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【イベント】採用担当がぶっちゃける!

未経験から制作会社に飛び込むための「本当の」条件

2026-07-28

イベントレポート / 2026年6月18日 / デジタルハリウッドSTUDIO大阪梅田

「採用担当って、結局どこを見ているの?」——制作会社への就職・転職をめざす多くの人が抱くこの問いに、“採用する側”の2人が本音で答えるトークセッションが、2026年6月18日にデジタルハリウッドSTUDIO大阪梅田で開かれた。テーマは「未経験から制作会社に飛び込むための本当の条件」。当日語られた採用のリアルを再構成してお届けする。

1登壇したのは現役の“採用する側”2人

今回の最大の価値は、登壇者がどちらも実際に人を採用している立場だったこと。就活ノウハウを「教える人」ではなく、ポートフォリオを「受け取って判断する人」が、その基準を直接語った。

梅本卓弥氏 ── ケイズプロジェクト 取締役・クリエイティブディレクター

大阪と東京に拠点を持つ複合制作会社・ケイズプロジェクトで取締役・制作トップ(クリエイティブディレクター)を務める。大阪出身で、創造社デザイン専門学校を卒業後、広告制作会社を経て現職へ。業界歴はおよそ30年。グラフィックを起点に、紙媒体・Web・映像・イベント・店舗VMD・3DCG、さらに生成AIまで手がける複合制作会社で、社長が営業出身という横展開の強みが個性だという。クライアントはアパレル企業多数、学校関連プロモーション、スポーツ関連(ミズノ・ZETT・NSA日本サーフィン連盟など)、スターダストプロモーション(芸能)やスペースシャワーTV(音楽CH)、各種ユニフォームメーカー(BtoB)まで幅広い。

永田俊之氏 ── 株式会社アップポイント/デジタルハリウッド大阪校トレーナー

専門学校卒業後にアパレル業界で13年間、店舗運営や自社商品の企画にマネージャーとして携わる。35歳で退職し、創造社リカレントスクールでWebデザインを学び直したのち、2015年に株式会社アップポイントへ入社。Web制作を軸に、現在は企画営業として、検索やAI経由での見つけられやすさ(運用面)まで含めた提案を行う。2019年からはデジタルハリウッド大阪校でトレーナーを務め、松山デザイナー専門学校や岡山ビジネスカレッジなどでも非常勤講師として教壇に立つ。

そもそも「制作会社」は複合化している

Web・グラフィック・コーディング・映像・3DCG・AIは、現場で連携して一つの案件を形づくる。イベントの仕事が一件入れば、告知のためにWebサイトもSNSもフライヤーもVMDも映像も要る。入り口がWebでもグラフィックでも、隣接する職種の仕事がついてくる。だからこそ「自分はこれを勉強したからこの会社でなければ」と選択肢を狭めすぎない方がいい、というのが共通メッセージだった。とりわけAIは、3DCG・撮影・画像/動画生成・編集を横断してつなぐ存在になりつつあると梅本氏は語った。

2採用は「タイミング」── 落選は能力の否定ではない

この日もっとも繰り返されたキーワードが「タイミング」。どれだけ優れた人でも、会社が「いまはこのポジションが欲しい」状況と合わなければ採用には至らない。それは力不足ではなく、タイミングが合わなかっただけだという。永田氏は、デザイン力の高い受講生でも内定がなかなか決まらず不安になるケースを挙げつつ「最終的にはちゃんとした会社に決まっている」と語り、一度の不採用で諦める必要はないと励ました。

3マインド×スキルのバランス ── 未経験はスキル単体で戦わない

採用で見る要素は「スキル(技術)」と「マインド(人間力・社会人経験・前向きさ)」の二軸。スキルは当然求められるが、未経験者がスキル“だけ”で経験者と同じ土俵に立つと分が悪い。だからこそスキルに“プラスα”を載せる発想が要る——社会人経験、人間力、そして伸びしろ(ポテンシャル)だ。「キャリアを捨てようとしてしまう未経験者が多いが、これまでの経験は十分に武器になる」と永田氏は指摘した。

4ポートフォリオはどこを見られる?

作品の“質”より、ポテンシャルと優先順位

見るのは作品単体のクオリティだけではない。「何を一番に伝えたくて作ったのか」という優先順位と深掘りができているか。永田氏は、在学中に黙々と手を動かし、返したフィードバックを必ず実行して持ってくる姿勢に伸びしろを感じて声をかけた、という採用例を紹介した。

「2日かかった」を「2時間で」── 制作時間とキャパの感覚

あるバナーを「2日で作った」では仕事として成立しにくい。発注側が期待するのは短時間で同じクオリティを出すこと。そこで勧められたのが、ポートフォリオに「制作時間」と「勉強を始めてからの期間」を書くこと。学習開始2か月でこの仕上がりなら、1年でこれくらいの速さになりそうだ——と期待値(ポテンシャル)に変換してもらえる。

