こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校です。
今回は2021年4月より新しく開講した3DCGのコースに通う東京藝大3年生(現在は休学中)の寺本 有孝さんに3DCGの魅力と実際に通学してみての感想をお聞きしました。
在校生紹介
寺本 有孝 さん
本科CG/VFX専攻新スタイルクラス 通学中
東京藝術大学 美術学部 デザイン科 在籍(取材当時)
この記事の目次
クリエイティブとの出会い
ーー現在東京藝術大学に在籍されていると思いますが、いつごろからクリエイティブに興味を持ち始めたのですか。
もともと高校のころから絵を描くのが好きで、よく描いていました。
ゲームや映画も大好きでよく見ることからエンタメがとても身近な存在でした。
高校生の時に進路を決めるにあたって、自分の好きなことを改めて考えてみました。
ゲームのパッケージや映画のポスターに心動かされて作品を遊んだ経験があり、自分も手に取った人が思わずやってみたいと思えるようなデザインをしてみたいと考え、東京藝大のデザイン科に入学を決めました。
3DCGに興味を持ったきっかけは大学の課題でした。
大学では、与えられた課題に対して自分なりに解釈し、平面や立体で表現をします。
ある日出された課題に対してどのような表現方法が適切か色々調べているときに3DCGという技術に出会いました。
プロの作品やその制作過程で登場する3DCGのリアルさにこんな表現もあるのかと衝撃を受けました。
この技術をものにできれば自分の表現の幅がぐっと広がると確信しましたね。
――表現方法の一つとして3DCGに惹かれていったのですね
学校生活について
ーー様々な勉強方法の選択肢がある今、どうしてスクールに通おうと思ったのですか。
3DCGに限らず触り始めはきっと独学が一番多いと思うんです。
今だとYoutubeなどの動画サイトでチュートリアル動画なども出ていますし。
僕もそういった動画を活用しながら少しずつCGを学んでいました。
作りたいものが明確に決まっていて、そのために勉強するのであれば、独学で
本当に必要なスキルだけをかいつまんで習得すればいいのですが、それだと応用力に欠けてしまうとも思いました。
そこからさらに発展して就職した時のことや、チームで作業した時のことを考えるうちにもっと根本的な部分の基礎がしっかりと学びたいと考えるようになりました。
就職や、僕の場合は表現方法の一つとしての習得を目標にしたとき、それではいけないと感じ、CGを基礎から学べるスクールを探し始めました。
複数のスクールを検討する中で、決め手になったのは卒業生作品のクオリティの高さと口コミですね。
ーーありがとうございます。現在寺本さんがご受講されている新スタイルクラスはオンライン形式での授業がメインですが、そこに関してはいかがですか。
オンラインと聞いて構える方も多いかもしれませんが、僕の場合はコロナ禍で大学の授業も作品の講評含め全面的にオンラインになったのもあって、オンライン授業に対する壁はなかったです。
デジタルハリウッドのオンライン授業は、アーカイブが残るので、聞き逃したことも授業が終わった後に見返して復習できるのがとてもいいですね。
心配していたクラスメートや講師の方とのコミュニケーションもSlackというツールを使って問題なく行えています。
僕は3DCGに関して全くの未経験で通い始めたのですが、同じクラスの中には少し触ったことのある方もいて、
そういった方々が「こんな技法ありますよ」「こんな表現ができますよ」とクラス全体のグループに発信してくれたりするのでとても勉強になっています。
実際に教室で会うよりもデータの共有や情報の載っているURLの共有が簡単にできるので、良いこと尽くしな気がします。
ーーオンラインならでは利点があるのが良いですね。
ーー続いて授業に関してですが、新スタイルクラスでは隔週での授業を行っています。
この隔週というペースに関してはどのように感じていますか。
僕としては授業と授業の間隔がとても大事だなと思っていて。
授業が終わってからの2週間は、与えられた課題やソフトスキル習得のための動画教材を進めるための時間になっています。
