ゴジラ 70 周年記念映画『ゴジラ-1.0』 VFX メイキング セミナー
デジタルハリウッド東京本校では、ゴジラ生誕70周年を記念するゴジラシリーズ最新作である『ゴジラ-1.0』のメイキングセミナーを開催しました!
今回は、『ゴジラ-1.0』に Senior Computer Graphics Artist として参加された植木氏とCompositorの松元氏に、 映画がどのように作られているか 、 今作の魅力や演出のこだわり、 また 、 『ゴジラ-1.0』 の 制作の裏話 などもお話してくださいましたのでご紹介いたします!
▼作品概要
焦土と化した日本に、突如現れたゴジラ。残された名もなき人々に、生きて抗う術はあるのか。ゴジラ70周年記念作品となる本作『ゴジラ-1.0』で監督・脚本・ VFX を務めるのは、山崎 貴。絶望の象徴が、いま令和に甦る。敷島浩一役を神木隆之介、そして大石典子役を浜辺 美波が演じます。さらに、山田裕貴・青木崇高・吉岡秀隆・安藤サクラ・佐々木蔵之介といった豪華キャストが出演!
【作品概要】
タイトル :『ゴジラ-1.0』
監督・脚本・ VFX :山崎貴
キャスト:神木隆之介、浜辺美波 、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介
配給:東宝
コピーライト:©2023 TOHO CO., LTD.
ゴジラ-1.0公式サイト
https://godzilla-movie2023.toho.co.jp/
▼登壇者の紹介
株式会社白組
Senior Computer Graphics Artist
植木 孝行/Takayuki Ueki 氏
1982年生まれ。広島県出身。2004年白組入社
CM、博展映像、ゲームムービー、TVドラマ、劇場用映画などの映像制作に多数参加
【制作実績】
「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ (05)(07)(12)
「永遠の0」(13)
「寄生獣」(14)「寄生獣・完結編」(15)
「海賊とよばれた男」(16)
「DESTINY 鎌倉 ものがたり」(17)
「劇場版 コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命」(18)
「アルキメデスの大戦」(19)
「ゴーストブック おばけずかん」(22)
「ゴジラ -1.0」(23)
「ゴジラ・ザ・ライド」(21)
「ウルトラマン・ザ・ライド」(23)
etc.
株式会社白組
Compositor / Compositing Lead
松元 遼/Ryo Matsumoto 氏
埼玉県出身。サンフランシスコ州立大学映画学部卒業。
米国映像制作会社/国内VFXスタジオを経て2020年白組入社。
劇場用映画、ドラマ、CMなど様々な映像制作に参加している。
【制作実績】
「ジョーカーゲーム」(14)
「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」(15)
「バクマン」(15)
「ギャラクシー街道」(15)
「高台家の人々」(16)
「DESTINY 鎌倉ものがたり」(17)
「アルキメデスの大戦」(19)
「STAND BY ME ドラえもん 2」(20)
「シン・ウルトラマン」(22)
「ゴーストブック おばけずかん」(22)
「ゴジラ-1.0」(23)
etc.
▼3DCGとコンポジターを分業している!?
『ゴジラ-1.0』の制作で 3DCG (植木さん)と コンポジット (松元さん)に分かれて映像を作っていたそうで、その理由についてお話しいただきました。
良い点
・3DCGやコンポジットの結果をお互いに客観的に見て判断することが出来る。
・お互いに責任感が生まれて仕事が丁寧になる。
▼『ゴジラ-1.0』制作の裏話
映画をもっと楽しめる! 『ゴジラ-1.0』 のワンシーンの 制作の裏話 を教えてくださいました!
破壊された銀座
建物破壊されて出る煙はエフェクトではなく、なんと 実写の煙 を合成しているんだそうです!
合成したとは思えない自然でリアルな映像に圧倒されてしまいます。
電車の中の天井
作中で出てくる電車セットは照明をあてるため天井がなく、車内は実際ではありえないような 光の照り返し をしていたので、コンポジットで 明るさを調整 していたようです!
私達が違和感がなく見れていたシーンはこのような細部まで行き届いたこだわりがあってこそだったんですね!
水中のカット
ゴジラが水中を泳ぐシーン、ゴジラが深さ1500m位まで沈んいるシーンがありますが、実際なら水深100m位の深さで真っ暗になってしまい、 何も見えない そうです!なのでゴジラでは「1500mほど沈んいるシーンでも見えるように 明るさで嘘をついている! 」と笑いながらお話していただきました。
▼学生のうちにやっておくべきこと!
プロとして最前線で働く植木さん、松元さんより学生の時にやっておくべき事について教えて下さいました。
・難しい作品を作る
「自分が作れる範囲の作品を作らない!」 とおっしゃられていて、とにかく今の 自分では作れないような作品 を目指して作ることが非常に大切であり、成長に繋がるとお話しくださいました。
・何事も自分でやってみる
ジェネラリストを目指している方は特に全てのワークフローを把握するために全ての工程を自分でやってみることが大切で、ジェネラリスト以外を目指している方も必ず 自分で作品を完成 させることがとても大切であるとお話しくださいました。
・チ ームで制作をして欲しい
仕事をする際に必ず チームで制作 をすることになるそうで、学生の時にチームで制作する経験を積んでほしいとのことでした!「まず、 上手くいかない 」と笑いながらおっしゃていて、チーム制作での失敗経験をたくさん積んで、どうすれば上手くいくのか、コミュニケーションの方法などを学ぶべきだとお話ししてくださいました。
▼質疑応答コーナー
Q. 植木さん、松元さんは、学生時代から撮影や映像創りをしていましたか?
A. 植木さん→あまり遊ばずに、自宅で寝ている以外はCGを作っていた。
プロ野球選手は10年もの時間を本気で野球に費やす。 CG は2年間 本気で取り組めばプロになれる。
A.松元さん→自分で素材を撮影して、VFXを取り入れていた。
コンポジターは実写のように表現する仕事であるため、とにかく自分でたくさん撮影をして研究をするべき。
▼個別の質問コーナー
植木さんと松元さんに直接、個別で質問が出来る貴重なコーナーもありました!
▼まとめ
いかがだったでしょうか!
今回はCG/VFXの業界でプロとして活躍されている植木孝行さん、松元遼さんに、映画の製作の過程や、『ゴジラ-1.0』の 制作の裏話 など普段は聞くことのできない 貴重なお話 をしていただきました!
CG/VFXを学ばれている方、映像業界に進みたい方、株式会社白組さんに就職したい方にはとても興味深く有益なお話だったと思います!!
CG/VFXに興味がある方へ役立つ情報をこれからも発信したいと思います!