こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校スタッフです。
今回は2024年7月21日(日)に行われた、
UI/UXの基礎と違いを学ぼう!どんな仕事なの?キャリアを築く第一歩!
の様子をお届けいたします!
イベントに惜しくも参加できなかった方、UI/UXにご興味のある方は是非ご覧ください!
【目次】
▼講師の紹介
井上 一貴 氏
・人間中心設計専門家
・ 株式会社Byname 代表取締役
1万ページを超えるサイトリニューアルの経験や、クリエイティブを内製する組織で組織改革を経験。 コーポレートサイトやLPだけでなくWebアプリケーションなどWebの媒体を問わないノウハウと実績が強み。 2020年に人間中心設計専門家の資格を取得し、調査・分析から目に見えない領域のUXデザイン、目に見えるUIデザイン、ブランディングなどのアートディレクションを得意としています。
過去に日本航空、日経新聞社、日本ピザハット、東京ミッドタウン、富士電機など様々な企業のプロジェクトに参画し2022年のUXコンサルティングファームとして独立。
▼ 株式会社Byname とはどんなところ?
UXを起点とした デザインコンサルティングファーム ※1です!
調査、定量データ分析、定性データ分析、情報設計、UX設計、UIデザインなど、専門分野は多岐にわたります!
※1デザインコンサルティングファームとは?
クライアントの抱える多種多様な課題に対し、解決策を提供するサービスを行っている企業
▼デザインについて
【デザインの意味】
デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、"計画を記号に表す"という意味のラテン語designare
井上:
目に見えるものを「デザイン」と捉えがちですが、何かしらの 計画を形にすることが既にデザインである 、というのがデザインという言葉の意味です。しかし、昨今ではデザインの意味は色々な意味を含むようになりました。アウトプットをするだけでなく、 アウトプットするまでのプロセス、過程の考え方も含めてデザイン と捉えられています。
【デザインの工程】
ソフトの使い方を覚える ・・・ ツール(Photoshop,Figma)
↓
ヒアリングをする ・・・ 課題調査(なぜそれが作りたいのか?)
↓
設計をする ・・・ ワイヤーフレームを作る
↓
デザインを作る ・・・ スタイリングをする
↓
納品する ・・・ 提出して次の課題へ
【良いデザインを作るには】
井上:
デザインの意味は広がり続けています。
小さい価値観で捉えるのではなく、 本質 を捉えることが大切です。
言われたものを作るだけでは、アウトプットに質に差が出ません。
課題を解決するにはどうすれば良いか、 自分で考えるからアウトプットの質に違いが出る のです。
自分にセンスがあるか、ないかは二の次で、 「課題を解決する」という本質 を意識しましょう!
▼デザイン業界
デザインの種類について、大まかに4つに分けてくださいました!
・プロダクトデザイン
・グラフィックデザイン
・Webデザイン
・アプリケーションデザイン
井上:
この4つの中でアプリケーションデザイナーが圧倒的に不足しています。
160時間稼働で、 月100万円や 120万円 などの案件 も多く見られます。
今後Webデザイン系の仕事が減っていくと言われているので、アプリケーションデザイナーを目指して勉強をされてもいいかもしれないですね。
▼UI (User Interface) デザインについて
UIとは:
→Webサイトやアプリケーションを使用する際に見える画面の デザインやボタン配置のこと
UIデザインでは具体的に何を意識するのか、 3つの視点 とそれぞれの優先順位 についてお話してくださいました!
1. 操作しやすいか
・Web上やアプリケーション上でユーザーが操作しやすいようになっているか、ユーザーが誤操作 しないかなどの ユーザアビリティ の視点。
2. 再利用しやすいか
・最小限のパーツを使って開発工数を短縮すること。要件に応じてボタンの数を増やすのではなく
最小限のボタンで工夫する ことを 考える。そうすることで新しいWebページやアプリケーション
を作る時に、 再利用がしやすく、仕事を効率化することが出来る。
3. 見た目はいいか
・スタイルを一定にする。(色やフォントを使いすぎてないか意識する)
・トレンドに沿っているか。
・目に障害がある人にも使いやすいか、このようなアクセシビリティにフォーカスを当てすぎると
褐色の良い色が使えなかったり、小さい文字が使えなかったりと、デザインはダサくなる。
このような時にお互いに納得のできるデザインを考えられるのは、デザイナーだけ!
