2026年9月12日(土)、デジタルハリウッドSTUDIO広島にて、Webデザイナー専攻主婦・ママクラス1周年記念セミナー「『このままでいいのかな?』から考える広島で見つける私らしい働き方」を開催しました。
当日は、主婦・ママクラス創立者でキャリアコンサルタントの黒川紀子さん、主婦・ママクラス卒業生の谷村美佳さん(STUDIO広島)、北崎栞さん(STUDIO吉祥寺)が登壇。
モデレーターをSTUDIO広島オーナーの久保田涼子先生が務め、これからのキャリアや働き方、Webデザインを学ぶことで広がる可能性についてお話しいただきました。
「今の働き方をこのまま続けていいのかな?」
「子育てをしながら、新しいことに挑戦できるだろうか」
「未経験からWebデザインを学んで、本当に仕事につながるの?」
そんな不安や迷いを抱えている方にも、これからの一歩を考えるヒントが詰まった時間となりました。
■ 「未経験=キャリアがゼロ」ではない
まずは、主婦・ママクラス創立者の黒川さんから、Web業界や働き方の変化についてお話しいただきました。
この10〜13年で、Webやデザインを取り巻く環境は大きく変化しています。
かつては「バナーをつくる」「Webサイトをつくる」といった制作スキルそのものが仕事につながりやすい時代でしたが、AIの登場などによって、求められる力も少しずつ変わってきています。
そんな中、黒川さんから伝えられたのが、
「デザイン未経験=キャリアがゼロではない」
ということ。
これまで事務や営業、接客、子育てなどを経験してきた方には、すでに培ってきた力があります。
Webデザインを学ぶことは、これまでのキャリアをすべてリセットすることではありません。
今までの経験に、新しいスキルを掛け合わせていくこと。
「Web×事務」「デザイン×バックオフィス」「Web×DX」など、これまでの経験を活かすことで、仕事の選択肢を広げていくことができます。
■ AI時代だからこそ、「人に寄り添う力」が大切
AIの進化によって、Web制作やデザインの仕事も変わり続けています。
だからこそ大切なのは、AIと競うのではなく、AIと共存していくこと。
制作そのものを効率化できる時代になっても、
「この人にお願いしたい」
「最初から最後まで、この人に任せたい」
と思ってもらえるような、お客さまの課題を理解し、寄り添いながら提案する力は必要です。
実際に、制作だけではなく最初から最後まで一貫して任される仕事が増えたという声もあるそうです。
クリエイティブスキルだけでなく、コミュニケーション力や課題解決力、これまで仕事や生活の中で培ってきた経験も、これからのキャリアをつくる大切な力になります。
そして、
「一気に変えなくていい。小さな一歩から」
という言葉も印象的でした。
■ 未経験から学んだ卒業生2名のリアルなキャリア
続いて、主婦・ママクラス卒業生の谷村さんと北崎さんから、Webデザインを学んだきっかけや現在の働き方についてお話しいただきました。
谷村さんは、育児や家事をしながら、STUDIO広島でWebデザインを学び、卒業後はEC販売会社へ転職。現在はWeb関連の業務を担当しています。
北崎さんも、育児や家事をしながらSTUDIO吉祥寺で学び、現在はWebデザイナーアシスタントとして働きながら、フリーランスとしても活動しています。
お二人とも、最初から明確に「Webデザイナーになる」と決めていたわけではありませんでした。
Webデザインを選んだ理由について、
谷村さんは「楽しそうだなと思った」。
北崎さんは「在宅でできる仕事の選択肢のひとつとして」。
と話してくださいました。
「ちょっと興味がある」
「今とは違う働き方をしてみたい」
そんな気持ちも、新しいキャリアを考える十分なきっかけになります。
■ 子育てと勉強、本当に両立できる?
