デジタルハリウッド東京本校 ブログ

2014-08-24

【東京本校/イベントレポート】「ワイアード・ゼミナール クリエイティヴにいかす先端科学入門」〜でっかいアタマで考えよう!〜イヴェント「ワイアード・ゼミナール 0限目“でっかいアタマ”から生まれる発想力」を開催しました。

こんにちは、デジタルハリウッド東京本校の牧野です。
デジタルハリウッドでは、この秋CGや先端デザインを学ぶ講座の特別プログラムとして「ワイアードゼミナール~先端科学入門 ~でっかいアタマで考えよう!~」を開講します。本講座の開講に先駆けて7月27日(日)に、WIRED編集長 若林恵氏とデジタルハリウッドスクール講師 中川直樹氏をお招えしたワイアードゼミナール0限目 開講記念イヴェント を実施しました。

このブログでは多くの聴講者が集まった熱意あふれるイヴェント当日の様子をお伝えします。まず「ワイアードゼミナール~先端科学入門 ~でっかいアタマで考えよう!~」はどのような講座なのでしょうか?「ワイアードゼミナール~先端科学入門 ~でっかいアタマで考えよう!~」は 『 新しいクリエイティブを生み出せる「発想力」「思考力」を鍛える 』 をコンセプトに、デジタルハリウッドとWIREDで設計した 1年間、全18回の特別プログラムです。デジタルハリウッドの本科・専科の受講生であれば無料で授業を受講することができます。

ワイアード・ゼミナール開講きっかけ 

イヴェントは、まずワイアードゼミナール~先端科学入門 ~でっかいアタマで考えよう!~の開講のきっかけから話がスタートしました。

若林編集長:『WIREDでは、面白い方との「つながり」という資産を持っています。 若い学生さんに知っている知見を届けたいと思っていたところデジタルハリウッドさんから一緒に授業をしませんか?と、お声が掛かったんです。』学校や教育に対して関心があったのですね。そして話は異分野の講義ラインナップについてです。

異分野の講義ラインナップ

「ワイアードゼミナール~先端科学入門 ~でっかいアタマで考えよう!~」の授業ラインナップは、「量子テレポーテーション」や「バイオロジー」「スーパーフレア」などデザインとは関係のない難しそうな内容ばかり。講義のラインナップの意図について聞かれると若林編集長は「すみません、適当です。」と、笑いながら答えてくれました。

若林編集長:『講義のラインアップを選ぶ際、講師陣には聞いてもなかなか分からない授業を話してもらおうと思いました。例えば量子コンピューターをイメージイラストにしようとは思いつかないので、あえてそれをクリエイターのみんなにゼミナールの中でやってもらうイメージです。視覚化できないものを視覚化する、分からないものを理解しようとして自分のもっている情報と結びつけることが大切だとおもう。授業ラインナップ自体は、今後社会的に意義を持ってくることなので知見をもっているというのは情報としても役に立つとおもいます。』

それに対してクリエイターの立場である中川講師は、

中川講師:『まずは知らない話を聞いてみるというのが重要で、わからないことを知る、そして知ろうとする訓練をするというのが大事。そしてそれはクリエイティブにつながってくるとおもうんだよね。Webって、いろんな知見とバックグランドを持った人が訪れるのでそういった人たちを魅了させないといけない。そういうときに、こういう異分野の世界や知識を知っていることが大事で、ディレクションをできる人になれると思う。作るだけじゃなくて、ディレクションにつながるとおもう。それに、人が察知していないこと察知するのがクリエイターの本質、そいうのを感じ取ってくれるといいいなとおもう。』

シンギュラリティ(技術的特異点)―2045年問題 のヴィジュアル化について 

知見をクリエイターに広げたいと思ったキッカケのひとつに「シンギュラリティ(技術的特異点)」、つまり「2045年問題」があるとのこと。「2045年問題」とは、コンピューターの能力がこのまま上がっていくと2045年にはコンピューターが人類の知能を超えると考えられている問題です。WIREDでこの題材を誌面にすることになったとき、「コンピューターが人類凌駕する世界」をヴィジュアル化することになって頭を悩ませたそうです。

若林編集長『想像の域では、人がコンピューターに支配されてるような「AKIRA」みたいな一種のディストピアだろうと思ったわけです。けど、そのイメージ設定自体が20世紀に構想された未来の古い世界観なのかもしれないとおもって、漫画家の宮崎夏次系先生という普段未来をテーマにしていない方にお願いしたら、僕らの思っていないような未来が、例えばイラストの線とかに宿るのではと思って描いてもらうことになった。それで出来上がったのがこの絵ですね。』



