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「トラブルを防ぐ~受注のコツ~」特別ライブ授業

2022-02-27

フリーランス入門講座では、WEBデザイナー専攻コースに加えて、独立開業のための「4つのコツ」を伝授する特別ライブ授業を開催しています。受注や経理事務、独立や開業についてのコツについてデジハリトレーナーや外部講師などを招いて伝授します。 第3回目は「トラブルを防ぐ~受注のコツ~」をテーマに、株式会社LIG広島支店長、いいオフィス広島(中区千田町)支配人の内藤昌史さんをゲスト講師に迎え、お仕事を受注する前後の注意点や、トラブル回避法など解説していただきました。

講師

内藤昌史(ないとう・まさし)  株式会社LIG広島支店長 東広島市出身。ウェブディレクターとして活躍中

お仕事獲得の第一歩は「営業活動・お問い合わせの獲得」

㈱LIG広島支店開設当初は、本社(東京)と比べ地元での認知は低かったですね。当然、お問い合わせも少なく、待っていても仕事が来ない状態でした。当然、営業活動をしなければ、案件は来ません。フリーランスにせよ、会社設立当初はどこでも同じ状況です。まずは会社(個人)の認知を上げることが大事です。

ここでのポイントは、

    1. ウェブでのPR(空中戦)は時間がかかる
    2. 知り合いの数を増やすことが認知度を上げることにつながる。
    3. 実績が大事。案件がなくても作り続けていくことが大事。

「着実に足を使って、知り合いを増やすことが大事」と私の経験を振り返って今でも感じています。

2番目のステップは相手を理解するための「ヒアリング」

お仕事獲得の2番目のステップは「ヒアリング」です。営業活動を通じて、徐々に相談を持ち掛けられる関係が出来上がってきます。
そこで、ご相談など課題解決のためにヒアリングする際には、次のことを押さえておく必要があります。

おさえておくべきポイント

  • クライアント情報 (ビジネスモデル、業界や競合企業のこと、強みやブランドについて)
  • ウェブ制作の条件・予算・内容
  • 受注するウェブ制作の範囲やどんな素材の提供が可能か
  • ウェブ制作に係る予算やスケジュールのこと
  • クライアントの企業組織体制や業界で置かれた環境について
  • ウェブサイト制作の目的について
  • ウェブサイトのデザインなどの要望点
  • CMSを同時に導入したいなどの要望について

ヒアリングで押さえておくべき内容は、大きく4つがあげられます。まず最大の目的としたいのは「クライアントビジネスの理解」です。これから幅広い業種へ営業活動を継続するうえで、ヒアリングの機会を通じて「クライアントビジネスの理解」を深めることは、今後の営業力にもつながります。次に、ウェブ制作の企画書づくりに欠かせないマーケティングデータの材料とするための「クライアントの強みや属する業界の特徴などを聞き出しておく」ことです。

3番めのステップ、クライアントとゴールをすり合わせる

3番目にはクライアントがウェブサイト開設で、何をゴールにするのかを明確にしておくこと。最後に、クライアントの置かれた状況を客観的に分析しつつ、要望がサイト制作で実現可能かを見極めておくことです。
これらのヒアリングの出来栄え、解像度が高ければ高いほど、顧客の困りごとに迫れるはずです。しかし、クライアントは自分の都合で主観的に話しがちです。短絡的に判断するのではなく、客観的に分析することが大事です。クライアントにとって、サイトを作ってどんな意味があるのか?コーポレートサイトなどの場合、なぜ必要なのか?誰に見てほしいのか?閲覧したあと、どんなアクションを期待しているのか、など根掘り葉掘り聞きだしておくことが大事です。クライアントの理解が進むと、対応する担当窓口の立場になっての対応や予算設定など考える場合もあります。ビジネスパートナーとして関係を継続させるためには、そういったことが必要なケースもあります。現実的な話では、リピートの方が利益率が高い場合もありますし、関係強化されると、その後のコミュニケーションコストが抑えられるメリットもあります。

4番目のステップ「契約・ご発注について」

お仕事獲得までの4番目のステップは「ご契約・ご発注について」です。この特別ライブ授業のテーマになっています「トラブルを防ぐ~受注のコツ~」では大事なステップになります。実際、入金トラブルが営業トラブルでも最もダメージが大きいですね。以下を参考に注意して制作したいところです。

  • お見積書ののちに、仕様書、契約書、発注書を用意し、契約成立となります。
  • 仕様書:制作の仕様がわかるもの(ページ数・作業範囲・仕様要件・納期など)
  • 契約書:仕様書に対する業務委託契約(仕様書とセットで機能するものを用意)
  • 発注書:お見積書に対する発注書(ご依頼いただいた証拠資料としても保管)

実際、契約書には入金についての期日など明記してあるのですが、期日の設定がクライアントとLIGで違っていて、「まだ入金がない!」なんてこともありました。あまりガチガチもよくないですが、程よい柔軟性をもって対応していくことも大事です。
改めて「ご契約・ご発注について」のポイントをまとめておきます。まず書類作成など手間がかかる作業ですが、「トラブルを防ぐ」ため、大事な工程であることを意識してください。次に前ステップのお見積書や仕様書は、何に対する発注となっているのか明らかにするものです。制作で依頼された証明書にもなるものですから、細かなチェックが必要です。最後に、Web制作の作業範囲をきちんと決めたうえで、発注書などに反映させておくことが大事です。どこで発注内容が完了するのか、「終わり」を定めておくことが重要です。

最後のステップは「キックオフ」

お仕事獲得までのステップ、最後は「キックオフ」についてご説明します。契約を終えたのち、さあ、これから作業に入る直前のタイミングです。
・ウェブ制作のスケジュールとタスクをクライアントと確認しておきましょう
・特に、クライアントの窓口となる担当者とは円滑なコミュニケーションがとれるように体制を整えておきましょう。
・ウェブ制作の一連の作業で、改めてクライアントとのゴール地点を共有しておきましょう。

ここでのポイントですが、制作者側で提出したスケジュールとクライアントのスケジュールの擦り合わせをしておくことが重要です。タスクについては、素材の提供をはじめクライアント側に発生するタスクも出てきます。期限を含めて明確にしておくことが重要です。円滑なコミュニケーションを継続させるため、クライアント、制作者とも関係者の顔合わせも大事です。またどんなツールで連絡を取り合うのかクライアントに提案するなど工夫してみてください。担当者のポジションによっては連絡の方法、時間帯、確認の取り方も異なりますので、あらためて把握しておきましょう。関係者どうしの顔合わせなど、窓口担当者はOKでも、トップからNGが出るなども予測されます。クライアント側での「障壁」を懐柔しておくことが出来ればいいですね。窓口担当者を引き込んでおけば、制作を進めるうえでもメリットが出てくると思います。

いかがですか?お仕事獲得までのワークフローを「営業活動・お問い合わせ獲得」、「ヒアリング」、「お見積書・ご提案」、「ご契約・ご発注」、「キックオフ」のステップごとにポイントをお話しました。 これから皆さんが営業活動に入り、制作が始まる前には、もっとしなくてはいけないことが出てくると思います。でも、ここからが本番です。デジハリを卒業されて、フリーランス、ディレクション、デザイン、コーディング、それぞれの仕事を目指されることと思いますが、全体の流れを俯瞰して押さえておくことも大事です。きょうのお話が皆さんのお仕事獲得の参考になればと期待しています。頑張ってください。

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