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神戸でデザインスキルを活かすには? ― 広報・企画職やデザイナーを目指す人へ、現実性を考える ―

2025-04-23

はじめに

「グラフィックデザインを学んで、神戸で働きたい」
「デザインスキルを身につけて、広報や企画の仕事に活かしたい」


STUDIO三宮ではそんな声を聞くことが年々増えています。特に最近増えているのは、「絶対にデザイナーになりたいわけではない」という方です。たしかに、スキルを学んだからといって、必ずしもデザイナーになること、デザイン制作会社に勤めることだけが道ではありません。

ただ、実際に“デザイン制作会社ではない企業”でそのスキルを活かすことは現実的なのか?

本ブログでは、神戸の企業風土やITリテラシー・採用姿勢をふまえつつ、デザインスキルを活かした就職・転職の可能性を解説します。

神戸の企業文化とITリテラシーの特徴

神戸は港町として国際的に開かれていたため、さまざまな外国企業や貿易会社が進出してきました。こうした歴史を背景に、老舗企業や長年の技術を受け継ぐ中小企業が多く存在します。

一方で、阪神淡路大震災後の都市再生を経て、新たな技術や産業も積極的に取り入れてきました。バイオテクノロジーや医療分野など、最先端の分野への取り組みも活発です。

地場の老舗・中小企業は、家族経営や地域密着型の企業が多く、保守的な一面も

保守的な傾向

神戸には、明治・大正期から続くような老舗企業が今も多数存在します。こうした企業は、経営者が代々同じ一族である場合も多く、意思決定がトップダウンかつ慎重です。新しいシステムや外部のパートナー導入に対しても慎重な姿勢が見られがちで、「今までこれでうまくいってきたから」「変える必要がない」といった考え方が根強いこともあります。

一方で先進企業も存在し、ブランディングやDXに積極的な企業も増加中

ファッション/医療/IT/観光などはDXに積極的

その一方、外資系との接点も多く、ファッション産業や観光業が盛んです。また、ポートアイランドの産業都市を中心に先端医療やバイオ系ベンチャーも活発です。こういった業界はWebマーケティング・EC・SNSを駆使したブランド戦略などを進めている企業も多く、IT導入・DX化にも前向きなケースが目立ちます。

ITリテラシーにはばらつきあり。WebやSNSに明るい企業もあれば、紙文化が根強く残る企業も

デジタル先進型企業と紙文化が根強い企業

社内にWeb担当者や情報システム部門が存在し、クラウドツールを活用していたり、業務の効率化にITを取り入れている企業は徐々に増えつつあります。こういった企業は、SNSを使った販促や、SEO・広告運用を通じて顧客開拓を行っています。

逆に電子化されていない帳票や業務日報が紙で残っていたり、見積書・請求書などが手書きやFAXでやり取りされる企業もまだ存在するのが現実です。

広報・企画職を目指すのは現実的か?

そんな神戸において、未経験から広報や企画職を目指すのは現実的なのか。答えは【YES】です。むしろ、需要は高まっていると言えます。

多くの企業で、広報は営業や事務が兼任しているのが実情

中小企業やローカル企業では、専任の広報担当を置く余裕がないケースが大多数です。結果として、「誰かがついでに更新している」状態になっており、戦略的な広報ができていません。神戸の企業でも、Webサイトの情報が最新に更新されていなかったり、SNSが放置状態ということもあります。

SNS、Webサイト、紙媒体などの発信を「何とかやっている」状態

SNSを更新している企業だとしても、その投稿内容に一貫性がなくてブランドの方向性が見えなかっり、チラシや会社案内を外注で作っていても、発信の目的や効果測定が曖昧だったり。発信はしているけど、「伝えたいことが伝わっていない」企業もまだまだ存在します。

これから求められるのは「内製で発信できる人材」

外注に頼らず、自社でブランドを構築・発信できるスキルが重宝される

外部に頼むとコストがかかる、柔軟に動けない、社内の雰囲気が伝わりづらい…といった課題を感じている企業も増えています。そのため「自社の魅力を理解し、言葉とデザインで伝えられる人」が非常に価値ある存在になってきています。

専門性がなくても、デザインツールやSNSの基礎知識があれば即戦力になりうる

Canva、Figma、Instagramなどのツールに慣れているだけでも、大きなアドバンテージです。広報の実務である「画像加工」「投稿スケジューリング」「簡単な文章作成」「イベント紹介」などをできることで就職活動の武器になります。さらに高いレベルでの制作、内定を求める場合、Adobe IllustratorやPhotoshopの学習が効果的です。

インハウスデザイナーとしての採用はある?

それでは、次にインハウスデザイナーを狙う場合の可能性についてです。現実的ですが、企業の規模やフェーズによって温度差はあります。正社員の求人もあれば、「週3勤務」「副業的ポジション」「業務委託」など柔軟な形で採用されるケースも。もし、インハウスデザイナーとして活躍したいと考えている場合、以下のような+αの力が強みになります。


※インハウスデザイナーとは:企業や団体の社内で働くデザイナーのこと。外部のデザイン会社に依頼するのではなく、自社のブランドやプロジェクトのデザインを担当します。主に、広告・Webサイト・商品パッケージ・SNSコンテンツなど、さまざまなデザイン業務を自社内で行い、企業のブランディングやマーケティング活動を支える役割を担っています。

デザイン × SNS運用

SNSマーケティングに関する知識と、デザインのスキルを組み合わせることができれば、SNSアカウントにおけるビジュアル作成から投稿計画まで一貫して担当できる可能性があります。多くの企業がSNSを活用している今、適したデザイン(視覚的に目を引くもの、シェアされやすいもの)を作成できることは非常に重要です。

デザイン × 撮影・ライティング

自社のビジュアルコンテンツを内製化したいというニーズが増えているため、商品撮影や写真の編集スキルを持っていることも大きな強みになります。さらに、ライティング(文章作成)スキルも役立つ場合があります。たとえば、商品の説明文やSNSの投稿文、広告コピーなどを自分で作成できるとよいでしょう。

デザイン × 商品開発やユーザー理解

商品開発に関するスキルも高評価を得やすいです。デザイン視点で商品をどう魅せるか、ユーザーのニーズにどう応えるかを理解していると、より効果的なプロモーションを行えるからです。ユーザー理解を深めることができれば、ターゲットに適したデザインが可能になります。つまり、マーケット分析やユーザー調査の経験も企業にとっては非常にありがたいのです。

どんな業界がクリエイティブ人材を求めている?

おわりに:大切なのは「制作の先にいる相手を想像すること」

神戸の企業は完成したデザインや製品の見た目だけでなく、そのデザインがどのように地域とつながるのか、誰に届いているのかを大切にする傾向があります。だからこそスキルだけでなく「誰のために制作するのか」「何のために制作するのか」という視点=【デザイン思考】が非常に重要です。制作することを目的とせず、その先にいる相手のことを考えながら、キャリアアップを目指しましょう!

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