「子育てをしながら、本当に学べるの?」「長いブランクがあっても、仕事につながるの?」──学び直しを考えるとき、多くのママが抱く不安です。先輩たちは、その不安とどう向き合ってきたのでしょうか。
今回お話を伺ったのは、デジタルハリウッドSTUDIOの「Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス」(以下、ママクラス)を卒業した青木さんと小野さん。バレエ教室を営みながら、学び直しを決めた青木さん。約15〜16年の専業主婦生活を経て、好きだった「ものづくり」にもう一度向き合った小野さん。Webデザインを学ぼうと思ったきっかけ、家族の反応、子育てとの両立の工夫、卒業後も続けた学び、そして現在の働き方まで、お二人の言葉からたどります。
対談したお二人
- 青木さん(左):バレエ教室を運営。デジタルハリウッドSTUDIO入学前に始めた幼児教室の仕事でも、受講中からデザインを担当。現在は雑貨の会社で広報を務め、教室の仕事と合わせて“3足のわらじ”で働いています。
- 小野さん(右):前職はお菓子の商品開発。約15〜16年の専業主婦期間を経て、Webデザインの学習を決意。現在は大手学習塾で広報Webデザイナーとして働いています。
Webデザインを学ぼうと思ったきっかけ
青木さん|教室のパンフレットづくりが好きだった。人生の転機に選んだ「好きなこと」
長年、自分のバレエ教室を経営してきた青木さん。「何か違うことをしたい」と思ったとき、心に浮かんだのは、教室のパンフレットを作っている時間がすごく好きだったことでした。どうせやるなら、好きなことを──それが学びの出発点です。
ちょうど同じころ、シングルマザーとして歩み始めることに。「自分に何か身につけておこう」と考え、いろいろな人に相談したといいます。相談した市役所では、看護師や保育士といった資格に結びつく勉強を勧められたそうです。それでも、ある人からかけられた「好きなことをやるのが一番いいよ」という言葉に背中を押されました。バレエの先生という仕事も、好きなことを仕事にしてきた道のり。だからこそ次も好きなことを選びたい──そう決めて、Webデザインの道へ進みました。
学び始めると、思いがけない形で仕事がつながっていきます。入学前に始めていた幼児教室のアルバイト先では、ちょうどデザインのできる人を求めていたこともあり、受講中から教科書の編集やInstagramのクリエイティブ制作を任されるように。やがて、業務委託として別枠で仕事を任せてもらえるようになったそうです。自分のバレエ教室のサイトを制作したり、先輩からバレエのプログラムやグッズの制作を頼まれたりと、仕事の輪は広がっていきました。
「始める前は気づかなかったけれど、デザインを求めている場所はいろいろなところにある。できる人がいたら嬉しい、という人は潜在的にたくさんいるんだと感じました」と青木さんは振り返ります。
小野さん|「自分だけ時が止まっている」。15年のブランクとものづくりへの思い
小野さんは、約15〜16年にわたって専業主婦として家庭を支えてきました。ふと気づくと、子どもたちは跳び箱を跳べるようになり、難しい計算もできるようになっている。夫は資格を取るなど、前に進んでいる。自分だけが15年前で時が止まっている──そんな停滞感と、子どもが手を離れたときに自分には何も残っていないのではないか、という焦りを感じ始めたといいます。
下のお子さんが小学校に上がって少し時間ができたことをきっかけに、仕事を始めようと決意。やるなら自分の好きなことを、と考えたものの、15〜16年のブランクは自分の中で大きく、社会がどんどん進むなかで何ができるのか分からない。初心者からでも挑戦できるものづくりの仕事を調べるうちに、たまたま出会ったのがWebデザインでした。今からでも勉強してスキルを身につければ仕事になる、とネットで目にし、「今からでもできるものづくりはこれだ」と飛び込むことを決めたそうです。
小野さんのものづくり好きは、小さい頃から。作り始めると没頭する性格で、お菓子作りが好きだったり、二次会の幹事としてイベントを作り上げるのが好きだったりと、0から1を生み出すことに惹かれてきました。前職ではお菓子の商品開発を担当。自分が作ったものでお客さんが喜んでくれる瞬間が、たまらなく好きだったといいます。苦しいこともあったけれど、やっぱり好きなのは「作ること」──学び直しは、その原点に帰る選択でもありました。
「センス」より先に、学べる原理原則がある
前職では企画を形にする立場で、デザインはデザイナーに依頼していた小野さん。デザインは専門の学校や大学を出た人にしかできない、自分にはセンスがない──そう思い込んでいたといいます。それでも、勉強すれば身につけられると知って、挑戦を決めました。
実際に学んでみて、やはりセンスは必要だったのか。そう尋ねると、小野さんは「センスもいるなと思いました」と笑います。そのうえで実感したのが、アートとの違いでした。デザインには「こうすれば見やすくなる」という原理原則があり、それに沿えば分かりやすいデザインが作れる。知識がとても大切だと分かったと同時に、自分の中の引き出しを増やしていく必要性も感じたそうです。
「ママが勉強する」に、家族はどう向き合った?
