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フェルメール展 大阪の見どころ6つ|真珠の耳飾りの少女の謎・顔料・限定コラボ

2026-10-10

DESIGN EXPERIENCE REPORT

フェルメール展 大阪の見どころ6つ|真珠の耳飾りの少女の謎・顔料・限定コラボ デザインを学ぶ目線で、時代背景から名画のラスト展示、限定お土産までレポート

大阪中之島美術館で開催された「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 17世紀オランダ絵画の名品、奇跡の再来日」に参加してきました。 チケットは日時指定制で、抽選販売になるほど注目が高く、開幕前から大きな話題を集めた展覧会でした。 この展覧会には、名画を見るだけでなく、時代背景の解説、フェルメールの作品をまとめた映像、顔料の展示、絵を詳しく解説するパネル、著名人のコメント、 そしてミッフィーや『葬送のフリーレン』、さまざまな企業とのコラボ(一緒に作った商品)やお土産など、たくさんの工夫がありました。 デザインに興味がある方、勉強してみたい方に向けて、見どころをご紹介します!

この記事で分かること
  • 展覧会の見どころ6つ(時代背景の解説・まとめ映像・顔料の展示・名画のラスト展示・著名人のコメント・限定コラボとお土産)
  • 《真珠の耳飾りの少女》に注目したくなる理由と、「謎」を考えながら見られる解説パネル、子どもにも分かるミッフィーの解説
  • 「展示の仕方」から学べる、デザインの考え方
  • ミッフィー・フリーレン・さまざまな企業とのコラボ商品やお土産

OVERVIEW「フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展」とは:大阪中之島美術館で14年ぶりに公開

ヨハネス・フェルメールは、今から約400年前、17世紀のオランダで活躍した画家です。 オランダ・ハーグにあるマウリッツハイス美術館が持つ名画《真珠の耳飾りの少女》が、約120万人が訪れた2012年の展覧会以来、14年ぶりに日本で公開されました。 展覧会は、大阪中之島美術館だけでの開催でした。 入場には日時指定のチケットが必要で、チケットの販売は抽選となり、当日券の販売もありませんでした。それだけ注目の高い展覧会でした。

大阪中之島美術館の会場入口・展覧会看板

FEATURE 01 / BACKGROUND展示作品12点と時代背景の解説:風刺画はなぜ描かれた?

会場には、フェルメールの作品2点のほか、レンブラント、ヤン・ステーン、パウルス・ポッテル、マリア・ファン・オーステルウェイクなど、同じ時代の画家たちの作品があわせて12点並びました。 作品は、次の6つのテーマに分けて紹介されています。

  • 歴史画:昔の物語や出来事を描いた絵
  • 肖像画・トローニー:人の顔や表情を描いた絵
  • 風俗画:人々の暮らしを描いた絵
  • 教会内景画:教会の中のようすを描いた絵
  • 風景画:景色を描いた絵
  • 静物画:花や果物など、動かないものを描いた絵
展示されていた絵画

絵が生まれた「時代」を知る解説

展示では、それぞれの絵がどんな時代に、どんな理由で描かれたのかが分かる解説も紹介されていました。 例えば、風刺画(世の中や人々のおかしなところを、面白く伝える絵)がなぜ描かれるようになったのか、といった時代背景です。

ヤン・ステーンの《老いが歌えば若きが笛吹く》は、ことわざを題材に、にぎやかな家族の場面を描いた絵です。 当時のオランダでは、ことわざや教訓を絵にこめて、見る人に考えさせたり、笑ってもらったりする絵が楽しまれていました。 会場には、それぞれの絵についての解説も多く書かれていて、じっくり読むことで絵の知識が深まりました。絵だけを見て「きれいだな」で終わらず、「なぜこの絵が描かれたのか」を知ると、同じ絵でも見え方が変わってきます。

DESIGN POINT デザインにも、必ず「理由」があります。なぜこの色なのか、なぜこの形なのか。背景を知ると、見え方が変わります。 自分で何かを作るときも、「誰に」「何のために」を先に考えると、伝わるものになります。

FEATURE 02 / VIDEOフェルメールの全作品を実際の比率で見られる、まとめ映像

会場には、フェルメールの作品をまとめた映像もありました。長さ約20メートルの大きなスクリーンに、フェルメールの人生や繰り返し描いたもの(モチーフ)を紹介しながら、 世界各地にある作品を、実際の大きさの比率で並べて見せる内容です。さらに、《真珠の耳飾りの少女》の筆触(筆で絵の具をのせた跡)や光の表現を、拡大して見せる場面もありました。

