバーに被らずに表示できるので意識することは重要だと思います。
内容とタイミングについて
「つくる」「作る」「創る」「造る」などといった表記揺れに気をつけましょう。わりと見落としがちなことですが、気をつけることでちょっとした読みづらさやわかりづらさを減らすことができます。
そして一般的に人間が1秒間に読める文字数は、日本語の場合3〜4文字程度ということを頭に入れておくことも重要です。読み終わる前にテロップが消えるとかなりストレスを感じます。
初見でもちゃんと読めるように気をつけると良いと思います。
また、出演者が話す内容とテロップのタイミングがズレたり内容が合ってないことなども見る人にとっては大きなストレスを感じるので、表示・非表示のタイミングにも気をつけましょう。
違和感に敏感になろう
さて、ここまでいろいろと書いてきましたが、一番重要なことは自分が作ったものを見直す際に些細な違和感に気づく目の解像度を高めることだと思います。
そしてその違和感を「なんか不自然」「なんか見づらい」「なんかわかりづらい」といった言葉にし、「なんか」の部分を掘り下げていくとだいたい答えがあります。そうしたモヤッとした違和感や不自然さにまずは気づけるようになること、その次に解決のための手段をたくさん知っておくことが重要だと思います。
できること、興味あることからで構わないので、ちょっとずつ実践してみてくださいね。
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