デジタルハリウッド(専門スクール)

東京本校

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1994年の開学以来、本校として全コース開講。

スプツニ子!が伝える「人の発想が変われば、世界は変わる」

2017.12.08

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本稿はデジタルハリウッドが主催する特別授業『EAT creative program』の内容をカルチャーニュースサイトCINRA.NETがレポートした内容を転載したものです。

 

きらびやかな経歴を持ちながら、「はみ出し」続ける女性クリエイター

数学者の両親のもとに育ち、飛び級してロンドン大学インペリアル・カレッジに進学。

さらに、音楽活動をした後に、英国王立芸術学院で学ぶ。そして、卒業制作で作った動画『カラスボット☆ジェニー』『生理マシーン、タカシの場合』『寿司ボーグ☆ユカリ』などがYouTubeでバズり、東京都現代美術館やMoMAで展示され、20代にしてMIT(マサチューセッツ工科大学)から助教としてお呼びがかかる。受賞歴も『VOGUE JAPAN ウーマン・オブ・ザ・イヤー 2013』、フランスLe Figaro紙『世界の才能ある30歳以下の女性30人』選出と、華々しいことこの上ない。

 

スプツニ子!のきらびやかな経歴をまとめれば、現代のシンデレラストーリーが作れるかもしれない。自著に「はみだす力」というタイトルを付けた彼女は、デジタルハリウッドの主催で開催されている連続講義『EAT creative program』において、クリエイター志望の若者たちを前に、自身のキャリアを語りながら、時代を生き抜いていくためのヒントを語った。

 

問題提起をする、スペキュラティブデザインで作りだした「運命の赤い糸」

そして講座の後半、デジタルハリウッドの杉山知之学長との対話では、AIが進化した未来とその時代の人間についても言及された。茂木は、情報の収集や問題の解決をAIに取って代わられるであろう将来においては、「人間は問題を作る人、問題を起こす人になればいい」と言い、現象学的兆候は人間だけが持ちうるもので、「理論的にもAIからは意識が生まれることはない」と、脳科学者としての視点から解説した。

 

 

 

「枠に収まれずはみだしつづける自分を、いつも、もてあましてきた」。処女作にそう書きつけるスプツニ子!は、実はもともとコンピュータギークで、大人しい性格だった。中高の頃にいじめられ、高校時代には勢い余って髪型を角刈りにしてしまうという「こじらせ思春期」を歩んだ彼女は、iMacのソフトウェアに「君はブサイクじゃないよ」「I love you」と話させる毎日を送っていた。高校3年生で、飛び級をしたのも、学校生活があまりに悲惨だったからだという。

そしてロンドンに渡った彼女だが、そこで待っていたのもまた薔薇色の人生ではなかった。作った作品はなかなか人の目に留まらず、YouTubeにMVをアップしても、閲覧数は数百にとどまった……。しかし、誰にも認められなくても、信念を曲げずにやり続けた背景には、両親から学んだ姿勢が影響していたという。

 スプツニ子!父親は数学の研究者なんですけど、10年以上、自分の研究を誰にもわかってもらえない時期があったらしいんです。それでも諦めずにひたすら研究を続けていたところ、ある日、キューバの脳科学者のおじさんからメールが舞い込んできた。それが、彼にとってはじめて自分の研究をわかってもらった瞬間だったみたいで、父はその日から現在までずっとキューバの研究者達と楽しそうにコラボして論文を書いてます。そんな姿を見ていたので、誰にも認められなくても、自分はおもしろいことをしているんだ、と信じてやりつづける気持ちが大事なんだなって思うようになりました。

近年は、GUCCI新宿で個展『Tranceflora-エイミの光るシルク』、森美術館の『宇宙と芸術』、そして『瀬戸内国際芸術祭』などさまざまな展示で現代美術家として活躍する彼女。その傍ら、東京大学RCA-IISデザインラボで「スペキュラティブ(=問題提起する)デザイン」をテーマとした研究に取り組んでいる。

 

 

 スプツニ子! :一般的に「デザイン」とは、見た目に美しいものを作るとか機能を充実させるといった「問題解 決をするもの」として考えられる事が多いです。しかし、スペキュラティブデザインでは、「未来にこんな事が 起こるかもしれない」と「問題提起」をして議論を起こし、人々の発想をシフトしていくためのデザインで、 「限りなくアートにちかい」と思われる事が多いですね。