フェルメールの作品をまとめた映像コーナー

同じ条件でそろえると、比べやすい

作品は世界のいろいろな美術館にあるため、普通は一度に見比べることができません。 映像で実際の比率にそろえて並べることで、大きさの違いや、繰り返し描かれたものを、一目で見比べられるようになっていました。

全体から、細かいところへ

まず全体を見せて、その後で一部分にぐっと近づく。この順番だと、見る人は「ここがすごいんだ」と気づきやすくなります。

DESIGN POINT 情報をたくさん伝えたいときは、「そろえて見せる」と「全体から細部へ」が役に立ちます。 チラシやスライド、アプリの画面を作るときにも使える、基本の見せ方です。

FEATURE 03 / PIGMENTS《真珠の耳飾りの少女》の顔料:10種類の絵の具が語る時代

展示では、《真珠の耳飾りの少女》を描くためにフェルメールが使った10種類の顔料(絵の具の元になる、色のついた粉)が紹介されていました。 ガラス瓶に入った色のついた粉など、実物の顔料も並んでいて、この絵に実際に使われた材料を知ることで、その時代を感じられる展示になっていました。

展示されていた顔料の実物(ガラス瓶に入った色のついた粉やラピスラズリの石など)

絵の具は、「粉」と「油」でできている

絵の具は、色のついた粉(顔料)と、それをくっつける材料(亜麻仁油というアマの種からとれる油)を混ぜて作られます。 今は、チューブに入った絵の具をお店で買えますが、17世紀には、こうした材料から絵の具を用意していました。

材料は、世界中から集まっていた

17世紀のオランダは、国どうしの貿易がさかんになった時代でした。そのおかげで、フェルメールは顔料の多くを、住んでいたデルフトの町で手に入れることができたそうです。 絵の材料にも、その時代の世の中のようすが映っています。

《真珠の耳飾りの少女》の、4つの場所

パネルでは、絵のいろいろな場所に使われた顔料が紹介されていました。そのうちの4か所です。

  • 目:ハイライト(光が当たって白く見えるところ)には、鉛白(えんぱく)という白い顔料が使われています。17世紀の画家たちはほとんどが使っていましたが、今は取り扱いが非常に危険だと分かっています。
  • ターバン:ラピスラズリという天然の石から作られた、高価な青い顔料のウルトラマリンが使われています。ラピスラズリは、アフガニスタンからもたらされた石です。
  • 耳飾り:真珠の耳飾りは、「幻想かもしれない」と紹介されていました。周りを示す輪郭線がなく、耳にかけるためのフックも描かれていません。100年以上前の修復(傷んだ絵を直すこと)のときに、光の部分が平らになってしまったそうです。
  • 唇:半透明の赤い絵の具には、コチニールが含まれています。メキシコや中米、南米のサボテンに住む昆虫から作られた赤い顔料です。

青い石は遠いアフガニスタンから、赤い顔料は中南米の昆虫から。一つの絵の中に、世界中の材料が使われていることが分かります。

DESIGN POINT 何を使って作るかという「材料」にも、ものづくりの物語があります。道具や材料が変わっても、「伝えたいことを形にする」という考え方は同じです。 今は、無料のアプリで誰でも好きな色を選べる時代。昔の画家よりも、ずっと始めやすい環境がそろっています。

FEATURE 04 / THE GIRL《真珠の耳飾りの少女》の謎:背景・真珠・少女は誰?を解説パネルで読み解く

展示室の一番最後に展示されていたのが、《真珠の耳飾りの少女》です。 時代背景の解説、まとめ映像、顔料の展示と見てきた後で、いよいよ実物の絵に出会う。クライマックスのような見せ方でした。

なぜ、この絵から目を離せなくなるのか

「少女の魅力」のパネルには、「なぜ私たちは《真珠の耳飾りの少女》から目を離せないのでしょうか」という問いかけがありました。 絵を目の前で見ると、複製(コピー)を見るよりも、ずっと強い気持ちが湧いてくるそうです。 私たちの視線は、少女の目から口、そして真珠へと自然に動き、また顔に戻ります。この動きの繰り返しが、心をとらえ続けます。 本物に出会えるからこそ味わえる、特別な体験です。

「少女の魅力」の解説パネル
  • 目と唇の白い点で、光って見える:小さな白い絵の具が点のように付けられていて、そこに光が当たって輝いていることを表しています。当時としては、とても珍しい描き方で、フェルメールならではの特ちょうです。
  • 色が少ないのに、鮮やか:使われている色は主に青と黄色。青には、ラピスラズリという石から作る、とても高価なウルトラマリンの絵の具が使われています。
「光の秘密」の解説パネル

