来年開講予定の、受講生1名につきNikonカメラを1台貸出すという画期的なビデオグラファー入門講座に先立ち、その講師を務める秋田先生によるNikonカメラの魅力をお伝えするイベントが開催されました!
同時に撮影機器メーカー展示会も開催され、Nikonのカメラ・レンズと共に、銀一のマイクや三脚などの周辺機器を実物を手に取りながらメーカーの方から説明を受ける機会が持たれました。今回は、秋田先生からNikonのカメラの良さを教えていただきます。
【目次】
・レンズ性能(単焦点・ズーム)
・写真-映像の切り替え時のオペレーションの良さ
・映画的描写ができるRAWデータ対応
登壇者のご紹介!
秋田 載壮氏
Davinci Resolve認定トレーナー
ビデオグラファー/フォトグラファー
29歳から高いレベルのスチール撮影を学ぶ為、スタジオマンとして2年アシスタント経験を経て、独立。同時にコロナになり、映像と写真両方を軸に活動をすることに。
企業WebCM・MV・ドキュメント・スチールスタジオ撮影・ワンストップでディクレクションから撮影編集まで型にはまらず、ミニマムかつ高品質の実写コンテンツの案件が得意。
Nikonの良さって?3つのポイント
ビデオグラファーとは動画を撮影し編集まで行う人のことを指します。分業が進んでいるテレビなどの大規模撮影とは異なり、予算や納期に限りがあるWEBメディアでは特に需要の増えている分野です。
今回は、WEB制作会社でスチール撮影をしていた時代からビデオグラファーとして活躍する現在までずっとNikonのカメラを愛用している秋田先生からNikonのカメラの良さを教えていただきます。
秋田先生のあげるNikonの良さは以下の3点です。
・レンズ性能(単焦点・ズーム)
・写真-映像の切り替え時のオペレーションの良さ
・映画的描写ができるRAWデータ対応
その内容を順番に詳しく見ていきましょう。
1. レンズ性能
⭐︎単焦点レンズ
秋田先生:Nikonの魅力の筆頭は「レンズ」にあります。
Nikonは元々が光学機器の会社のため、レンズが得意分野で、特にf/1,8単焦点レンズシリーズは光の取り込みやボケ足、キレに優れるため、素材として非常に優れた映像が撮れます。
Nikonさん:カメラ本体は時代と共に入れ替わっていきますが、レンズは保存状態さえよければ価値が落ちることは殆どありません。したがって「レンズは資産」なので、一度良いレンズを揃えるととても長く使えます。
※実例として、秋田先生による、f/1.8 単焦点レンズを用いてライト1点の暗い環境で撮影した作品を見せていただきました。
⭐︎ズームレンズ
秋田先生:実際の現場ではレンズの付け替えを頻繁に行うことは難しいことが多々あるため、単焦点レンズよりもズームレンズを使う機会の方が多くあります。現場で最も使うのはNikonの24mm-120mmレンズで、一般的なズームレンズの焦点距離は105mmまでですが、この焦点距離を備えて描写が優れたレンズは他社にありません。運用のしやすさもあるので普段はNikonのズームレンズを使い、ここぞというときには単焦点レンズを使います。
2. 写真-映像の切り替え時のオペレーションの良さ
秋田先生:現場では動画と同時に写真も撮ることも多くあるため、Nikonの動画⇔写真の切り替えが片手ワンタッチで完結できるオペレーションは特に現場で重宝します。
静止画においては感覚的なオペレーションの良さは重要です。
Nikonさん:Nikonの愛用者にはフォトグラファーが多くいますが、フォトグラファーであっても現場で動画撮影を求められることも最近は多く、求められることが多義にわたるフリーランスにとって重要なポイントになると思います。
3. 映画的描写ができるRAWデータ対応
秋田先生:映画的な表現に必要となるRAW(高度な色情報が含まれるフォーマット)をカメラ単体で収録できるメーカーは3社しかなく、Nikonにも対応機種があります。RAWをカメラ単体で収録できることは現場の作業効率に大きく影響します。
※実際に秋田先生がアパレルブランドの現場でRAW撮影で映画的な表現を行った実例を見せていただきました。
Nikonさん:こういった映画的な表現は通常であれば何倍も高額な機器を使わなければ撮れなかったもので、それが手に届く金額で可能になります。
秋田先生:映像は静止画と異なり、寄り引き・長尺短尺などで緩急を出すことがとても大事になりますが、レンズが良くなければ表現の選択肢が狭まるため、思った映像は撮れなくなってしまいます。それらをワンストップでできるNikonのカメラは、フリーランスのビデオグラファーとしては大変重宝します。
Q&Aコーナー
Q. 仕事用と作品用での撮り方に違いはありますか?
秋田先生 :自分なら、ポートフォリオ用に作品を作るなら、差別化を意識した1点(音、あるいは絵など)にテーマを決めて撮ります。作品を撮る流れは仕事と同等に行います。
Q. カメラはどの程度で買い替えますか?
秋田先生 :人によります。新しくすることでメリットがあるのなら買い替えます。ただし現場で壊れるのだけは絶対にNGなので、メンテナンスは大前提です。
Nikonさん :やはり現場で壊れないことは絶対なので、定期的に買い替える、複数台持つ、保険に入る、メーカーのサービスに入るなどの対策をすることは必須です。
Q. ロケハンなしの動画ってどうやるのですか?コンテは作れるのでしょうか?
秋田先生 :あの撮影現場の場合がコンテが作れなかったので、全て現場で判断のぶっつけ本番でした。現実にはそういう現場もよくあります。自分自身は現場で単なるカメラ操作以外の面がとても鍛えられたので、そこを特に伝えたいと思っています。ビデオグラファーはディレクターでもあり、撮る絵が最優先なので、オペレーションでモタついてはダメです。
Q. 他社の映像に強いカメラメーカーとの違いはなんですか?
Nikonさん :画質やボケ味はレンズに依存する部分が大きく、Nikonはレンズの技術を最大限に活かしたカメラ作りをしています。また、映像は新規参入であることを活かし、本来ならば高額な機器を使わなければできなかった次世代映像にも対応しています。レンズと次世代映像の2点は特にお伝えしたいポイントです。
最後に‥
一昔前であれば、映像を扱うためには大掛かりなカメラと高度な編集用のマシンが必要となり、敷居の高いものでしたが、現在はその敷居が下がっている分、一人で担当する範囲が多義に渡ります。
幅広い業務を一人で担当するフリーランスのクリエイターにとって、現場での感覚的な扱いやすさは創作そのものに影響するため、大変重要なものであることが伝わってきました。
加えて、レンズの性能の良さは作品の品質に直結します。Nikonのカメラはクリエイターにとってバランスがよいものと感じます。個人的には「レンズは資産」というNikonさんの言葉がとても印象に残りました。
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