2025年3月にスタートを切ったばかりのデジタルハリウッドSTUDIO静岡。受講生はまだそれほど多くない状況ですがトレーナー陣は充実しています。
トレーナーとは受講生の質問に答えたり、学習の進捗を確認したり、課題や卒業制作のレビューを行ったり、受講生の学習を直接対面でサポートする存在です。
そこで多様なバックグラウンドを持つトレーナー陣のインタビューをブログにてお届けてしていきたいと思います。
記念すべき初回は、フリーランスデザイナーとしても活躍されている中村靖子さん。
現在の仕事内容から、これまでの経歴、そして受講生への思いまで、じっくり語っていただきました。
学童保育の定員オーバーをきっかけにフリーランス
現在はフリーランスとしてウェブページ、チラシ、パンフレット、商品のバナーなど、紙とウェブのデザインを中心にやっています。フリーランスになる前は地元の住宅メーカーでパートデザイナーとして働いていましたが、子どもが利用していた学童保育が定員オーバーで通えなくなったことをきっかけに、在宅でできるフリーランスの働き方を考え始めました。
最初はパートと並行してフリーの仕事を少しずつ受けていましたが、ちょうどコロナ禍で在宅の仕事が増えたこともあり、フリーランス一本でやっていくことにしました。
就職氷河期で紆余曲折
子どものころから絵を描くのが好きで、専門学校でグラフィックデザインを学びました。ただ私の学生時代はちょうど就職氷河期で、優秀な友達がデザインと関係ない仕事に就職しているのを目の当たりにしたり完全にあきらめてしまって、就職活動もほとんどせずに卒業してしまいました。
卒業した後は友達から誘われるがまま京都の旅館で住み込みのアルバイトをしていました。そこである日、デザイナーのアルバイト募集の張り紙を見かけたんです。応募したら採用されてアルバイトですが初めてデザインの仕事に携わることになりました。駆け出しなんで、たたき台を作って先輩に見てもらってという感じでしたが、やっぱり楽しくて、やりたいことはこっちだなと、ふわふわしていた気持ちがデザインにまた戻ってきた経験でした。
地元の東京に戻って派遣会社に登録して、アパレル会社のデザイン部門で派遣として働き始めました。アパレルの知識も経験も全くなかったのですが、半年ほど派遣として働いていた折り、社員として働かないかと声をかけていただき正社員として働くことになりました。
ずっと「こんなんでいいのかな」っていうふわふわした気持ちがあったんですが、社員として認められたことで地に足をつけて働くことができ、大きな自信につながりました。
アパレルからアクセサリーまで
アパレル会社では、キャラクターもののキッチン雑貨、エプロン、ルームウェア、テーブルウェアなどのデザインを担当していました。生地の柄からデザインして刺繍の糸の色まで細かく指定するなどもしました。
だいぶ後のことですが子どもが通っていた保育園の先生が、私のデザインしたエプロンを付けていてとても感慨深かった記憶があります。
結婚を機にアパレル会社を退職し、静岡に引っ越してきました。そのタイミングに職業訓練でウェブデザインを学び、今度は金属アクセサリーを扱う会社でデザイナーとして働きました。キーホルダーやバッグチャーム等、金属やラインストーンを使った装飾品とそのパッケージのデザインをしていました。
デザインは最初の聞き取りが重要
デザインの仕事をする上で、クライアントへの最初の聞き取りが非常に重要だと痛感しています。会社勤めをしていた頃は、分からないことは上司や同僚に社内ですぐ聞けますが、フリーランスになってからはクライアントとのやり取りがオンライン中心となり、すぐに確認できないことが多いです。
実際に制作したものを見せたら「こういうことじゃなかった」と行き違いが起こることもあります。それを避けて効率よく制作を進めるためにも最初の聞き取りが非常に重要です。
クライアントのイメージするものについて、必ずしも最初から解像度が高いわけではないので、事前に質問や参考例を準備して臨むことで、欲しいものを引き出せるような工夫をしています。
受講生に向けて - とにかくポートフォリオ
デザインを仕事にするにはポートフォリオがとにかく大事です。
私もいろいろな会社で働いてきて、フリーランスになってからもいろいろな仕事をしてきましたが、採用や仕事の受注につながったのは、やはりポートフォリオが大きかったと感じてます。
デジタルハリウッドSTUDIOでは卒業制作をしっかりと作る機会があるので、大変かも知れませんが受講生には頑張って卒業制作を作っていただき、それをポートフォリオとして大いに活用してほしいです。 もちろん私たちトレーナーも全力で受講生の皆さんをサポートしますので、大船に乗ったつもりでいて下さい！