先日開催したオンラインイベント 『動画×生成AIが導くクリエイティブの未来とは』 のイベントレポートをご紹介します。
「AIが仕事を奪うのではないか。」
AIによる仕事の変化は一概に否定的なものではなく、新しい機会や発展の可能性をもたらす一面もあります。クリエイターはこれらの変化に適応し、適切な対応をすることが求められています。人間の強みである創造性、感情理解、倫理的判断などが重視され、AIとの共存が実現することが期待されています。
1月24日(水)実務レベルでAIを活用して動画編集を行っている今里 順平氏をお招きし、トークイベントを実施しました。
動画編集において生成AIを活用して、どのように業務の効率化を図るのか。多くのAIツールの紹介とともに、実際の作業までお話しいただき、初回から大好評なワークショップになりました。
▼まずはこちら3つの動画をご覧ください。
①イラスト系
②Deepfakeを使った実写系
③3DCG系
こちらはすべて生成AIで作られています。
今回のイベントでは、
①イラスト系
②Deepfakeを使った実写系
③3DCG系
3つのパターン別の動画生成に関して、作り方を詳しく紹介してくれているので、生成AI未経験の方にもおすすめです。
どうやって作られているのか、制作過程が気になる!!という方は、最後までじっくりお読みください。
★最後にどなたでもご参加いただける次回ワークショップのご案内もございます ←詳しくはクリック!
講師紹介
今里順平|映像作家
青山学院大学在学中、フリーランス映像クリエイター/フォトグラファーとして活動開始。2018年に自身もSNS動画クリエイター(とぶまさと)として活躍開始し、累計フォロワー数約14万人、累計SNS動画再生回数約8,400万回達成。2021年と2022年にそれぞれ、デヴィ夫人のSNS運用を始めとする、SNSマーケティング事業を展開する株式会社Cinematorico、及びにじさんじ等のMV制作を手がける映像制作会社、株式会社カレイドグラフィックスを創業。現在AIを活用し、制作の効率化と表現手法の拡大に挑戦しており、AI×コンテンツの文脈で登壇や講師活動も行う。
生成AIとは
生成AI(ジェネレーティブAI)とはさまざまなコンテンツの生成に特化したAIです。
入力内容に応じてさまざまな出力が可能となり
2022年にOpenAIによって発表されたChatGPTを皮切りに、世界的に注目されるようになりました。
従来のAIは人間が与えた記憶している学習の情報から、
認識→これは何のデータなのか ex.音声認識
予測→将来の値 ex.売上予測 / 第三者が欲しい回答
といった性質を持っていたのに対して、
生成AI では、人間が与えた学習情報の記憶と同時に
AI自らも学習を行い、与えていない情報すらインプットできる ようになりました。
さらに、そのAIが持つ情報からオリジナルな創作・制作物をアウトプットし
人間に対して様々なコンテンツ (文章・画像・動画・音楽など) を提供することが可能です。
我々人間がこの生成AIと共存することによって頭の中を形化したり
さらにはアイデアや発想をAIに任せることもできるようになりました。
①イラスト系
本ワークショップでは イラスト系・実写系・3DCG系 についてご紹介いただきました。
その様子をお見せしたいと思います。〜実写系では実際の講義内容をそのままお届けしちゃいます〜
ではまず、イラスト系の画像を生成していきましょう。
初回ワークショップの1回目ということもあり、かなりシンプルな構成でフローを紹介していただきました。好きな素材を用意して、PIKAというツールを使用してアニメ化していきます。
PIKA : https://pika.art/login
は無料で始めることができるので、皆さんも手を出しやすいのでは…!!
使い方はChatGPTのようにプロンプトを入力したり、写真をアップロードしたりしていきます!!
今回はこちらの親子の画像を使用していきます..!
自分の思い出の写真や、ペットの写真を使ってみたりするとオモシロイかも…??
PIKAで画像生成AIを使用すると・・・・
先ほどの画像がアニメ調で自動生成されました!
男の子は惜しい印象ですが、女性は少し目をつぶってしまっているので完成度がまだまだな印象。
何度も生成を繰り返していくと、違和感ないアニメ調の動画が完成されます。
ち・な・み・に
ジブリスタイル/新海誠スタイル/鳥山明スタイルなど画風も学習しているため、
色々な世界観の演出もできちゃいます!
