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【密着】デジタルハリウッド東京本校(3DCGコース、デザインコース)入学オリエンテーション

2025-04-13

こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校スタッフです。
4月5日(土)に 『入学オリエンテーション』 が行われました。



2025年4月生はCGコースとデザインコースあわせて205名の新入生を迎え、期待と少しの緊張が入り混じる空気の中、新たな一歩を踏み出されました。
オリエンテーションでは、学び方やスケジュールなどについての説明があり、これから一緒に学んでいく仲間とも顔を合わせ、学びへのイメージが膨らんでいったのではないでしょうか。
また、学長からは新入生の皆さんへ向けた温かいエールが送られましたのでご紹介します。

(こちらのメッセージは大学、大学院の方々も含めたデジタルハリウッド全体の新入生向けとなっております。)

杉山知之学長からのメッセージ

皆さん、ご入学おめでとうございます。

デジタルハリウッドは皆さんを心から歓迎します。

そして留学生の皆さん、日本を、そしてデジタルハリウッド大学を選んでくれて、ありがとう。 


今日は昔話から始めさせてください。

1987年、僕は33歳で、マサチューセッツ工科大学のMedia Labに客員研究員として赴任しました。その経験がなければ、デジタルハリウッドを設立することはなかったのです。 


さて、1988年、Media Labに赴任して半年が経ち、大学院生たちとも打ち解けた頃、僕は彼らになぜMITに来たのかという質問をしました。口々に出たのは、日本のテレビアニメがきっかけということでした。一番多く挙がったアニメは、タツノコプロ制作の「マッハGoGoGo」でした。主人公三船剛がドライブする奇抜なメカ満載のマッハ号が、世界をまたにかけてレースを繰り広げるストーリーです。子供心に、このアニメのメカニックに深く感動して機械工学を志し、MITに来たというのです。MITでは、マイノリティの白人女性の院生たちは「魔法使いサリー」を挙げました。コンピューターサイエンスで魔法を現実にできるというのです。僕はとても感動しました。これは、僕と同世代の日本のロボット工学の教授たちが、小学生のとき「鉄腕アトム」を見て、将来、アトムを作るぞ!と心に誓ったのと全く同じだったからです。このとき、単なるエンタテインメントに終わらないアニメの力を初めて意識しました。僕がコンテンツ産業の未来を強く意識した瞬間でした。


皆さんは、世界的な芸術家の村上隆さんをご存知と思います。彼はミケランジェロのように大勢の職能人を抱えて、現代アートの最前線に向けて作品を作り続けています。彼の工房、カイカイキキには何人もの卒業生が働いているので、彼の作品だけでなく、彼の発言にも注目してきました。村上さんは、日本の漫画・アニメ・ゲームは100年後には、アートとして世界に認められていると昔から発言しています。僕も全く同感です。20世紀から始まった新しい表現形態なので、これらがアートとして認められるには時間がかかります。しかし、欧米の大学で、漫画やアニメの研究者は増えていますし、大学の講座も見られるようになってきました。


そんな折、2020年からの新型コロナウィルスによる3年にも渡るパンデミックが起きたのです。我々人類は命を守るため家に立てこもるしかなかった。リモートワークが一気に世界中に広がりましたが、家で過ごす時間には十分に余裕がある。その時間を全世界の人々が、NetflixやAmazon Prime などの視聴に費やした。そこでじっくりと鑑賞されたのが日本のアニメだったのです。パンデミック前でも世界には数億人のアニメオタクがいましたが、これまでアニメを観ていなかった人たちもパンデミック期間中にアニメの魅力にはまったのです。そのことによってアニメの見方が身に付き、その奥深さが分かるようになったのです。アニメが分かるようになると漫画も読めるようになります。本が売れず、多くの本屋が姿を消しているのはアメリカでも同じですが、漫画本が驚異的に売れ出し、本屋は活気づいているのです。日本のコンテンツ産業にとって歴史的な変革が起きたのです。