この期間があることで情報の整理や復習ができるのでは次の授業に向けた準備期間としてとても重要ですね。
今までの経験について
ーー寺本さんは東京藝大に在籍されていますし、今までたくさんの作品作りを行ってきたと思います。
そんな数々の経験の中で3DCGに生きているなと感じているものはありますか。
美芸大の方なら大学受験の際にデッサンをとにかく描くと思うのですが、見たものを捉えて作品に落とし込んで表現するという力は3DCGに直結するスキルだなと実感しています。
今、モデリングソフトのZ-brushを使って複雑なモデリングをしているのですが、モデルとなる物体の正面からの絵があれば、横や上からのアングルがなくてもデッサンの経験があるため想像ができるので助かっています。
後は人体の構造ですね。3DCGでリアルなモデルを作る際に骨格や筋肉のつき方などがとても重要になるのですが、デッサンで観察している分、スムーズに制作ができています。
加えて、自分の作品を表に出すことに対する慣れも強みだなと思います。
受験生時代、毎日がコンクールのような感じで、作ったものが並べられて、そこに順位がついていました。
作品を制作して終わりではなく、そこに批評をもらうまでがセットという感覚ですね。
作品が完成していなくても期限までに提出するのが当たり前で、その限られた時間の中でどれだけ作品をブラッシュアップできるかという繰り返しだったので、作品制作に対するストイックさみたいなものもとても役立っているなと実感しますね。
そこに関連して受験生時代に多くのプロの方の作品を見たり、同じ受験生の人たちの作品と比べたりする中でどうすれば自分の作品が他より目立つかなと考え続けてきた経験からくる作品の魅せ方や自分の得意とする構図を熟知していることも強みだと思いますね。
3DCGという表現方法について
ーー入学から半年ほどが経とうとしていますが、
3DCG制作の楽しさについて教えてください。
ラフモデルから完成に至る過程で、細部がどんどん詳細になっていくところに3DCGの楽しさを感じています。
細部のディテールを作るテクスチャリングの際にPhotoshopで作成したものを読み込んで使用するのですが、受験時代や大学の授業でした色彩の勉強が役立って、今までしてきたことが全て繋がっているようで面白いですね。
ーー全て繋がっているというお話がありましたが、逆に3DCGの制作が他のクリエイティブ与える影響はありますか。
3DCGで学んだことすべてが自分のもともとの専門分野であるデザインに良い影響を与えています。
今までは2Dで表現していましたが、3Dという新しい選択肢を得たことで題材によって使い分けることができています。あとは単純に自分の表現方法がぐっと広がりました。
2Dと3Dってすごく親和性が高いように感じます。
寺本さんの作品作り
ーー入学から3か月の段階でデジタルハリウッドでは大きな課題があります。
今回寺本さんにとっても初めての3DCG作品になったかと思いますが、
どのように制作したか教えていただけますか。
僕は3D2D問わず、作品を制作するときに頭の中に鮮明なイメージや完成図を描いてから制作します。
ぼんやりとしたイメージのまま作り始めてしまうと、当初作りたかったものとはだんだんとずれていってしまったりするので。
3Dの場合は頭の中のイメージを一度、絵としてアウトプットしてから制作を行いました。
はっきりしたイメージを持つこと、それを一度絵として具現化することで、制作物とのギャップに気づくことができます。
今回もそれを考えながら制作しました。
この画作り的なところもデッサンの経験がとても生きてくる場面だと思います。
3DCGに興味を持っている人に向けて
ーー3DCGに興味はあるけど、踏ん切りがつかない人っていると思うんですが、その方たちに何かメッセージをいただけますか。
僕の周りにも3DCGに興味を持っている人ってたくさんいるんですけど、やっぱり難しそうなイメージから触るところまでは踏み切れていない人が多いイメージですね。
ただ今何か別のクリエイティブ経験をしている人にこそお勧めしたいです。
3DCGはやって損はないです。自分の表現の選択肢が増えるという経験をぜひしてほしいですね。
3DCGで表現できないことはないです。
ーー寺本さんありがとうございました!