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グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

2026-08-09

こんにちは!グラフィックデザイン講座4月生の河内です。
今回は、8月9日に開催された卒業制作発表会の様子をレポートします!

4月にスタートしたグラフィックデザイン講座も、いよいよ最終回。名刺、ロゴ、チラシ、広告と積み重ねてきた4ヶ月間の学びを、それぞれが自分の案件に注ぎ込んで発表する日です。

会場にはギャラリーの皆さんも集まって、あたたかくも真剣な空気に包まれた1日となりました。

3名の受講生のプレゼンテーション内容と、講師・受講生・ギャラリーからのリアルなコメントやフィードバックをレポートします!

グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

■ 受講生の作品紹介とフィードバック

ヘアサロン「noki」ロゴ&オープニングノベルティ制作案(受講生・Iさん)

トップバッターは、本業が美容師であるIさんのプレゼンテーションです。
2026年秋に開業を予定しているご自身の美容室「noki(ノキ)」のロゴとオープニングノベルティの制作案が発表されました。 7月の広告課題からさらにブラッシュアップされた、実案件ならではの熱量あるプレゼンです。

グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

プレゼンテーションの内容

店名の由来

店名「noki」は、オーナーであるIさんご自身の名前と、漢字の「軒」に由来します。軒先のようにふらっと雨宿りできる、誰でも気軽に立ち寄れる場所にしたいという想いが込められています。愛犬のブランちゃんが看板犬としてシンボルになる予定です。

目的とターゲット

移転を伴う開業のため、既存のお客様への感謝、グッズ利用によるファン化、新エリアでの新規顧客へのアプローチ、紹介の促しの4つを目的に設定。既存客である20〜30代女性を中心に、犬好きの方や近隣で癒しを求めている方まで視野に入れました。

リサーチと制作物

ヘアサロンやコーヒーショップのノベルティ事例を調査し、ショップカード、ステッカー、缶バッジ、エコバッグの4種類を使用例(モックアップ)まで含めて制作。秋のオープンに向け、11月の配布を目指します。

デザイン

ロゴは油性ペンで紙に書いた文字を撮影・トレースした手書き文字を採用し、緊張感を与えないリラックスした雰囲気を表現。看板犬ブランちゃんのモチーフは、あえてシンプルで無表情に仕上げ、ゆるさと親しみやすさを両立させました。

佐藤先生からのフィードバック

  • 途中段階を何度も見せてもらっていましたが、初めはストーリーが伝わりにくかったものが、一回でわかるストーリーのある企画書に変わりました。そこがまずすごく良かったです。

    名刺課題のときはパスで作ったおしゃれなものをたくさん作られていましたが、今回は手書きに挑戦されて、すごく可愛く仕上がっていました。この耳とヒゲが重なっているところも「あえて」ですよね。自分ならうるさいかなと思って離れてしまうところを、シュナウザーのモサモサ感として残しているのが素晴らしいです。

    色の使い方もうまくなりました。エコバッグの白はシンプルでとても可愛いです。細かい点では、企画書のカタカナと漢字の開き方を揃えるとより読みやすくなります。それ以外はいいかなと。やっぱり実案件なので、気持ちが入っていてまとまりのあるものにできたと思います。

受講生・ギャラリーからのコメント

受講生・私(河内)

  • 押しつけないけど近づいてみたくなる世界観が、一貫性をもって伝えられていました。そのうえで、今までで一番「血の通ったプレゼン」だと感じました。

    カラーリングが強みということなので、そこはもっと見せてもいいのかもしれません。SNSに上げているお客様のビフォーアフターを企画書に載せると、それ以上に雄弁に強みを語るものはないので、説得力が増すと思います。

    毎月ひとつ何かしらのスキルをマスターされていて、同じ受講生としていつも刺激を受けていました!