パネルが投げかけた、4つの「謎」

絵のそばには、「謎」や「秘密」というタイトルの解説パネルがいくつも並んでいました。ここでは、その4つをまとめて紹介します。

  • 謎1「背景の謎」:今は黒い闇のように見える背景は、元は濃い緑のカーテンでした。最新の調査で分かったことです。長い年月の中で色は失われましたが、暗い背景が少女の顔の明るさを引き立てる効果は変わらず、少女が浮かび上がるように見えます。
  • 謎2「真珠の謎」:少女は、なぜこんなに大きな真珠を着けているのでしょうか。大きすぎて、不自然にも見えます。考えられるのは、この真珠がただの飾りではなく、何かを表すしるし(象徴)として描かれたのではないか、ということ。西洋の美術では、真珠は「純潔(汚れのないこと)」「知性(賢さ)」「愛」を表すものとして、よく描かれます。
  • 謎3「少女は誰?」:画家の娘、知人の娘、フェルメール家の使用人など、モデルについてはいろいろな説がありますが、はっきりしたことは分かっていません。この絵は、「トローニー」(頭部の習作、つまり人の表情を研究するために描く絵)というジャンルです。特定の誰かではないからこそ、「少女」は広く愛されるのかもしれません。
  • 謎4「モノグラムの秘密」:オークションで落札された当時は、絵の表面がひどく汚れていて、作者が分かりませんでした。修復で古いニス(絵の表面に塗ってある、薄い膜)が取り除かれると、画面の左上に「IVMeer」というフェルメールのサイン(名前の文字を組み合わせたモノグラム)が現れ、フェルメールの作品だと証明されました。
「モノグラムの秘密」の解説パネル

謎を考えながら見られる、興味が湧く設計

これらのパネルは、答えをいきなり説明するのではなく、まず「なぜ?」「誰?」と問いかけています。 そのため、見る人は絵を見ながら「どうして、こんなに大きな真珠なのだろう」「この少女は誰なのだろう」と、自分でも考えられます。 考えながら見ることで、絵に対する興味が湧きやすいように設計された展示でした。

子どもにも分かる、ミッフィーの解説

会場のところどころには、ミッフィーが登場する、子どもにも分かる解説パネルもありました。 例えば「絵が光って見えるわけ」では、ふりがなを付けたやさしい言葉で、目や唇の白い点が光を表していることを説明しています。 大人向けの解説とあわせて、子どもでも絵を楽しめるように配慮された展示でした。

ミッフィーが登場する子ども向けの解説パネル「200年間、どこにあったの?」

解説が多く、絵への知識が深まった

会場には、絵についての解説がたくさん書かれていました。「少女の魅力」「背景の謎」「真珠の謎」「少女は誰?」「モノグラムの秘密」のように、タイトルのついた解説パネルがいくつもあり、《真珠の耳飾りの少女》のそばで、絵を細かく解説していました。 実物の絵を見ながら解説を読むことで、見どころや背景を詳しく知ることができ、絵に対する知識がより深まりました。 「見る前に知る」と「見ながら知る」では、同じ絵でも、気づくことの量が大きく変わります。

DESIGN POINT 最初に「なぜ?」と問いかけると、見る人は自分で考え始めます。答えを教える前に、考える時間を作ることで、興味が長く続きます。 そして、見せたい順番を考えて、一番伝えたいものを最後(または最初)に置く。説明を添えて、見る人の「分かった!」を増やす。 さらに、子どもにも伝わるように、やさしい言葉とふりがなで説明するのは、「誰に伝えるか」を考えるデザインの基本です。 これは、ポスターやスライド、アプリの画面を作るときにも使える考え方です。

FEATURE 05 / VOICES著名人のフェルメールへのコメントで、見方が広がる

会場を出るまでの通路には、さまざまな著名人がフェルメールについて寄せたコメントも紹介されていました。 同じ画家についてでも、人によって魅力のとらえ方が違うので、コメントを読んでいくだけで楽しい時間でした。

会場を出るまでの通路に展示された、画家の言葉のパネル

同じものでも、見る人によって感じ方が違う

「光がきれい」「静かな感じがする」「不思議な魅力がある」のように、気になるところは人それぞれです。 ほかの人の見方を知ると、自分では気づかなかった見どころに出会えます。

DESIGN POINT デザインでも、自分が作ったものを人に見せて、感想を聞くことはとても大切です。 自分では気づかなかった良いところや、分かりにくいところが見つかります。作ったら、誰かに見せてみましょう。

