こんにちは!
デジタルハリウッド東京本校です。
今回は2021年4月より新しく開講した3DCGのコースを卒業された四方田寛太さんにお話を伺いました。
▼卒業生紹介
四方田 寛太さん
本科CG/VFX専攻新スタイルクラス 22年3月卒業
法政大学理系出身
実写系CG制作会社へ就職
▼この記事の目次
▼CGとの出会い
ーー四方田さんとCGとの出会いはいつだったのでしょうか。
小学生の時です。暇だなと思ってテレビをつけたら、当時偶然放映されていた映画「アイアンマン」を見て、衝撃を受けたのを覚えています。CGという技術を知らなかったので、 アイアンマンは実際に撮影されたもので実物があるものだと思っていました 。それがきっかけで、「CG」という技術を知りました。小さい頃から工作や、絵を描いたりすることが大好きで、CGにもとても興味を引かれましたが、幼かったこともあり作ろうという発想にまでは至らなかったです。しかし、中学、高校と進む中でもずっと頭の片隅に 「CGを作ってみたいな」 という思いはありました。
――そうだったのですね。そこから大学を経てデジタルハリウッドに入学いただいたわけですが、あこがれていたCGをやろうと思ったきっかけは何だったのでしょうか。
きっかけは就職活動です。大学生活後半で周りの人たちが就活を始めだす頃で、自分もなんとなく就活を始めてみたのですが、どうも気持ちが乗らなくて。一旦落ち着いて、 自分の本当にやりたいこと、ワクワクすることは何だろう と考えてみたんです。その時にあの瞬間、アイアンマン を見た瞬間の衝撃が蘇ってきました。 ああ、自分もあんな作品を作りたい。 と思いました。
そこからはもう完全に勢いでしたね。あまり後先は考えず、とりあえずノリでパソコン買ってしまいました(笑)CGソフトをダウンロードし、ネットや本でやり方を調べながら手探りで学習を始めました。
▼デジタルハリウッドを選んだ理由
ーー四方田さんがCGを始められたのは大学4年生の夏前くらいかと思いますが、就職活動も並行して行っていたのですか。
いえ。
完全に就職活動はやめていました。
就職活動を一切やめてCGを始めたという感じです。今振り返ると、結構危ないことしていたなと思います(笑)
この道しかない!
という感じで、そのあとのことについては考えていなかったです。
ーーなるほど。そんな経緯があったのですね。就職活動を一度やめるということ、また、デジタルハリウッドに再進学ということで周りの人(大学の同級生)と比べたときに就職が1年遅れることになりますが、その部分に対しての不安はありましたか。
友人のほとんどは就職なので、そこに対しての 不安や焦りというものはありました。 だから最初は、学校に通うのでなく独学での習得を想定していました。通うとしても、自分の中で専門学校や社会人スクールは「2年間」のイメージがあって、周りと2年も差がついてしまうのは嫌だなと思い、学校に通うことは選択肢になかったです。とはいえ、完全初心者の独学だと何度も壁に当たるし、聞きたいことも聞ける人がいないし、限界を感じかけていました。
そんなときに目に入ったのがデジタルハリウッドのバナー広告でした。そこには
「1年でプロになる」
というキャッチコピーがあって、これはもう完全に広告の思うつぼだとおもうのですが、
「えっ1年でいいんですか!?」
と思って(笑)そこからデジタルハリウッドのホームページを見たり説明会に参加してみて、
すごく密度の濃い1年間なんだなと感じて納得できたので入学を決めました。
▼CG制作の原点
ーー説明会の際に四方田さんといろいろなお話をさせていただきましたが中でも覚えているのが、大学在学時代に制作したというご自身の大学を題材にしたロボット作品なのですが、あの作品はCGを始めてどれくらいの期間で制作されたのでしょうか。
初めて触ったソフトが、無料のCGソフト「Blender」だったのですが、それを触り始めてから3ヶ月くらいで作った作品です。
CGの道を目指すことは自分の中でも大きな決断だったと思います。 不安もありましたが、両親や周りの人に決意を見せるというか、
「本気で目指しているよ」
ということを、作品を通して伝えたいなという思いもあり、ちょうど在籍していた大学で開催されていたコンテストで入賞することを目標に制作しました。
ーー間違いなくこの作品がCGクリエイターとしての原点となる作品かと思いますがかなり短期間で制作されたのですね。
そうですね、間違いなくそうです。制作期間中は寝ることと食べること以外はずっとパソコンいじっていた記憶があります。本当に大変でしたが、なんとか形にできてよかったし、コンテストでも映像部門で優勝することができました。
この作品がなかったら今の自分は無いと言えるくらい、本当に思い出の作品です。
▼四方田さんが大学生時代に制作した、原点となる作品
法政大学に巨大ロボット出現!?「出撃、法政ロボ」