主婦・ママクラスを検討するときに気になるのが、
「子育てや家事をしながら、勉強する時間をつくれるの?」
ということではないでしょうか。
谷村さんが意識したのは、「人とモノに頼ること」。
乾燥機付き洗濯機などを活用して家事を減らしたり、家族に協力してもらったりしながら学習時間を確保。
特に、最低限の睡眠時間を確保することは大切にしていたそうです。
一方、北崎さんから出たのは、「両立は諦めた」という、少し意外な言葉でした。
もちろん、学ぶことを諦めたという意味ではありません。
家事も育児も仕事も勉強も、すべてを今までと同じ基準で完璧にこなそうとするのではなく、自分の中の基準を下げたということ。
「両立」の基準は、人によって違います。
誰かのやり方に合わせるのではなく、自分や家族に合った方法を見つけていくことも、学びを続けるための大切なポイントです。
■ 「Webデザイナー」だけで探さない。仕事の探し方にも工夫を
セミナーでは、Webスキルを活かした仕事の探し方についても具体的な話がありました。
黒川さんから紹介されたのは、「Webデザイナー」という職種名だけに絞らず、
「Web×事務」
「DX」
「バックオフィス」
「BPO」
など、これまでの経験と新しく身につけたスキルを掛け合わせて探す方法。
「Figma」など、使用できるツール名から求人を探す方法も紹介されました。
Webデザインを学んだからといって、必ずしも「Webデザイナー」という肩書きだけを目指す必要はありません。
久保田先生からも、
「みんなデザイナーになりたいというより、働き方を変えたい人が多いのでは?」
という問いかけがありました。
今までの仕事にWebスキルをプラスする。
副業として始める。
会社員とフリーランスを組み合わせる。
複数の仕事を持つパラレルワークを選ぶ。
スキルを身につけることで、自分に合った働き方を選べる可能性そのものを増やすことができます。
■ 人とのつながりも、仕事につながるきっかけに
仕事を見つける方法は、求人サイトだけではありません。
講師やクリエイター同士のつながりの中で、「こんなことができる人はいませんか?」と、クローズドで仕事の相談が生まれることもあります。
久保田先生からは、気になる会社があれば求人サイトだけでなく、企業のお問い合わせフォームなどから「なぜこの会社で働きたいのか」を伝えてみるのもひとつの方法、というアドバイスもありました。
スクールで学ぶことは、スキルを身につけるだけではなく、人や仕事との新しい出会いにつながる可能性もあります。
■ スキルを身につけたことで変わったこと
「Webデザインを学んで、自分自身にどんな変化がありましたか?」という質問に、谷村さんは、
「自分のできることが広がった」
と話してくださいました。
一つずつできることが増え、何かを達成した経験が自己肯定感にもつながったそうです。
北崎さんも、実際の仕事の中で制作物を提出し、失敗なども経験しながら仕事を続けてきたことで、それが少しずつ自信になったといいます。
また、「AI時代にクリエイティブスキル以外で必要な力は?」という質問には、
谷村さんから「自分で学び続ける力」。
北崎さんからは「人間力」。
という言葉が出ました。
谷村さんは転職活動の面接でも、単純なデザインスキルだけではなく、課題にどう向き合うのかという課題解決力を見られていたと感じたそうです。
北崎さんはAIを「最高の相棒」と表現。
AIを活用しながら、人にしかできないことを磨いていくことも、これからの働き方を考えるうえで大切になりそうです。
■ 「これまでの私」から「これからの私」を考えるワークショップ
セミナー後半では、「これまでの経験から、これからの私を見つける」をテーマにワークショップを実施しました。
会場参加・オンライン参加の皆さんが、それぞれこれまでの経験や好きなことを付箋に書き出し、グループで話しながら自分を表す「3つのタグ」を発見。
さらに、「今の私 × 身につけてみたいスキル=どんなことができる?」を考えました。
新しいキャリアを考えるとき、つい「自分には何もない」と思ってしまうことがあります。
でも、これまで経験してきた仕事や子育て、趣味、好きなこと、人からよく頼られること。
一つひとつを振り返ってみると、次のキャリアにつながるヒントが隠れているかもしれません。
■ 明日からできる“小さな一歩”を
最後に久保田さんから、地域社会におけるデザイナーの必要性や、偶然の出会いや出来事をチャンスにつなげていく「偶キャリ力」についてのお話がありました。
人生は、自分自身が決断したことの集大成。
だからといって、明日から人生を大きく変える必要はありません。
気になる仕事を検索してみる。
スクールについて調べてみる。
誰かに相談してみる。
興味のあるスキルについて調べてみる。
明日からできる小さな一歩を、自分で決めてみる。
そこから、今まで想像していなかった働き方につながっていくこともあります。
セミナー終了後には黒川さんや久保田先生による個別キャリアカウンセリングや交流会も開催。
登壇者と参加者、参加者同士で働き方や学びについてお話ししながら、新しいつながりが生まれる時間となりました。
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