作品数は3〜4点で判断できる/Figmaという選択肢

「多いに越したことはないが、3〜4点あれば業務の感覚はおおむね判断できる」。未経験者がいきなりトップページを任されることはまずなく、まずは先輩の物量作業(EC画像の量産・色替え・レタッチ・モックの影づけなど)を巻き取れることが価値になる。制作ツールはWeb系ならWeb、紙系ならPDFでよく、迷えばFigmaが扱いやすい(PDF書き出し・リンク共有・アニメーション対応)。

5面接で見られているのは“態度”と“気づき”

スキルやポートフォリオの前に、会った瞬間の第一印象がある。挨拶や態度は面接の冒頭から評価に影響する。制作の仕事は黙々と向き合う一方で、現場ではメンバーをディレクションし、クライアントとも会話を重ねる。よく気がつくこと、配慮できることが仕事を綺麗に回す力に直結する。あわせて挙げられたのが整理整頓能力で、頭やデータが散らかっていると優先順位がつけられず、結局は残業につながるという。

6「クリエイティブでなければ」を捨てる ── 社会人経験は武器になる

クライアントのほとんどは一般企業だ。社内外でコミュニケーションを取り、チームで連携し、約束を守る——いま社会人としてやってきたことは、扱う対象が変わるだけでそのまま通用する。医療分野のクライアントには看護師経験が、自社EC・サイト運用には総務経理の経験が、専門業界にはその知識が活きる。とくにEC運用(楽天・Shopify など)の経験は、同じ仕組みを使う無数の会社で即戦力になる。「異業種だから関係ない」ではなく、「その業界を知っている人」としての価値がある、という視点だ。

7働き方は自由になった ── 時短・契約・リモート・副業

正社員・時短・契約・派遣・アルバイト、さらにはリモートや副業まで、会社によって考え方は大きく違う。ポイントは求人票がすべてを語っているわけではないこと。コンプライアンス上、書ける表現には制約があり、実態は面接で聞かないと分からない。働き方の条件はネガティブにではなく、PRとセットで前向きに相談する。年齢についても「売り方次第」で道は開ける、という言葉が繰り返された。

8制作会社はもう“ブラック”じゃない ── 生産性という考え方

「クリエイティブ業界はブラックなのでは」という不安にも、二人は正面から答えた。結論は「昔はそういう時代もあったが、いまはホワイト化が進んでいる」。要は時間で勝負するのか生産性で勝負するのかを自覚し、自分の売り方を選ぶこと。整理整頓やキャパシティの把握といった足元の力が、結果的に働き方の質を左右するという。

9動き出すヒント ── 求人がなくてもDM、希望は「言ったもん勝ち」

入りたい会社が求人を出していなくても、SNSのDMや問い合わせフォームからアプローチしてよい。ただしテンプレートのような営業メールは埋もれるため、自分らしさを出して簡潔に伝えるのがコツだ。希望する給料や働き方は自分から提示してよい(「言ったもん勝ち」)。また会社のホームページは“企業のポートフォリオ”——PRされる事業と稼ぎ頭は一致しないこともあるので、面接で「Webに出ていない実績はありますか」「業務や収益の比率は」と質問してみると、自分の経験がはまる“空き”が見つかることがある。

10まとめ:未経験から飛び込むための“本当の条件”

3時間に及んだトークセッションを貫いていたのは、「スキルは前提。その上で、自分という人をどう正しく・前向きに伝えるか」という一点だった。採用はタイミングであり、落選は能力の否定ではない。ポートフォリオでは優先順位・制作時間の感覚・伸びしろが見られ、面接では態度と気づきが映る。これまでの社会人経験や異業種の知見は、捨てるどころか武器になる。「御社ではこう活かせます」と前向きに変換して伝える——その視点の切り替えこそが、制作会社への扉を開く“本当の条件”なのかもしれない。

よくある質問(FAQ)

Q. 未経験でも制作会社に就職できますか?

A. 可能性はあります。採用担当者は「採用はタイミングであり、未経験でも社会人経験やポテンシャルを示せば道は開ける」と話しました。

Q. ポートフォリオは作品が何点くらい必要ですか?

A. 3〜4点あれば業務の感覚はおおむね判断できるとのこと。点数より優先順位・深掘り・制作時間の明記が重視されます。

Q. 面接で採用担当は何を見ていますか?

A. 第一印象・態度・気づき・整理整頓力など、スキル以外の「マインド」面も見ています。

Q. 40代・50代でも挑戦できますか?

A. 年齢で道が閉ざされるわけではなく「売り方・見せ方次第」。総務経理やEC運用などを入り口にする事例も紹介されました。

Q. 求人を出していない会社に応募してもいいですか?

A. DMや問い合わせフォームからのアプローチはあり。ただし自分らしさを出して簡潔に伝えるのがコツです。

迷ったら、まずは個別相談から

「自分の経験はどんな制作会社で活きるのか」「ポートフォリオをどう見せればいいのか」——一人で悩むより、専門のスタッフに相談を。

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