受講生・Tさん

  • 「気軽にぷらっと立ち寄ってほしい」「雑談だけでもいい」というお店の説明はよくありますが、Iさん的には本当に雨宿りだけで行っていいんですか? サービスを受けないのにお店に行くのはお客さんからするとハードルが高いので、そこをどう伝えるかは考えどころかもしれません。

グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

阿多田島汽船 コミュニケーション施策のご提案(受講生・河内)

続いて私(河内)から、広島県大竹市の小方港と阿多田島を結ぶフェリー会社「有限会社 阿多田島汽船」様をクライアントとした、コミュニケーション施策のご提案を発表しました。
3月の初回ヒアリングから、講座期間の4ヶ月を含めて、クライアント様と密にやり取りを重ねながら取り組んできた実案件です。

グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

プレゼンテーションの内容

前提と強みの発見

同社は阿多田島と本土を結ぶ唯一の定期航路を、1日10便5往復・社員わずか10名で支えています。乗客数はコロナ禍前から約1万人減って年間約6万人、島の人口も15年間で約2割減少。
一方、今年の第2回「御船印総選挙」では全国1位を獲得し、御船印約500枚の多くは、船に乗らない応援目的の購入でした。乗る人は減っているのに応援する人は増えている──ここに「応援される力」という強みがあると考えました。

課題設定

その源泉は、待合所の事務員さんのお二人のホスピタリティ。しかし「船に乗らない人でも気軽に立ち寄れる待合所にしたい」という強い想いは、同時にお二人へ負担とリスクが集中する構造も抱えていました。
そこで課題を「属人化を解消し、応援される力を続けられる形にする」と定義しました。

アプローチA:人がいなくても成立する接点をつくる

待合所ロゴのコンセプトは「島と本土、人と人がつながる港の縁側」。三角屋根をハンコのようなカスレとにじみで表現し、色は1色に。あえて色を固定せず多色展開を許容することで、「思い思いに使われてほしい」という事務員さんの想いを運用ルールにも反映しました。
あわせて、島の案内図や時刻表など「毎日そこにあるのに誰も写真を撮らないもの」をアクリルキーホルダー化。全8種のうち4種はテスト販売が決定しています。

アプローチB:コミュニケーションの担い手を増やす

公式キャラクター「いわこ」は、瀬戸内海の食物連鎖の土台であり、島の主力産業いりこの原材料でもあるカタクチイワシがモチーフ。小さいけれど海と島を支える大切な存在という点が、島にとっての阿多田島汽船と重なります。いわこの大きな口はカタクチイワシの特徴そのもの、濃紺はイワシの背とフェリー「悠風」の船体色に由来しています。性別・年齢は設定せず、人格は3層で設計しました。
展開物はLINEスタンプ全24点、役割を分けたポスター2種、いわこを誰でも運用できるようにするためのスタイルガイド。脚の線が細いため印刷限界を実測検証し、「基本3pt・脚だけ6pt」という作画ルールも仕様化しました。

制作全体のルールとして、小さな会社でも運用できるよう「色数を少なくする」、そして「完璧に整えない(不完全だからこそ応援したくなる)」の2つを設定
今後はキーホルダーのテスト販売、ポスターの掲出、LINEスタンプの販売へと進んでいきます。

佐藤先生からのフィードバック

  • 多分、今まで見た中で一番完成度が高い企画書だったんじゃないかなと思います。課題から解決策に至るストーリーが明確で、最後まで見ると本当に実行したくなる説得力があります。スタイルガイドまで作られているのは見たことがなかったので、まず企画書がすごいなと思いました。

    もう一つは、ロゴとイラストの完成度がめちゃくちゃ高い。地方の小さな会社だと、どうしてもゆるキャラっぽい完成度の低い感じになりがちなんですけど、これはゆるキャラじゃない。ちょっと緊張感があるくらいのキャラに仕上がっています。

    コピーのセレクトも可愛いし、フォントの選び方もいい。コピーライターでもやっていけそうです。イラストレーターという道もあるし、プランナーという道でもいいんじゃないかというくらいでした。