子育て中に学び始めるとき、やはり気になるのが子どもの反応です。お二人の家庭では、どんな変化があったのでしょうか。
母の挑戦と、娘さんの変化(青木さん)
青木さんが勉強を始めると伝えたとき、娘さんは「頑張ってね」と応援してくれたそうです。
実は娘さんは、中学生の頃、学校に通えない時期を過ごしていました。「勉強する意味なんてない」と話す娘さんに、親が言っても仕方がないと考え、青木さんはあえて見守っていたそうです。ところが、青木さんが勉強を始めると、娘さんが自分から「塾に行こうかな」と言い出しました。「ええっ、と驚きました」と青木さんは笑います。今では大学進学も視野に入れて、勉強に励んでいるそうです。
家では娘さんに、「この業界は何歳からでも勉強できて、学歴や年齢は関係ないんだよ」と話していたという青木さん。それは、青木さん自身が心を動かされたことでもありました。中学時代に勉強できていなくても、今からでもできる──身近な人の姿を通して、娘さんもそう感じてくれたのかもしれない、と話します。
「娘のためにやったわけではないけれど、自分が新しいことを始めて、道を切り開こうとする姿は、娘にもいい影響を与えているんじゃないかと思います」。娘さんの中に、自分のやりたいことがむくむくと湧いてきたように感じる──青木さんは、そう振り返ります。
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反発から理解へ、対話を重ねて(小野さん)
小野さんが学び始めた当時、上のお子さんは中学2年生、下のお子さんは小学2年生。ずっと専業主婦で一緒に過ごしてきた分、下のお子さんからは「なんでそんなに勉強してるの?」「もっと私と遊んでよ」と、反発があったといいます。
小野さんは、「たくさん一緒に遊びに行けるように、そのお金を稼ぐためにもママは頑張るんだよ」と、根気強く伝え続けました。今ではだいぶ理解してくれるようになり、小野さんが勉強している横で本を読んだり、長期休みに学童で友だちと過ごしたりするなかで、自立心が芽生えてきたと感じているそうです。上のお子さんは、小野さんが作ったサイトを見て「すごいね!ママ頑張って」と素直に応援してくれたといいます。
週3日の勤務になった今は、それ以外の日にしっかり子どもと向き合う時間も取れるように。家族みんなが頑張っているなら、私も頑張りたい──そんな気持ちが子どもたちにも芽生えているようだと話す小野さん。夫のサポートも受けながら、仕事も家族との時間も充実している「今が一番いいですかね」と話します。
子育てと両立できた学び方
校舎か自宅か、その日の状況で選べる
お二人が口をそろえたのが、校舎に通っても自宅で学んでもいい、ハイブリッドな学び方のありがたさです。子どもが熱を出したら家で、今週は疲れているから家で、どうにも進まないときは校舎へ──その日の状況に合わせて自分で選べることが、気持ちの面でとても楽だった、という声も聞かれました。
青木さんは当初、校舎には通えないかもしれない、最悪、家でできればいい──そう考えて入学したそうです。それでも、娘さんが「行っておいで」と送り出してくれたことや、外に出ると気分が晴れることもあり、結果的に校舎へよく足を運びました。
小野さんは、入学と同時にアルバイトも始めたため、最初は生活のリズムがなかなかつかめなかったそう。はじめは講義動画の視聴が中心で、質問することも少なかったため自宅で学習。デザインやコーディングに進んで先生への質問が増えてくると、校舎に通って質問するスタイルに切り替えました。Zoomも活用したものの、緊張しやすい性格で、指名されるときの緊張感が少ししんどかった(笑)とのこと。結果的に、校舎に来て勉強するのがいちばんはかどったそうです。
しっかり寝る派と夜型派、それぞれのリズム
学習時間の確保の仕方は、お二人で対照的でした。
青木さんは、意外にも夜更かしをせず、夜はしっかり寝るタイプ。先生からは、朝早く起きて取り組むのがいいとアドバイスをもらったこともありましたが、娘さんがすでに大きかったこともあり、普通に寝て普通に起きるリズムのまま、取れる時間で学習を進めたそうです。夜遅くまで作業したのは、卒業制作の時期くらいだったといいます。
