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開校1周年記念 杉山知之学長 特別講演会「想像を超える未来は始まっている」

 2018年1月30日(火)中国新聞社・会議室において、「デジタルハリウッド STUDIO広島」開校1周年記念 デジタルハリウッド大学(東京)の杉山知之学長による特別講演会が開催されました。当日はさまざまな年代の方々にお集まりいただき、総勢47名の参加者でにぎわいました。

 はじめに、デジタルハリウッド大学の説明をされた後、大学を設立した理由について振り返ります。


杉山「研究職に就いていた頃、21世紀はどういう技術がどこまで進むかが予測できていました。その中心となるのはコンピュータとネットワークだということも分かっていて、そして使いこなさないと人々は自由に生きられないと思いました。使いこなす力は勉強すれば誰でも身につくものだけれど、無知であったり避けていたりしていたら、人は結果、思うような人生は送れないだろうなと感じた、だから学べる大学を作ろうと思ったのです。」

デジタルコミュニケーションを前提としてすべてを判断していますか?


 杉山学長の予測どおり、いまや私たちの生活にはコンピュータやインターネットは欠かせないものとなっています。杉山学長は現代を、コンピュータとネットワークが空気のように存在していると表現します。


杉山「空気はあることが当たり前、無くなったら死にますよね。それと同じように、コンピュータとネットワークは人類が生きていく上で必要な『環境』だと思います。すべてのところにコンピュータがはびこっている現代、とんでもない世界だけれども、それを環境の一つとして考え、コンピュータとネットワークがあるということが当たり前であると前提にすれば、物事の順番が違ってきます。その環境を活かすようにデザインし直す。時間はかかりますけどね。」


「あなたはデジタルコミュニケーションの存在を前提として、すべての事柄を判断していますか。会社を新しくしたいと考える場合、経営陣からスタッフまでこの前提を共通認識にして、会社や仕事を考え直せば変われると考えます。」


 教育と医療について、改革は進んでいると言われます。


杉山「コンピュータとネットワーク環境を前提に、教育もやり直したほうがいいのではと考えます。紙の教科書にこだわっているのは日本だけ。例えばシンガポールで電子教科書的なものを作ろうと提案したとき、誰も反対しなかった。デジタルと紙、両方あればいいと考えられた。日本だけは特殊。きちんとしたものがありすぎて日本は遅れました。また、町医者、介護、健康管理など医療とデジタル技術が組み合わさることで、デジタルヘルスは拡大しています。」

普通の仕事はコンピュータやロボットがする!

 AI(Artificial Intelligence=人工知能)は人間とは違う知能のことです。IA(Intelligent Amplifier=知能増幅)はパソコンのように、コンピュータによって個人の力を強めてくれるものです。AIとIAは、人間にとってどちらがいいのか議論されていることについて言及されます。


杉山「AI技術が活用されるようになると、人間の仕事がとられると思いがちです。しかし、仕事にはいろんな職種がある。全部の仕事がとられるわけではない。AIが入ると一部分はわたしたちよりはるかに優秀でしょう。でも必ず残るところはある。」


「1人の仕事の一部分がとられたとしても、時間や意識に余裕が出来ることによって仕事に対して広く深くなる、専門性を増すことができます。全部がとられるわけではないと思うのです。ただし、アルバイトの仕事はAIで出来てしまうでしょう。より専門性が必要ということです。」


「わたしは、AI vs IAではなくAI×IAであると思います。われわれはIAによって知識を増幅させないといけない、しかし、AIも取り入れていく。そうすると、まったく違った世界が探索できるのではないかと考えます。たとえば、土壌の数値、気象、発育のいい環境などのデータをインプットしたAIを取り入れ、かつドローンを使った農業、といった頭のいい農業も可能でしょう。AI×IAは一緒に仕事をしてくれるイメージです。」