    気になった点を挙げるなら、ポスターまわりのグラフィックが少し寂しい気がしました。文字がもう少し見やすいとどうかな、とは思いましたね。

受講生・ギャラリーからのコメント

ギャラリーから①

  • 自分の手を離れても持続できる仕組み(スタイルガイド)まで設計されていて感動しました。単なるツール制作にとどまらず、もっと先の未来や本質的な課題解決を見据えていますね。

    私は目の前のことに一生懸命になってしまうので、もっと広げるにはどうしたらいいか、もっといろんな人に受け入れてもらうにはどうしたらいいかというところまで見ている視点に驚きました。その考えにどうやってたどり着いたのか、紆余曲折をお聞きしたいです。

ギャラリーから②

  • ここまで視座高く見られるのがすごいなと思いました。自分だと、何かを開催するときに近場の人から広げていこうという考え方しかできなかったので。その考え方を自分ならどう活かせるのかを知りたいです。

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生花販売&カフェ「Flower shop Hikari」ブランディング提案(受講生・Tさん)

最後はTさん。ご友人が将来開きたいと話しているという花屋さんのブランディングを、ロゴとショッパーを中心に提案されました。広島市内に開業予定の、生花販売とカフェを併設したお店です。

グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

プレゼンテーションの内容

ショップコンセプト

「一杯のコーヒーと一輪の花は、人も街も豊かにする」。
カフェを併設することで、花が目的でなくても気軽に入れる空間を目指します。現状、花を買うことは「特別な日」「女性のもの」というニュアンスが強いため、そのトーンを下げて日常的に使えるものにしたい。花を持って歩く人が増えれば、広島という街も、この街が掲げる平和という部分も、もっと豊かに押し出していけるという願いが込められています。

目的と課題

目的は認知獲得とブランディング。街中でショッパーを持ち歩いてもらうことで「あのお店なんだろう」と気になるきっかけをつくります。
課題は2つ。ひとつはロスフラワーで、生鮮品ゆえに廃棄率が高く、売れ残るから価格を抑えられないという負の循環に陥っていること。もうひとつは「花は女性が楽しむもの」「男性から女性に特別な日に贈るもの」というジェンダーバイアスです。
過去1年間に自分用に切り花を買った経験がある人は、女性30%に対し男性15%と2倍の開きがあることが農林水産省の調査から引用されました。

ロゴデザイン

花のデザインは丸みを帯びがちですが、「既存の花のあり方ではだめだ」というオーナーの考えを受け、あえてフラットに抽象化し、グラデーションの交差で花びらの奥行きを再現。日常で変わらないものとして「日が昇り、日が沈む」要素を取り入れ、オーナーの名前「光」ともリンクさせました。温かくエネルギーのある人柄をオレンジの濃淡で、人が交差し広がっていく部分をライトブルーで表現し、モノクロ1色での検証も提示しました。

革新的なショッパー開発

ショッパー用ロゴは、散っていく花と右肩上がりに進む屋号という相反する動きで、既存の花の価値観へのカウンターとこれからの花屋のあり方を同時に表しています。ショッパー本体はテイクアウトのコーヒーカップを差し込んで固定できる切り込みを設計し、右利き・左利きどちらでも対応。片面に花屋、もう片面にカフェのロゴを配して二面性を表現しました。

なお、Tさんは発表の3週間ほど前に案件そのものを変更するという出来事があり、限られた時間の中での初めてのパッケージデザインとなりました。「右往左往しましたが、皆さんのおかげで何とか着地することができました」と締めくくられていました。

グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

佐藤先生からのフィードバック

  • 3週間くらい前に案件を変えて、企画書も2日前の段階ではできていなかった。昨日ゼロから100になったんですよね。そう考えると、すごくまとまってわかりやすい形になっていたと思います。