一方の小野さんは、隙間時間に取り組むうちに「自分は夜型だ」と気づき、子どもが寝てからの時間にしっかり集中するように。午前中はSTUDIOで学び、夜は自宅で、というリズムができあがりました。
学習ペースの面で大きかったのが、講義動画の倍速視聴です。なかなか進まないことがストレスだった小野さんは、先生から1.5倍速での視聴を勧められて、急にペースがつかめたといいます。「めちゃくちゃ便利です。本当に必要でした」。
「今日はどこに行く?」STUDIOを選ぶ楽しさ
お二人は、所属するSTUDIO以外にもよく足を運んでいたそうです。クラスの仲間とは毎日のように「今日はどのSTUDIOに行く?」と相談。今日はコーディングだからここ、この先生に質問したいからこの校舎──と、目的に合わせて選んでいたといいます。ときには“先生の追っかけ”のようになることも(笑)。
みんなで一緒にお昼を食べたいから11時過ぎに行こう、○○のランチが楽しみ──そんな日常の楽しさも、学びを続ける力になりました。吉祥寺のSTUDIOは見晴らしが良く、お気に入りの場所だったという声も聞かれました。
同じ立場の「戦友」がいたから乗り越えられた
校舎に通うメンバーは少しずつつながり、「ご飯を一緒に食べよう」と輪が広がっていきました。特に中間課題の頃からは校舎に来る機会が増え、仲が深まっていったそうです。
地方に住む仲間とも、LINEでやりとりしたり、Zoomで飲み会やお茶会を開いたり。オンライン上で集まっておしゃべりすることもあったといいます。
小野さんは「仲間がいないとなかなか乗り越えられない壁が、結構ありました。本当に心強かったです」と振り返ります。先生に聞くほどでもないちょっとした疑問を同期に気軽に聞けたり、先に進んでいる仲間から刺激をもらったり。青木さんも、相談したり、ガス抜きをしたりできる仲間の存在はとても大きかったと話します。
年齢や子どもの年齢が違う仲間との間に、壁を感じることはなかったのでしょうか。青木さんの答えは「全然なかった」。この勉強を始めたというスタート地点はみんな同じで、同じ目標に向かって頑張る仲間だったから。ママクラスだからこそ同じ立場で話しやすく、プライベートや家族のことまで相談し合える、濃い「戦友」ができたといいます。
卒業後も学び続けた、地域を題材にした講座
クラスを卒業した後、お二人とも、Webデザインで地域の課題解決に挑戦する「地域のみらい講座」を受講しました。地域の実案件に取り組む実践型講座です。
病院サイトの制作で、新しいスキルと自信を(小野さん)
小野さんが受講を決めたのは、卒業制作でお世話になった先生から「すごく勉強になるから受けてみない?」と勧められたことがきっかけでした。課題は、病院のサイト制作という経験のないテーマ。好奇心から挑戦したくなった一方で、過去の受講生の作品のクオリティの高さに気後れも。それでも、自分の成長のために受けてみたらいい、と背中を押されて受講を決めたといいます。
夜にDiscordで課題を提出しても、朝にはフィードバックをもらえたので、集中して課題に向き合えたそうです。先生のフィードバックはとても勉強になり、実際に話してみると気さくな人柄にも感動したとのこと。AIを活用したコーディングなど、新しいスキルも身につけました。
デザインのスキルが、地域の活性化や社会貢献に役立つ。その社会的な意義を知ったことで、モチベーションも上がったという小野さん。病院のサイトがポートフォリオに加わったことで、自信を持って就職活動に臨めたそうです。
「自分の頭で考える」「捨てる勇気」(青木さん)
青木さんも同じ先生から勧められていましたが、一旦は受講を見送りました。その間に進めた就職活動はなかなか決まらず──そんなとき、次の課題が地元・吉祥寺の「ダイヤ街」だと知って、申し込みを決意。今の自分からもう一歩進んで、自信をつけたいと考えたそうです。
講座で徹底的に学んだのが、「誰のために、何のために作るのか」という情報設計でした。あるとき、Discordで先生から「自分の頭で考えてできるのだから、一度自分で考えてデザインしてみましょう」と言われ、ガツンと目が覚めたといいます。人の意見を集めるだけでなく、自分の頭で考えて提案する姿勢。デザインを一度ゼロベースに戻して作り直す「捨てる勇気」。複数のパターンを提案する手法。そして、デザインには人の背中を押して行動させる力がある──そう実感できたことが、大きな学びになりました。
