今回の授業レポートは、いつもと違い、STUDIO福岡での新たな試み、『EX授業』をレポートいたします!
『EX』とは、EXTRA(特別)の略称で、EX授業は特別授業という意味です!(ネーミング特に捻り無しですw)
どのように特別かというと…
STUDIO福岡のWebデザイナー専攻では、クラス単位で決まったカリキュラムで授業をご提供しており、Web制作の基礎習得を目的としています。
EX授業は通常コースではご提供できない内容にしたいと考えました。Web制作に限らず、デザインなどクリエイティブの観点や技術的な内容を第一線のクリエイターを講師にお招きし、クラスに関係なくご提供できように実施していきます。
また、第1回目は他のデジタルハリウッドSTUDIOとの授業連携プロトタイピングとして、TV会議システムを利用してSTUDIO札幌、STUDIO名古屋、STUDIO米子、STUDIOつくば、STUDIO広島、STUDIO佐賀への授業配信を行いました。
今後の配信予定は未定ですが、引き続き各STUDIOとの連携を行いながら受講生の皆さまへ様々な学びのご提供をしたいと思っています!
授業内容を考える…
さて、気になるのはどんな授業内容になったのか?だと思います。
第一回目の講師は、STUDIO福岡にてWebデザイナー専攻にてご指導をいただいている 株式会社ディーゼロ のデザイナー 日高 信生(ひだか のぶお)先生にお願いして、授業テーマを一から考えていきました。
受講生の皆さまからよく聞こえてくるのが、「デザインが苦手」「自分にはセンスがない」「良いデザインって何?」などなど、おおよそ考えから形を作ることに対しての「デザインは難しい!」という悩みでした。
これらの声を基に、受講生の皆さまの様子の観察やディスカッションを重ね、日高先生にお考えいただいたテーマが『デザイン解剖術』です!!
デザインする側になって初めて、ニーズやブランドなど考えることになるものが沢山あります(“沢山”のことついてはまたいずれ詳しく)。そのような考えるべきことについては、学習段階ではまだまだ観点や経験が不十分なので、制作する中で伝えるべき情報がぼやけてしまい、自身で作った物にも関わらず「よく分からない物」や「全体的にまとまりがない物」になってしまうのではないか?
なので、今回はデザインの最初の形が作れるようになるためのアプローチとして、情報を「読んで」「理解する」作業の重要性やデザインを構成する要素それぞれの機能や役割を具体例を示して解説することで、情報の見せ方を知ってデザインすることを楽しんでもらえたり「デザインは難しくない!」と思っていただけるよう丁寧にお話することを目的としました。
更には、事前に受講生アンケートで制作時に苦労した事を調査して内容に落し込み、より具体的にお話いただきました。
デザインの分解と再構築
まず具体例として、普段の生活で目にするデザイン物(今回は紙面と看板のデザイン)を見ながら、見出しやキービジュアルなど紙面を構成するそれぞれのパーツを「装飾」「素材」「原稿」の3つの要素に分解し、伝えるべき情報を剥き出しにして理解することの重要性を教えていただきました。
そこから、構成全体の優先度や配置、空間の扱いについての解説をいただき、質疑応答を通して更に理解を深めていきました。
その他にも、多くの情報を分かりやすく整理するためのセオリーや日高先生のご経験などもお話いただき、参加した受講生の皆さまから「納得できた」などの声を授業後のアンケートでいただくことができました。
デザインは情報を伝える手段と他にも。
Webサイトやチラシなどのツールは、それを作れば商品やサービスが売れる!というものではありません。読んで、理解してもらえなければ思い通りに事が運ばないもので、前項での「納得できた」ということが重要になります。
例えば、便利なツールがあったからこれを友人にも伝えたい!と思った時に、この感動を!と感情を爆発させて喋っても、伝えるべき情報がきちんと整理できて、順序良く説明できていなければ伝わりませんよね。
自分事を友人に伝えることにでもそうなのですから、他人であるクライアントの情報や魅力をその先のユーザーに伝えるということはとても難しいことなのだと思いました。
あれ!?
「デザインは難しくない!」を伝えるはずが、「難しい!」になってしまいましたね。笑
ですが、きちんとクライアントとユーザーに向合って共感し、一緒に事に当たりれば、きっと解決できるはずです。
そして、制作物では様々な表現をすることができ、時に見る人の心を豊かにしたり、楽しんでもらうことができます。そんなことができるデザイナーという職業は素敵だと思いますし、人にしかできない仕事だと改めて今回の授業を通して実感しました。
今後も、授業を通してデザインの楽しさを伝えていけたらと思います。
スタッフ井上