2022年1月29日(土)Youtube LIVEにて、
『ずっと真夜中でいいのに。』のMVを手がけた3DCGクリエイター安田現象氏をお呼びしイベントを行いました。
本学卒業生でもあり、現在はご自身のスタジオを立ち上げた安田現象氏。
今回のイベントではそんな安田現象氏の同級生であり、デジタルハリウッドの講師もされている森田竜二郎先生もゲストにお呼びし、対談形式で自主制作にかける思いや学生時代のお話を中心にしていただきました。
本ブログではそんなイベントの様子を一部お伝えいたします。
また、本イベントは安田現象氏のご厚意で収録を行い下記Youtubeリンクにて公開しております!
お時間のある方はぜひそちらもご覧ください!
登壇者紹介
安田現象 (やすだ・げんしょう)
安田現象スタジオ by Xenotoon所属
2012年 デジタルハリウッド3DCG映像アーティストコース1年制 卒業
2013年 日本大学芸術学部美術学科 卒業
2013年 株式会社ニトロプラス ポリゴン番長 入社
2016年 フリーランスとして活動を開始、崩壊3rdなどのアニメーターとして参加
2020年 映像作家活動開始 『正しくなれない』MVなどを制作
2021年~ 安田現象スタジオを立ち上げ、長編アニメ制作開始
森田 竜二郎 (もりた・りゅうじろう)
株式会社CONTORNO
家具職人、家具販売を経て2011年デジタルハリウッドに入学
2012年 株式会社CORNFLAKES 所属
2018年 株式会社CONTORNO 所属
Senior Digital Artist 執行役員
ジェネラリストとして活動
関連作品:
映画 妖怪人間ベム
映画 海月姫
映画 HiGH&LOW THE MOVIE 2
映画 牙狼 神の牙
アニメ オレカバトル
アニメ 妖怪ウォッチ
アニメ ベイブレードバースト 超ゼツ
チコちゃんに叱られる!
CRYSTALMAGIC 東急ディズニープロジェクションマッピング
ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ Patch5.0
ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ Patch6.0
その他遊技機、ゲームやドラマなど。
学生時代のお話と制作でこだわっていた部分
スタッフ:お二人はデジタルハリウッドで同期だったとお聞きしました。
当時で何か思い出に残っていることはありますか。
森田先生:グループワークで安田君と一緒にPVを制作したことを覚えてます。
当時まだ馴染みのなかったZBrushを休憩時間中にずっと触っていたりしてたよね。
安田さん:よく覚えてますね~
森田さんはすごくモデリングが上手だった記憶があります。
森田先生:そんなことないですよ。
でもその当時から安田君は個性的というか、自分の世界観があるなって思ってました。
スタッフ:現在は卒業制作含め、個人の制作がメインになっていますが、当時はカリキュラムの中に
グループ制作が含まれていたんですね。
安田さん :そうですね。
1年間しかない中で、ツール使い方を覚えて、それぞれの作業工程を覚えて卒業制作を作るというのが
大まかな流れになるんですが、さっき森田さんに言われるまでチームで制作したということを
忘れていたくらいにはすごく凝縮された1年間だったなと懐かしくなってました。
森田先生:グループ制作楽しかったよね。
安田さん:先頭に立ってリーダーシップを発揮してくれる人がチーム内にいたことも大きいですが、
森田さんや僕含めおとなしめの人が集まったチームでしたね。
スタッフ:凝縮された1年間というお話がありましたが、その限られた時間中で
今だから言える、ぜひやっておいたほうが良いことはありますか。
安田さん:これはきっと森田さんも同意してくれると思うんですが、
とにかくリファレンスを集めて、しっかりそれを見ながら作るということが大事です。
学生の方だけでなくプロの方も含め、見たことのないものを作るのはとても難しいです。
なにをどうしたらそのものらしさ、説得力が出るのかというのを観察して見出すということを
しないといい作品は作れないです。
当時自分はめんどくさがりだったこともあり、リファレンスを集めるということをしてこなったのですが
そのためにこうして10年近く経つまで評価を得ることができなかったです。
これから学び始める方も是非、一番の近道である「リファレンスを集めてから制作する」ということを
大事にしてほしいなと思います。
森田先生:安田君の言うとおりだね。
良いものをとにかく自分の中に取り入れて作るということが大事です。
自主制作の開始とアニメーションへの挑戦
スタッフ:自主制作アニメーションを作ろうと思ったきっかけは何でしょうか。
安田さん:僕実は、ライトノベルの作家になりたかったんですね。
根本にあるのはゼロから企画して作った物語を世に出したいという想いです。
それを達成する手法の一つとしてライトノベルを選びました。
制作する中でいろいろなコンテストに応募したんですが、あと一歩届かずという歯がゆい思いを
続けながら3DCGもお仕事で作っていました。
そんなある時、気付いたんです。CG業界で6年ほど作品を制作してきた今の自分なら用意した物語を
アニメという形で世に発信できるのではないかと。そこからショートアニメを制作するようになりました。
森田先生:ずっと昔からアニメを作ることを考えていたのかと思っていたけど、
案外年月を重ねる中で芽生えていったことなんだね。
安田さん:そうなんです。実はアニメ作ろうと最初から熱烈に考えていたわけではないんですよね。
森田先生:僕は結構対照的に自分の中にあるものを表現するというよりは、
制作過程そのものや画作りが好きだったりするんだけど、
アニメを作ろうと思ったのはイチからすべて作りたくて?
安田さん:そうですね。3DCGの作業が好きというよりは、どういうことをしようかな、どういう物語を
展開しようかなと考えるのが好きですね。
なので卒業した後に働いていた時よりも今のほうが3DCGをしっかり楽しめていますね。
事前にいただいた質問への回答
Q.好きな作品は何でしょうか
安田さん:「ハイスコアガール」という作品が好きです。
3DCGの割り切った使い方や、とにかく面白い企画や脚本が魅力的です。
森田先生:僕は80年代の映画がすごく好きですね。
具体的には「ロボコップ」や「ゴーストバスターズ」などですね。
Q.アニメーションを作るうえで参考になった作品や知識などはあるでしょうか。
安田さん:実写映像がリファレンスとしては一番ですね。
もちろん作品として完成されているアニメーション作品も参考になりますが、
何よりもまず、実写で動きのロジックを理解してから参考にすることが大事だと思います。