井上:
決められた体験フローや機能に応じて最適なUIを考えることがUIデザイナーの役割だと考えています!
グラフィックデザイン・UIデザイン・Webデザイン
【 グラフィックデザイン・UIデザイン・Webデザインは混同されがち】
グラフィックデザイン
・ファーストビューでどのような印象を与えることが出来るのか、 主に紙媒体 で伝えたいことをデ
ザインして表現すること。
UIデザイン
・ユーザーが直感的に操作できるような 操作性 などシステムと絡む。
Webデザイン
・グラフィックデザインとUIデザインが混り、 そこにWebの知識が加わった もの。ユーザーの端末 がPCの時の画面のサイズはどうなのか 、携帯の時の操作性等。
井上:
これらのデザインは明確に分けられるものではなく、相互的に作用し合っていることを意識しなければなりません。
▼UX (User eXperience) デザインについて
UXとは:
→Webサイトやアプリケーションを使ったときにユーザーが感じる、 使いやすさや、楽しさのこと
井上:
UXはしばしばユーザー体験として説明されます。料理にとってユーザー体験とは何ですか?という問いに対し て、10人いたら10人同じ答えになることは絶対ないですよね。 UXとは正解が存在しない分野 です。 答えがないものを形にするために考えることがUXデザイン です。
また、UXという言葉が出来てまだ35年しか経っていません。まだまだ発展の余地がある分野だと思います!
【UXデザインで1番大切な事】
井上:
ユーザーはなぜそれがしたいのか?それを考えるのがUXデザインで最も大切なことです。
例として洋服を買いにいくことで考えてみましょう。
あなたはなぜ服を買いに行きましたか?
・仕事に行くから
・結婚式に行くから
・友達と遊びに行くから
・デートがあるから
・学校に通うから
井上:
様々な要因があると思います。その起点が非常に大切です。結婚式に行きたいと考えている人に、Tシャツをススメても絶対買わないですよね?その人がなぜ服を買いたいのか、 なぜそれをしたいのかがUXデザインでは最も大切 な考え方 になります。
デザインの仕事ではこの考え方が抜けがちになります。例えば、「ユーザーにこの商品を買ってもらいたい」という依頼に対して、「分かりました、UXを考えてデザインします」と、応じるデザイナーが多いですが、
「なぜユーザーはその商品を購入したいのか?」と問われたときに答えられないことがあります。
ユーザーの意図を理解しなければ、彼らに何を伝え、どのような情報を提供すれば良いのかをデザ インすることはできません。
ユーザーの意図を考えること が、 良いUXデザインの基本 なのです。
・UXデザイナーの役割・仕事
井上:
「この要件に基づいてUXを考慮した画面を作って」という依頼はよくあります。駆け出しのデザイナーはそのまま指示に従いがちですが、まずは要件を疑うことが重要です。本当にその設計でユーザーが行動するかを考える必要があります。 人は基本的に面倒くさがり なので、 自分がユーザーとしてその行動を取らないなら、他の人も同じです 。複雑な設計に対して「ユーザーはきっと行動してくれるだろう」という期待は甘いのです。
UXデザイナーの役割 は、人々の行動とその目的を理解し、適切なタイミングで必要な情報を提供することです。
UXデザイナーの仕事 は、ユーザーの行動を観察し、使いやすいデザインを考え、それを効果的に形にすることです。
UXデザインで人の行動を作ることは出来ません。人の行動にデザインを当てにいくのです。
ですので日常の中で人の行動をよく観察して、人の行動を予測するスキルが必要になるのです。
まとめ
今回のイベントでは、井上一貴氏によるUI/UXデザインの基礎やキャリア形成に関する貴重なお話を伺いました。デザインの本質や工程、良いデザインの作り方、デザイン業界の現状、UI/UXデザインの重要性など、多岐にわたる内容が紹介されました。
特に、デザインは単なる見た目だけでなく、 ユーザーの行動や目的を理解し、適切な情報を提供する プロセス全体を含むという考え方が強調されました。
これからUI/UXデザインの分野でキャリアを築こうとする方にとって、多くのヒントやインスピレーションを得られる内容だったと思います。参加できなかった方や興味のある方は、ぜひこの内容を参考にしてみてください。
次回のイベントもお楽しみに!