▼受講中の生活について
ーー四方田さんは再進学という形での入学ですが、1日にどれくらい勉強の時間を取っていましたか。
ずっと、ですね(笑)
この1年間、家の中にいるときは基本ずっとPCの前に座っていました。
外に出かけた時も時間ができたらすぐ御茶ノ水の校舎に向かうようにしていました。
僕の場合は特に時間を決めずCGを触り続けていましたが、同じクラスには時間を決めて効率的に勉強する方もいました。もちろん人それぞれ学び方に合う、合わないがあると思うので
自分に適した方法を見つけられるのが一番
だと思います。
僕の
「ずっと」
はあまりお勧めできませんが、楽しかったです(笑)
▼就職活動について
ーー四方田さんは在学中の企業インターンで内定が決まったかと思いますが、何をきっかけにインターンに応募したのでしょうか。
一つは、
可能であれば卒業と同時に4月から働き始めたいという思いがあったためです。
通常、卒業制作をポートフォリオに入れたうえで就活する人がほとんどなので、卒業後すぐ働き始めるという方は少ない印象があります。
もう一つは 力試し的な意味です。
自分の今のスキルを業界でどれくらい評価してもらえるのかを知りたくて、とりあえず一社だけ受けてみようと応募しました。
ーーインターン中はどのような作業をされていたのでしょうか。
僕が参加させていただいたインターンは、会社が進めているプロジェクトに参加する形ではなく、トレーニングとして一人で一つの作品を完成させるということをやらせてもらいました。
CG業界で実際に活躍しているクリエイターの方々に直接ご指導いただけたので、本当に刺激になりました。
▼中間課題作品(入学して6か月目の作品)
缶ジュースが踊り出す!「LASコーラ」CM
▼今後について
ーーこの春からいよいよプロのCGクリエイターとして働き始めることになりますが、今後の目標について教えてください。
自分はCGを始めたときに一人のアーティストとして活動すると決めて 「Compass(コンパス)」 というクリエイターネームで活動を始めました。
ありがたいことに、インターンでお世話になった実写映画のCG制作会社に内定をいただきましたので、そこでたくさんの経験を積ませていただいて実力を磨いていくことが直近の目標ではあります。
ゆくゆくは一人のクリエイターとして、
自分が思い描いた作品を自由自在に形にできるアーティストになりたいと思っています。
「Compass」として活動を始めたときのコンセプトは、人の頭の中にある目には見えない想像や空想を、映像によって可視化する、というものだったので、それを実現して、
いつの日かその作品が海を渡って、いろんな人に見てもらえるようになったらそれはもう本望ですね。
ーー既に内定先の企業で大きな商業作品にも携わっている四方田さんですが、これから本格的にプロのCGクリエイターとしての作品作りが始まります。これまでの作品作りと何か心境の変化はありますか。
今までは自主制作で好きに作っていたものが、クライアントさんがいて、劇場の画面の前にはお客さんがいて、というものに変わります。もちろん自主制作も真剣に取り組んできましたが、今まで以上に妥協は許されないなと改めて感じています。実際に内定先での作業でも、自分の納得するクオリティまで仕上げたうえで、 さらにその一歩先のクオリティを求められます。
とても大変ですが 、 自分が今まで求めてきたクオリティのさらに向こう側を覗けるのはとても楽しいです。
▼一年間の集大成!卒業制作!
終わり始めた世界
▼CGを学んでいる人、学ぼうか悩んでいる人へ
CGは多くの人が興味を持つものだと思うし、メディアであふれている現代だからこそ憧れる人は多いと思います。
当たり前ですが、観ている僕らがすごいと思うものは、プロの方たちが一生懸命努力してたくさんの時間をかけて制作したものです。
しかし、いざ制作を始めるとその前提が頭から抜けて、自分の未熟さや壁にあたって嫌になる瞬間がきっと来ると思います。でも最前線で活躍する人たちもそんな瞬間を乗り越えてきたからこそ、今があるんだと思います。
行き詰まった時にはぜひ、自分がCGに初めて衝撃を受けたその瞬間思い出すようにして欲しいです。
僕は、冒頭でもお話ししたアイアンマンをテレビで初めて観た瞬間の衝撃と、興奮と、景色を今でも鮮明に覚えています。
あの瞬間は何物にも代えがたく、今後も頭から離れることはないと思います。あの瞬間を思い出すと、どうしてCGをやりたいと思ったのか、それはあの興奮と景色を自分の手で再現したいからだと、もう一度思い出させてくれるんです。
辛いときには是非、自分を突き動かしてくれた、希望に満ちたその瞬間を思い出して欲しいです。
何よりも大事なことは、楽しむことですね。
ーー四方田さんの名前を映画館のスクリーンで見つける日をとても楽しみにしています!ありがとうございました!