卒業後の働き方──それぞれの条件に合う場所へ
紙のポートフォリオが決め手に。雑貨の会社の広報へ(青木さん)
青木さんは現在、吉祥寺にある雑貨の会社で広報を担当。Web制作やWordPressの保守管理、ECのデータ抽出・分析まで幅広く手がけています。
就職活動で決め手になったのは、Webのポートフォリオに加えて、印刷した「紙のポートフォリオ」を持参したこと。面接官や経営陣には紙のほうが伝わりやすく、「自分らしさ」について深く会話が弾んだといいます。
勤務は週4日(9:30〜18:30)。社会保険の条件も満たしながら、幼児教室やバレエ教室の仕事と合わせて、毎日充実した日々を送っています。「自分専用のデスクとパソコンがあるだけで感動でした」と青木さん。
条件を明確にして、インハウスに絞った(小野さん)
小野さんが仕事探しで譲れなかったのは、「10時〜15時の週3日・時短・扶養内」で働けること、そして「将来フリーランスになれるスキルが身につく環境」であること。ただ、未経験・時短を受け入れてくれる制作会社は少なく、悩んだ時期もあったといいます。そんなとき思い出したのが、先生の「主婦ママはインハウスが働きやすいよ」という言葉でした。
インハウス(事業会社の社内デザイナー)に絞って探した結果、大手学習塾の広報Webデザイナーとして採用されました。最初はみんな初心者なのだから育てていく──そう迎え入れてもらえたことに、感動したそうです。
インハウスは納期の融通が利きやすく、主婦・ママにぴったりだと感じているという小野さん。現在は、各校舎ページに掲載する告知物のデザイン制作をはじめ、WebサイトのCMS更新、印刷物のチェック、LP制作など、幅広い業務を担当しています。デジタルハリウッドSTUDIOで学んだコーディングやデザインの基礎が、すごく役立っているそうです。
これから学ぶ方へのメッセージ
小野さん
15〜16年のブランクがあり、社会に出るのが怖かったという小野さん。背中を押してくれたのは、あるセミナーで講師が語った「どんなことでもいいから、まず一歩進むと道が開ける」という言葉でした。Web業界は、年齢や学歴よりも身につけたスキルが活きる世界だと感じている、と小野さん。学んだことで、街を歩いていても世の中のデザインに感動できるようになり、人生がすごく豊かになったといいます。「迷っている方は、ぜひ一歩踏み出してみてください」。
青木さん
入学しなくても、説明会を聞いてみたり、ワークショップに参加してみたり。ちょっと動いてみることが、自分を大きく変えてくれる──と青木さん。デジタルハリウッドSTUDIOで得た経験や仲間、先生方との人間関係は「一生の財産」。面接では、デジタルハリウッドでしっかり学んできたことを安心材料として受け止めてもらえた場面もあったそうです。自分で作ったものが形になり、誰かの背中を押せる。その喜びを、ぜひ味わってほしいと話してくれました。
まとめ──ママクラスで、自分らしい一歩を
人生の転機や長いブランクを経て、「好きなこと」を仕事にする道を選んだ青木さんと小野さん。校舎と自宅を行き来しながら自分のリズムで学び、同じ立場の仲間と励まし合い、卒業後も学び続けて、それぞれの暮らしに合った働き方を見つけていきました。母が学ぶ姿は、子どもたちにも前向きな影響を与えているようです。
子育てをしながら新しいことを始めるのは、勇気がいるものです。それでもお二人の話からは、一歩を踏み出したことで、仕事も家族との関係も少しずつ変わっていった様子が伝わってきます。
デジタルハリウッドSTUDIOの「Webデザイナー専攻 主婦・ママクラス」は、通学と在宅を組み合わせたハイブリッド型で、子育てや仕事と両立しながらWebデザインを学べるクラスです。「私にもできるかな」と感じた方は、まずは説明会や個別相談で、学び方や働き方について気軽に相談してみてください。
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※記事の内容は、お二人個人の体験に基づくものです。
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