FEATURE 06 / SHOPフェルメール展のグッズ・お土産:ミッフィー・フリーレン・企業コラボ

展覧会の最後には、特設ショップがありました。展覧会限定のコラボ商品やお土産がたくさん並び、さまざまな企業とのコラボお土産もあって、限定感がとても魅力的でした。

ミッフィーと『葬送のフリーレン』とのコラボ

本展のアンバサダー(展覧会の魅力を伝える役)は、フェルメールと同じオランダ生まれのミッフィー。 青いターバンと黄色い服の「真珠の耳飾りのミッフィー」は、《真珠の耳飾りの少女》の色づかい(青と黄色)を引き継いでいます。 『葬送のフリーレン』(山田鐘人さん原作、アベツカサさん作画)とも、本展のために描き下ろされたイラストでコラボしていました。

さまざまな企業とのコラボお土産

お菓子や日用品、ファッションなど、さまざまな企業が《真珠の耳飾りの少女》をデザインに取り入れた限定商品を出していました。コラボした企業は次のとおりです。

  • リーガロイヤルホテル
  • アンリ・シャルパンティエ
  • 中之島ラスク
  • ちひろ菓子店
  • 京阪ザ・ストア
  • 太陽ノ塔洋菓子店
  • サクマドロップス
  • 明色美顔水
  • ROOTOTE TABLO
  • TAGS WKGPTY
  • セイコー × ライトアップショッピングクラブ
ショップの入場券「SHOP TICKET」
DESIGN POINT 「ここでしか手に入らない」と思うと、欲しい気持ちが高まります。展覧会のためだけに作られた限定のデザインは、思い出を持ち帰るためのものでもあります。 コラボのコツは、元になるものの「良いところ」(ここでは色づかい)を残すこと。好きなものどうしを組み合わせる練習は、デザインを学ぶ第一歩にもなります。

コラボ商品の情報は、公式サイトの「グッズ・図録」ページ(https://vermeer2026.exhibit.jp/goods/)をもとにしています。

SUMMARYまとめ:フェルメール展で身につく、デザインの見方

今回の展覧会は、絵を見るだけでなく、時代背景の解説、まとめ映像、顔料の展示、絵を詳しく解説するパネル、著名人のコメント、そしてキャラクターや企業とのコラボと限定お土産など、さまざまな方法で名画の魅力を伝えていました。 さらに、絵についての解説が多く書かれていて、詳しく読めることで、絵への知識が深まる展覧会でもありました。パネルが「なぜ?」という謎を投げかけてくれるので、自分でも考えながら見られ、絵に興味を持ちやすい工夫もありました。ミッフィーが登場する子ども向けの解説もあり、見る人に合わせた配慮も行き届いていました。どれも、「どうすれば見る人に伝わるか」を考えた、デザインの工夫でいっぱいです。

展覧会に行くときは、次の3つの質問を持って見てみてください。

  • この見せ方は、誰に向けたもの?
  • どうやって、分かりやすく伝えている?
  • なぜ、この材料や見せ方を選んだのだろう?

今回の展覧会は2026年9月27日で終了しましたが、この見方は、ほかの展覧会や、町のポスター、お店、アプリを見るときにも使えます。 そして、見て気づいたことを、自分でも作って試してみる。それが、デザインを楽しく学ぶ第一歩です。 「もっと詳しく、基礎から学んでみたい」と思ったら、ぜひ次のステップも考えてみてください。

展示室に飾られた《真珠の耳飾りの少女》

デザインを、基礎からじっくり学んでみたい方へ

デジタルハリウッドSTUDIO大阪梅田では、未経験からUI/UXデザインやWebデザイン、グラフィックデザインを学べるカリキュラムをご用意しています。 スクール説明会では、カリキュラムの詳細や学習環境について個別にご案内しています。

参考:フェルメール《真珠の耳飾りの少女》展 公式サイト(https://vermeer2026.exhibit.jp/)
会場:大阪中之島美術館(大阪市北区中之島4-3-1)/会期:2026年8月21日〜9月27日(終了しました)

EDITOR PROFILE
デジタルハリウッドSTUDIO編集部

デジタルハリウッドSTUDIO編集部は、全国に展開する「デジタルハリウッドSTUDIO」のスクール運営・広報チームによって構成されています。

Web・映像・デザイン・UI/UXなどを学ぶ受講生一人ひとりの学びと挑戦を日々サポートしてきた経験をもとに、STUDIO現場のリアルな声や卒業生インタビュー、最新の学習トピックスなど、クリエイティブな学びに役立つ情報を発信しています。

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