30歳以上の言うことは聞くな!? デジタルが全産業を革新する


 コンピュータの処理速度は30年で100万倍に上がりました。今後、さらに技術が高度になって大抵のことができるようになる、それは一般の人にしてみればカオスじみた魔法の世界に映るだろうとのこと。では私たちはこれから、どういった意識を持っていればいいのでしょうか。杉山学長は、「産業」と「人」のつながりについて述べられます。


杉山「さまざまなメディアで流通されるコンテンツ産業の特徴は『人の心を動かす力がある』ことだといえます。会社やお店へのファーストコンタクトは、だいたいインターネットで調べてからでしょう。いまやこの培った力はどの産業も欲しているところです。専門的なことを習っているようで他の職種で応用が効く仕事でもあるからです。よって『デジタルが全産業を革新している!』最中なのです。」


「世界的にみて人口の50%は30歳以下。生まれたときからデジタルを自由に使える世代なのだから、若い人たちは若い人たちのものを作ればいいと思います。上の年代は上の年代に合ったものを、というように、それぞれの世代が作ればいいと思うのです。」


「若い世代に活用されているFacebookのアクティブユーザーは、21億人といわれています。1年間に約2億人のユーザーを獲得している、驚異的です。人類3人に1人はつながっているのではないでしょうか。そのうち『本当に全人類がつながる!』ときが来るかもしれません。」

すべてがエンターテインメントでクリエイティブになる!

 広報・広告の世界が様変わりしてきている例として、子どもたちがスマートフォンのアプリを楽しむ『グリコ』のポッキーCM、イベントとして『アディダス』が共同開発をした「GREEN LIGHT RUN TOKYO」を紹介し、ユーザーが体験することでブランドの価値が上がることを示しました。


杉山「『グリコ』はこのCMで売り上げが上がりました。大企業などは、広告・広報・ブランディング・販売・サービスの部門がバラバラに存在します。だから売り上げが上がらない。その意識を大変革した良い例です。スマートフォン1つでこれらの部門をつなげることが可能になってきている時代。また、それができる人材が重宝されます。」


 つながるということで、ボーカロイドの『初音ミク』を紹介されます。音程を入れて言葉を入力すると歌ってくれる音声合成システム、およびキャラクターのことです。自分の作り上げた『初音ミク』を動画共有サービス『ニコニコ動画』に発表することで広がり、楽しまれています。日本のクリエイティブ性について述べられます。


杉山「イラストレーター、アニメーター、作詞者、作曲者、編曲者、振付師、CGクリエイター、プロではない人たちが巷にゴロゴロいる日本。それはなぜか。日本は子どもの頃から授業として美術・音楽があります。習い事として教育する親もいる。これは世界的にも珍しいこと。YouTubeによって世界的に広がった『初音ミク』ですが、世界の人は作ることはできないのです。」


「取り入れた文化を自分たちなりのものにする日本の独自性、そしてクリエイターがたくさんいることから『クリエイティブであることしか求められない』といえるでしょう。その人なりにつくる、でもそれが重要だと思います。」


「ちなみに、わたしのキャッチフレーズ『バカにされよう。世界を変えよう。』なんですが、新しいことをしていると頭おかしいとか、できるわけがないとかよくバカにされます。でも、そういう人でないと世界を変えられないと思うのです。」


 この後、学長と参加者の質疑応答が設けられ、AIをクリエイティブ面に活用する方法、中国のネット規制について、コンピュータありきのインフラ社会の危険性や意識について、など積極的に質問がされました。

講師プロフィール

デジタルハリウッド大学
杉山知之 学長/工学博士


 1954年東京都生まれ。日本大学大学院理工学研究科修了後、同大学助手となり、コンピューターシミュレーションによる建築音響設計を手がける。87年渡米、MITメディア・ラボ客員研究員、国際メディア研究財団・主任研究員、日本大学短期大学専任講師を経て、94年デジタルハリウッドを設立。

 2004年大学院、05年大学を設立し、現在デジタルハリウッド大学学長。 著書は「クール・ジャパン世界が買いたがる日本」(祥伝社)など。

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