 

 

彼女のプロジェクト『運命の赤い糸を紡ぐ蚕 タマキの恋』を見てみよう。つくばの農研機構で、遺伝子組み換えカイコの研究をしていると知った彼女は、早速研究者と掛け合い、恋愛の幸福感を生み出すホルモンと言われる「オキシトシン」を含み、赤色蛍光タンパク質(RFP)で光る「運命の赤い糸」を吐くカイコを開発することに成功した。この糸からドレスを作ることによって「運命の赤い糸で勝負ドレスを作る」というプロジェクト。だが、ここにも大きな倫理的な問題がつきまとってくる。

 

 

 

 スプツニ子!数か月かけて「運命の赤い糸」を吐き出すカイコを作っていったのですが、その遺伝子組換えカイコを見せてもらった時、ちょっとした怖さも感じました。この全く新しい生き物を創造した私たち人間は、神みたいな存在に近づいてきているなと。科学が未来の新しい神話を生み出しているんだなと。

 

 

また、西武渋谷店で行った展覧会『bionic by sputniko!』では、培養肉の研究サークル『SHOJINMEAT Project』とコラボして、細胞培養から生まれるファッション素材の未来を探った。遺伝子組換えカイコや培養肉など、現段階では、かなりの人々が倫理的な抵抗を示すだろう彼女のプロジェクト。しかし、そんな「はみ出した」技術を作品の中で提示することでスプツニ子!は、来るべき未来の姿を人々と共に想像しようとしている。

では、そんな彼女のモチベーションの源泉とは、一体どのようなものだろうか? 彼女は、RCA時代に出会ったある言葉を紹介する。

人の発想を変える仕事で、世界に少しずつ変化をもたらす

では、そんな彼女のモチベーションの源泉とは、一体どのようなものだろうか? 彼女は、RCA時代に出会ったある言葉を紹介する。

 

 スプツニ子! :私のRCA時代の恩師であるアンソニー・ダン教授から、「人の発想が変われば、世界は変わる」という言葉をかけられました。

 

私がやっていることは、政治家のように法律を作ったり道路を作ったりして、現実の世界を直接的に変えるものではないかもしれないけれど、私たちの世界は、私たちが頭の中で考えたことによって生み出されている。人々の発想が変われば、そこから生まれる世界も変わります。だから、作品を通して様々なことを世界に問いかけていくのはとても大切なことなんだと話してくれたんです。

この言葉は、全6回の連続講義を総括するものかもしれない。杉山知之、真鍋大度、落合陽一、津田大介、そして茂木健一郎……。彼らは、それぞれの方法で、人の発想を変える仕事を行い、それによって世界は少しずつ変わってきた。

「クリエイティブは、世界を変える。」

さまざまな一流のクリエイターたちの言葉は、受講生たちにそんなクリエイティブの魅力を語っていた。そして、この教室から、人の発想を変え、世界を変える新たなクリエイターたちが誕生していくのだろう。

プロフィール

スプツニ子!(すぷつにこ!)

アーティスト、東京大学特任准教授。インペリアル・カレッジ数学科および情報工学科を卒業後、英国王立芸術学院(RCA)デザイン・インタラクションズ専攻修士課程を修了。在学中より、テクノロジーによって変化していく人間の在り方や社会を反映させた映像インスタレーション作品を制作。 最近の主な展覧会に、「第3回瀬戸内国際芸術祭」(常設作品「豊島八百万ラボ」)「NEW SENSORIUM」(ZKMアートセンター、ドイツ)など。2013年から2017年までマサチューセッツ工科大学(MIT) メディアラボ 助教として Design Fiction Group を主宰。VOGUE JAPAN ウーマン•オブ•ザ•イヤー2013受賞。2014年FORBES JAPAN 「未来を創る日本の女性10人」選出。2016年 第11回「ロレアル‐ユネスコ女性科学者 日本特別賞」受賞。2016年4月よりスーパープレゼンテーション(NHK)のMCを務める。著書に「はみだす力」がある。

1年でデザインの基礎から、インタラクティブデザイン、IoTまで。デジタル表現を徹底的に追求したデザイン系最高峰コース

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