こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校スタッフです。
伊東ケイスケさんVRアニメーション『Sen』が ルミエール・ジャパン・アワード2023でグランプリを受賞 されました。
この記事では伊東ケイスケさんの受賞作品とルミエール・ジャパン・アワード2023とはどんな賞なのか、どんな作品が求められているのかについて解説していきます。
伊東ケイスケさんのプロフィールや作品をご紹介します!
プロフィール
VRアニメーション監督,XRクリエイター
1986年生まれ。多摩美術⼤学グラフィックデザイン学科卒業。メーカーのグラフィックデザイナーを経て、現在はXRアーティストとして活動する。これまでにヴェネチア国際映画祭やカンヌ国際映画祭、世界最大のCGの祭典SIGGRAPHなどで上映を行ってきた。ヴェネチア国際映画祭のVR部門では2020年より自身が監督を務めるVRアニメーション作品で3年連続ノミネート。
先進映像協会 ルミエール・ジャパン・アワードとは
先進映像協会 ルミエール・ジャパン・アワード(Lumiere Japan)とは、AIS-J による表彰活動です。
ルミエール・ジャパン・アワードの目的
日本国内での上映や放送などの利活用を目的に制作された3D(立体)映像作品を広く募集し、特に優れた作品を表彰し、その結果を公開することで、 日本における良質な3Dコンテンツの拡大と品質向上を図ることを目的としています。
先進映像協会ルミエール・ジャパン・アワード2023を開催は今年で13回目となります。
受賞作品のご紹介
「Sen」
●制作年
2023年
●長さ
約15分
●あらすじ
この作品は日本の伝統文化である「茶道」をベースにしています。体験者は、日本の茶室に身を置き、黒樂茶碗『万代屋黒』を両手に持って日本の伝統世界を体験します。体験者は薄暗い茶室の中、自分の手の中の茶碗から生まれるお茶の精霊"Sen“を通して、自分と世界との関わりを知ります。最初は恐る恐る世界を知っていく“Sen“ですが、様々な存在に関わることによって、自分が存在することの喜びを知ります。美しい世界が目まぐるしく変わる中、“Sen“は自分たち以外に、同じような存在がこの世界に存在していることに気づきます。他の存在との繋がりや、関わりが心地よく、自己中心的に目の前の存在と関わることばかりを考えるようになります。そんなある日、突然自分の心地の良い世界が大火によって全て消失してしまいます。何もかも失ってしまった”Sen”は茶碗の中に落ち、自分の存在が宇宙の中で粒子となり溶けてしまいます。“Sen”と体験者は、この世界の生きとし生きるものあらゆる存在と自分は共にあるということに気づいた時、自分の存在が、茶室に戻っていることに気づきます。そしてまた何気ない日常が始まります。
●作品に込めた想い
私は日本の伝統文化である「茶道」をベースに、XRを通して自己を深く見つめる体験を作りたいと考えました。
Senとは、とても大きな数、無限を表しています。
私は、私たち地球上の生命体は、無限の宇宙に溶ける粒子のような淡い存在であり、心臓の鼓動を与えられて存在しているのではないかと考えるようになりました。
この物語で体験者は、両手で持ったChawan Deviceからこの世に生まれ落ちた、お茶の化身「Sen」と出会います。
彼は生まれてはじめて、自然や他者に出会い、関わり合います。
生きる楽しみ、そして多くの苦しみを味わいます。
そんな彼の「生」は、わたしたちとなにもかわりはありません。
彼はあなた自身です。
両手から伝わるChawanのあたたかな感触と鼓動のぬくもりとともに、他者との繋がりを体験してください。
そして、深い闇の中で、あなた自身の「生」を見つめてください。
ルミエール・ジャパン・アワードではどんな作品が求められているのか。
3Dによる効果的な表現や技術的な挑戦がなされているか?
そこから
「機能性」「作品制」
の観点から3Dにより増進する芸術性があるがどうか見ていきます。
その他の観点として重要視されていくのが「 安全性」 と 「快適性」 です。
この2点から 「過度の負担がかかっていないか?」「十分な立体感が得られているか」 という部分を吟味しています。
上記に加え、3Dに適した対象や主題が設定されているか?という 「必然性」 これは3Dで表現する必要性を重視しており、市場への波及効果とインパクトがあるかという 「市場性」 があるかということも審査対象になってきます。
まとめ
今回の受賞された作品もとても素敵な作品ですね、、!
ルミエール・ジャパン・アワード2023でグランプリの受賞おめでとうございます。
これからも伊東ケイスケさんの作品も楽しみですね!