    一番いいなと思ったのは、このモックアップのアイデアです。コーヒーと花を一緒に持てるものは見たことがなかったので、あのアイデアを出したのはさすがだなという気がします。ぜひ実現してほしいです。

    紙は今、想定している紙ではないんですよね。実際にご本人にプレゼンするときには、この紙自体に印刷して完成度を高めると、よりいいんじゃないかなと思います。

    Tさんは初めからなんですけど、デザインに独特なセンスがあって、どちらかというとアーティスト寄りな感じを受けていました。このロゴもすごく面白い。「散っていく花と右肩上がりに進む屋号」というのも哲学っぽいというか深い感じがして、Tさんらしい考え方だなと思いました。実際に仕事をしていくといろんな制約が出てくると思いますが、その感性は大切にしてもらえたらいいかなと。

    このシンボルマーク、花屋さんには確かにない感じですね。最初に出てきた店長さんの写真の雰囲気にも近い気がします。

受講生・ギャラリーからのコメント

ギャラリーから

  • 私はアイスコーヒーを飲むので、持ち帰るときに花も一緒に持っていくのは素敵だなと思いました。こういうものを持ち歩く人が増えたら、花を見てイライラする人はなかなかいないので街も豊かになるなと。

    それに花を買いに行くとアレンジメントの待ち時間が長くて、「店内を見ていてくださいね」と言われても暇なんですよね。カフェがあると全然退屈しないし、両方がつながるとすごく豊かでいいなと思いました。

受講生・私(河内)

  • 案件変更もあって苦しんだ時間もあったと思いますが、ロゴのように右肩上がりで今日ピークを持ってこられたのなら、あの時間は必要な時間だったんだと思います。

    原稿なしのプレゼンは素晴らしかったです。説得力があるし、安心して聞けました。言っていることがスッと入ってくる。内容ももちろんいいのですが、このプレゼンへの臨み方がすごくプラスになっています。

    スライドの情報も整理整頓されていてわかりやすかったです。助けてもらったと謙遜していましたが、仕事はなかなか一人ではできないもの。いろんな人の力を借りて今日ここまで持ってきたことは、自信を持っていいと思います。

■ 総評と修了式

発表会の終盤には、東京からオンラインで温かく見守ってくださっていたSTUDIO広島オーナーの久保田先生からも総評をいただきました。

  • 今回のグラフィックの受講生の皆さんは、本当に「ザ・実案件」で、自分の課題をしっかり持ってこられているなという印象がありました。それぞれ色が違っていて面白いなと思って見ていました。

    架空案件に取り組むと「誰のために、何のために」というところが薄くなってしまう。皆さんはその本質的な部分を考えて、何のためにこれを作るのか、作ったあとどうなるのかというところまで考えて企画書を書かれていました。

    これからAIでグラフィックも簡単に作られる時代になる中で、意図を持って作るということはすごく大切になると思います。ぜひその感覚を忘れずに、卒業後それぞれの目標に活かしていただけたらと思います。

グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

総評の後は佐藤先生から一人ひとりに修了証書が授与され、全員で笑顔の記念撮影を行いました。

グラフィック講座4月生「卒業制作発表会」レポート

■ おわりに

入学してから4ヶ月間。名刺課題から始まり、ロゴ、チラシ、広告、そして今回の卒業制作まで、手と頭をフル稼働させて走り抜けてきました。3名とも実在するクライアントや、これから本当に立ち上がるお店を相手にした案件だったからこそ、「誰のために、何のために作るのか」という問いから逃げずに向き合った4ヶ月だったのだと思います。

単にデザインソフトの使い方を覚えるだけでなく、「誰のどんな課題を解決するのか」というデザインの本質に向き合い続けた日々は、私たち全員にとってかけがえのない財産となりました。

4ヶ月間ご指導いただいた佐藤先生、温かくサポートしてくださったデジタルハリウッドSTUDIO広島のスタッフの皆さん、そして切磋琢磨し合えた同期の皆さん、本当にありがとうございました!

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