2045年問題『WIRED』VOL.12 松田卓也博士 x 宮崎夏次系
ILLUSTRATION BYNATSUJIKEI MIYAZAKI


若林編集長『男の子か女の子が分からない中性的な子が、不思議な空間で食べ物か花にサランラップをかけようとしている。さすがの俺もこれはわかないっすわと思って、野暮ですが先生にどのような意図でしょうかと聞いたんです。』

若林編集長『宮崎夏時系先生曰くには、ラップにくるまれた内側の世界は「異界」のように感じる、とのことで、話を聞いてなるほど、と思いました。前日までに描きあげたイラストは未来都市に女子高生がいるような僕らも想定できるようなイメージだったけど、そこからジャンプしてテーマにより肉薄したイラストを描いてくれて。その後イラストと記事がゲラになってチェックをするわけだけど、見れば見るほどこのイラストが正解だったと思ったわけです。』

想定しうるものを提示するのは仕事としてよいけれど、それを超えるものを出された時はクリエイターに1歩も2歩も先に行かれた瞬間で、発注者として極めて嬉しかったし頼んでよかったと思った仕事だった、と若林さんがおっしゃった瞬間、今回このイヴェントに参加をしている方々のほとんどがクリエイター志望、またはクリエイタ-という事もあり、会場からは、関心にも似た感性の声が上がりました。

また、宮崎夏次系先生の2045年問題のイラストを受けて、

若林編集長:『このイラストはとてもワイアードゼミナールを象徴していると思う。』ワイヤードゼミナールの考えているゴールとは、こういった想定していたものの1つも2つも先を行くビジュアルを考えだせる力や引き出しを持つことで、そのための練習をする場所がワイヤードゼミナールなんだよね。』

若林編集長:『彼女のなかの今までの経験や知識なども交えて最後の最後まで考えてたどり着いたのがこのイラストだと思う。クリエイターというのは、ただセンスみたいな右脳的なものだけじゃなくて、左脳的な例えばいろんな知識や理論が、右脳とセンスを開花させてモノをつくるものだとおもう。そういったこと出来るための講義だよね。』 と教えてくれました。

未来のクリエイターについて 

 その後、未来のクリエイターに必要な素養や望むことについてのお話となりました。

若林編集長『例えば僕は音楽が好きなんだけど、エレキギターが音楽を変えたのか、ジミヘンが音楽を変えたのか、と考えたとき、ぼくはジミヘンが変えたとおもっている。その時代を更新したもの、その人の感性であり個性。見た目も大事だよね。音楽だと、顔・声でリスナーとして感性が「拡張」されたとおもう。それてすごいそういうふうに感性を拡張していく。どこかの部分を拡張する、過去も未来もクリエイターってそういうものなんだよね。特異体質で変態的、でもその後はスタンダードになっている。』

中川講師『10年前は水なんて買わなかったけど、いまは普通に買う。そういう風に意識が拡張されたんだと思うと、同意する。今後のデザインとしては、ユーザーの深層心理に到達する、視覚だけでなく、嗅覚的なものも含めてデザインできる人とかもね。』

 
最後はメッセージとして、若松氏は会場の方に「何が生まれるのか、立ち会ってみたいとおもっている。楽しみにしています。」
と語りました。中川講師も18名の講師ラインナップを見ながら 松田先生の話を超聞きたいと笑い、「先生方のラインナップを見ても、なかなか纏まって聞ける機会のない内容なので僕自身も受講したいし、楽しみたい。10年後も現役でいるためにワイアードゼミナールで次の新しい自分を発見したいとおもっています。せっかくの機会ですので、デジタルハリウッドのワイアードゼミナールを媒体として、すばらしいクリエイターになってもらいたいと思います」と締めました。

「ワイアード・ゼミナール クリエイティヴにいかす先端科学入門」〜でっかいアタマで考えよう!〜は『WIRED』とデジタルハリウッドが本科専科の授業内で提供する〈表現の可能性を広げるため〉の特別プログラムです。
授業はイノヴェイティヴな発想など4つの要素で構成されており、本科・専科(下記対象専攻)の受講生であれば、1年間全18回の講義(課題制作・発表含む)を無料で受講できます。世界のトップランナーが教鞭をとるデジタルハリウッドでしか学べない〈未来の授業〉が、あなたを次世代のクリエイター/デザイナーに導きます。

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