パンデミック期間中にアニメから火がついて、漫画が驚異的に売れ出し、それがゲームやフィギュアやキャラクターライセンス商品にも及んでいるのです。子供からシニアまで巻き込んだ大きな流れは、そのままインバウンド需要の増加となり、多くの海外旅行者が、観光地だけでなく、アニメの聖地を訪れています。


2030年代には、日本のコンテンツ産業は海外で20兆円以上を稼ぐようになり、自動車産業の輸出額の3倍ぐらいになります。つまり、コンテンツ産業は日本最大の産業になるということです。日本の高校の先生をはじめ、多くの教育者はこのことに気づいていません。 皆さんミレニアム世代にとって、コンテンツ産業は、もはやサブカルチャーではありません。人類社会の未来を駆動するメインカルチャーなのです。そのメインカルチャーを創っていくのが皆さんなのです。


そして、ついに高度な人工知能を日常的に使う世の中が来ました。使い方を誤れば人類消滅に繋がりかねないテクノロジーです。そこでChatGPTのような大規模言語モデルには、厳しい倫理規定が課せられています。暴力や差別など、様々な人間特有の事柄が排除されています。ホワイトウォッシュとも言えるでしょう。しかしながら、皆さんのようなクリエイターは、ときにモラルを大きく超えたところからインスピレーションを得て作品を制作するものです。だからAIを恐れることはありません。AIを助手として、クリエイティビティを爆発させてください。


では、人工知能が人類社会にもたらすことは何でしょうか? 1989年6月6日、MIT Media Lab 主催で、「Entertainment in the Next Millennium」という大きなシンポジウムがありました。LEGOブロックのLEGO社がスポンサーでした。次の1000年のエンタテインメントを議論する、なんてとてつもないことだと僕は思いました。シンポジウムが終わって、研究所の廊下で、人工知能の父のひとりMarvin Minsky 教授と立ち話をしました。僕は「1000年先って想像できないです」と言うと、教授は、間髪入れずに「だって、人間は生まれてから死ぬまで、エンタテインメントしかやることなくなるだろ」と言って去って行きました。僕はすぐに悟りました。人工知能が高度に発達した世界では、人間社会を維持するためのあらゆることは人工知能が行うことになります。私たち人間が追求することは、芸術も科学も哲学も全てのことがエンタテインメントとなる世界へ向かうのです。このことから、デジタルハリウッド大学のモットーが決まったのです。


Entertainment. It’s everything.
すべてをエンタテインメントにせよ!


心に刻んでいただければ幸いです。


さて、今日はただの入学式ではありません。この後、 Digital Frontier Grand Prix があります。デジタルハリウッドには、大学・大学院だけでなく、スクールや全国40校のSTUDIO、テック系起業家養成のG’s Academy、さらに多くの提携校があります。1年間で制作される卒業制作は2,000にもなるのです。様々な専門性を持つ社会人の作品と学生の作品が、同じ場で審査されます。その中から各部門のトップを決めて発表するのが、Digital Frontier Grand Prix です。審査員は業界で活躍する卒業生で構成されています。今晩これから観ていただく受賞作品をぜひベンチマークとしてください。Digital Frontier Grand Prix の舞台に立つことも、皆さんの目標のひとつとして、これからのキャンパスライフを送っていただきたいと思います。


それでは、今一度、ご入学おめでとう!

入学オリエンテーションの様子




これから始まる日々は、きっと新しい発見や出会いの連続かと思います。

楽しいことはもちろん、大変なことにも直面するかもしれませんが、試行錯誤しながら過ごす1年が、きっと皆さんにとってかけがえのない時間になるはずです。


改めまして、新入生の皆さん、ようこそデジタルハリウッド東京本校へ!
これから一緒に、充実した1年をつくっていきましょう。


受講生の活躍をブログにて更新していきますので、少しでも興味のある方は、ぜひ他の記事もご覧ください。



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