MAPPA制作作品から紐解く作画と融合するCGの作り方
デジタルハリウッド東京本校(リアル会場)とデジタルハリウッド大阪本校(サテライト会場)にて株式会社MAPPA 取締役 淡輪氏と、 デジタルハリウッド大阪本校 の卒業生でもある池田氏によるセミナーを開催。作画CGならではの 制作裏話 や 『進撃の巨人 The Final Season』『チェンソーマン』『ゾンビランドサガ』 などのメイキングについてお話していただきました!
【目次】
▼株式会社MAPPAについて
2011年設立のアニメーションスタジオ。テレビアニメを中心に、映画、CM、Webムービー等、ジャンルにとらわれない様々な映像作品の企画・制作を行っている。自社で権利を保有するIPの窓口権を運用し、国内外でのライツ事業も展開。代表作は、『呪術廻戦』『「進撃の巨人」The Final Season』『チェンソーマン』ほか。
▼登壇者の紹介
株式会社MAPPA
取締役 / CGI部部長 / プロデューサー
淡輪 雄介/Tannawa Yusuke 氏
株式会社MAPPA
CGI部 3DCGモデルディレクター
デジタルハリウッド大阪本校 卒業生
池田 昴/Ikeda Subaru氏
▼CGと作画の使い分け
作画メインの作品であることを前提 に、CGと作画が同じ画面内で映ったときに、CGが映像内で異物にならないように気をつけているのだとか。見た目、動きともに作画に馴染むような見え方を意識しつつ、 それぞれの長所を生かし短所を補うような使い分け をしているそうです。
例えば車などの形を崩したくないものや、四足動物や群衆、ダンスなど動きの情報量が多く作画崩れしやすいものはCGを使い、物体が千切れる等の形状が変化するものに関してはCGでは表現しきれない部分があるので作画を使っているそうです。
▼『進撃の巨人 The Final Season』制作裏話
エレン超大型巨人Ver.は4種類のテクスチャを使用している!
距離が遠いカットで線が多いテクスチャを使うと、線が密集しすぎて手で描いた線のように見えないため、より自然にみせるために距離に応じた4種類のテクスチャを切り替えて使っていたそうです!
ものによっては角度毎、もしくはカット専用のテクスチャをつくったり、モデルそのものをつくったりしているそうです。
『作画と融合するCG』
とはこういうことですね!
▼OBクロストーク
池田氏『芸術大学で実写映像を学んでいましたが、大学3年生のときに某アニメを見て3DCGに興味を持ち、バイトでお金を貯め、大学に通いながらデジタルハリウッド専門スクールに行くことを決意しました。今ではネットに教材がたくさんありますが、当時は日本語のチュートリアルが多くなかったため独学が難しく、大学でも学べる環境が整っていませんでした。独学とスクール両方で学び、スクールを卒業した後、大学4年生の就活のタイミングでMAPPAにポートフォリオを送りました。』
1年という限られた時間のなかで、 集中して学ばれたのですね…!
▼MAPPA CGI部が求めるクリエイター像とは
CGが好きな人に来てほしい!
CGが好きな人は、
自発的な学習で知識を取り入れつつ提案もしてくれる
ので、社内で知識の共有ができるからだそうです。アニメ、映像、3DCGの専門用語など、
幅広い分野の知識
を身につけておくと、現場に入った後にスムーズに動けそうですね!
▼質疑応答コーナー
-
-
MAPPAに入るためになにに注力しましたか?
-
MAPPAに入るためになにかをしたわけではないが、成果物をたくさん作り、良い作品をポートフォリオにまとめて見てもらえるようにしておくことが大事。
-
-
-
どのようなポートフォリオに惹かれますか?
-
なにがやりたいかが明確にわかるものが良い。作品自体のクオリティがそこまで高くなくても、モデラーなどの職種の理解度が高いところや、やりたいことが見えるポートフォリオが良い。模写モデルが入っていると、再現性があって良い。自分がいいと思った作品はとりあえず模写したほうがいい!
-
▼イベントの様子
▼まとめ
いかがだったでしょうか!
今回は株式会社MAPPAで活躍されている淡輪氏と池田氏に、『進撃の巨人 The Final Season』や『チェンソーマン』『ゾンビランドサガ』のメイキングやMAPPAについての貴重なお話をしていただきました!MAPPA制作のアニメが3DCGを学ぶきっかけになった方も多いのではないでしょうか? 3DCGを学ばれている方や興味がある方 、是非今回のお話から得た知識を吸収し、 たくさん作品を作っていきましょう!
CG/VFXに興味がある方へ役立つ情報をこれからも発信したいと思います!