イラスト系いかがでしたか?
次は 実写系 のご紹介です!!
②実写系
では、実写系(Deepfake)を初めていきましょう〜!
Deepfakeとは : 人などの顔をすり替えたり、アバターのように人間のクローンのようなものを
演出できるディープラーニング(AIの深層学習)×フェイクのこと。
こちらが今回ご紹介いただきました実写系の制作フローです。
おっ イラスト系で登場したMidjorneyがまた出てきましたね。
・素材となる画像をMIdjourneyで生成
・生成した画像をMAGNIFICを使い高画質化
・作品のベースとなる動画素材を準備
・DeepSwapを使って合成
本レポートでは参加された方から好評いただきました
素材_画像作成と合成を細かくお伝えしていきます!
素材・画像作成
それではまず、リアルな女性を生成しましょう
MIdjourneyにて「a japanese girls face」というプロンプトで生成してもらいます
4つの日本人女性の画像を用意してくれました。
だいぶ日本人離れしている気もしますね・・・笑
少し顔がアップすぎるので、髪の毛の指示を出して
顔がよく見えるようにしてみましょう
最初に入力した「a japanese girls face」に「short hair」を足してみます。
すごい・・・
もうこの時点でいそうな女性ができちゃいました。
順調です!
次は合成するにあたり、色々なアングルと、背景がない方がくり抜きが簡単になるため、
その2つの表現を目指します、
「multiple angles」と「no background」を追加します。
やりたいことは表現できましたが、
イラスト風が多くなってしまいました。
今回は実写系の映像を作りたいので、イラストのものを
写真のように表現したいです。
みなさんだとどう表現しますか?
real ?
photo ?
3d ?
今回は「real photo」と足してみてました。
だいぶそれっぽいものが出てきました。
あとは何回か生成を繰り返して
納得のいく画像が出てくるまで繰り返しましょう
こちらを採用しました。
すると上の画像の左下のようにU1~V4のような欄があります。
こちらU列が「この画像で決定」
V列が「近い雰囲気でさらに画像を生成してくれる」
ということになります。
例えばV4を選択すると
このように近い雰囲気の画像を
さらに生成することができました。
この素材を使って合成していきましょう
合成
それでは合成をしていきます。
Deepswapというツールを使っていきます。
元となる動画と合成したい画像をアップロードします。
するとAIが顔を認識してくれるので、
先ほどMidjorneyで生成した女性の顔を選択すると…
完成!!
ここまで自然に合成できちゃうのはすごいですよね!
合成用の生成AIも色々あるので色々試してみると楽しそうです。
③3DCG系
それでは最後の3DCG系についてです!
3DCG作品は
その世界観や複雑さ、高いクリエイティビティのため、
それらを表現するための生成AIに対する言語がとても重要になっていきます。
今回はChat GPTを用いてプロンプト自体を生成するという手法を
ご紹介いただきました!!
何度か試し、最終的に出来上がったプロンプトはこちら
作品を構成するための字コンテを作ってくれました。
こちらのプロンプトをもとにMidjorneyで納得のいくまで
生成を繰り返します。
これらの作品が選ばれました!!
生成AIおそろしい・・・
生成AIで出来上がった画像を
Premiere Proで一つの動画に繋げて完成です。
いかがでしょうか?
ワークショップではBGMやSEなども生成AIで作りました。
生成AIツールは数多くのものがリリースされているため
色々試してみるのが楽しそうですね!!
また、直感的に作業したい箇所は
Photoshopなどと組み合わせるといいかも…!
もっと深く学びたい方へ イベント開催いたします!
動画×生成AIが導くクリエイティブの未来とは Youtube編
今里 順平氏をお招きしてオンラインイベントを実施いたします。企業・個人問わずYouTube運営/制作に取り組んでいらっしゃる方も多いと思います。生成AIができることを理解するのはもちろん、どう使いこなすべきなのか、活用できるのか、「YouTube」という観点からお話しいただきます。
先日行った、オンラインイベント『動画×生成AIが導くクリエイティブの未来とは』では300名近くの方にご参いただきました!前回参加できなかった方もご参加可能です!
▼日時
2024年3月13日(水)19:00~21:00
▼参加費
無料(要予約)
▼会場
オンライン(Zoom)