デジタルハリウッド

クリエイターズオーディション vol.72

受講生/卒業生による販促ポスターコンペ受賞作品紹介

ABOUT

デジタルハリウッドの学内コンペ

デジタルハリウッドでは全国の受講者と競い合える環境を提供し、課題制作に留まらない実践的な制作案件を「学内コンペ」という形で実施しています。

本コンペはクリエイターズオーディションの参加企業を増やす目的とした販促物の制作となります。受講者の持つ斬新なアイデアを取り入れるため、テーマとイメージのみの共有に留め、自由な発想で制作しています。

コンペの対象は、現役受講生と卒業生。学び始めたばかりの方から卒業間もない方までが、これまでの学びを活かし、実践的なアウトプットに挑戦する機会として取り組んでいます。コンペに応募した作品は、全国の講師トレーナーが定められた評価基準を元に審査をすることで、客観的な第三者評価を得る事になり、自身のレベル感を確認する事にもつながっています。

審査員情報

小山 明(おやま あきら)

タシリンゴ株式会社/クリエイティブディレクター

日本デザインセンターにて、トヨタ自動車、ダイハツ、東芝、JR等の広告を制作。現在、東急株式会社、京王電鉄ほかの広告制作・ブランディングなどを担当。

むらかみ よしみ

デザイナー

チームラボ株式会社にてUI/UXデザイナーとして勤務。現在はフリーランスとして、デザインやディレクションなど幅広いプロジェクトに携わる。

河野 千冬(こうの ちふゆ)

クリエイティブディレクター

UDS Ltd.にて商業施設の販促ツールデザインや空間演出に携わり、デザイン制作会社への転職を経て独立し、OFUMI DESIGNを立ち上げる。現在はフリーランスとして、企画からディレクション、制作、業務改善サポートまで多方面からデザインに関わる。

制作者へのコンタクト

ポスターコンペティションの制作者へのコンタクトが必要な方は、以下のメールアドレスまでお問い合わせください。
tokyo@dhw.co.jp

OVERVIEW

作品

クリエイターズオーディションの販促物として使用するポスターの作成

テーマ「ちからだめし」
クリエイターズオーディションは、クリエイターが卒業制作を企業の方々に紹介し、就職や仕事につながるコミュニケーションを行う場です。就職を目的としながらも、自分の表現や可能性と向き合い、企業からのリアクションを通して“ちからだめし”をする機会でもあります。卒業制作という集大成を携え、クリエイティブの世界へ踏み出す覚悟と挑戦心が伝わるようなビジュアル制作を意識していただきました。

クリエイターズオーディションについてはこちらを参照ください。

選考過程

全国から応募された作品を、受講者による人気投票(オーディエンス)と全国講師トレーナーによる二次審査を経て、表彰作品を決定します。
選考では、「デザイン」「伝わりやすさ」の観点を重視し、総合的な評価を行います。その上で、【グランプリ】・【入賞】の作品を選出し、表彰いたします。

PRIZE WINNER

グランプリ

制作者:山内 歩美 (STUDIO青森)

講師コメント

・小山講師
作者が現在強い関心を寄せている「アイソメトリック」の技法を用い、クリエーターズオーディションのプレゼンテーション風景を俯瞰で描いた作品。一つの手法や技法に真摯に向き合い、とことん掘り下げていける姿勢は、学生時代ならではの大きな強みといえるでしょう。黄色と青という補色的な配色がポスターとしての高い視認性とインパクトを生み出し、丁寧に設計されたタイポグラフィがグラフィック全体の完成度を一段と高めています。構図・配色・情報整理のいずれにおいてもバランスが取れており、グランプリにふさわしい完成度の高い作品だと思います。

・むらかみ講師
クリエイターズオーディションの雰囲気や内容がよく伝わる、わかりやすいビジュアルに仕上がっています。情報量は多いですが、余白を十分に取っていたり、トンマナやパースをしっかりと統一することですっきりと見やすくなっているところにレイアウトのセンスを感じます。

・河野講師
イベントの趣旨や概要、全体イメージが伝わりやすいビジュアルに仕上がっており、アイソメトリック図法によって空間の広がりを感じさせる工夫がとても素敵です。補色に近い色相の組み合わせがポスター全体を引き締めつつ、余白を効果的に活かすことで落ち着きのあるデザインにまとめられています。また、イベント情報もメリハリをつけて整理することで、優先順位に沿って自然と目に入る構成になっており、全体を通して学びの成果としての確かなクオリティを感じました。『クリエイターと企業様の出会いや繋がり』はもちろん、デジハリらしい『デジタルクリエイティブ』を最も表現できている作品だと思います。

入賞

制作者:稲葉 良(STUDIO千葉)

講師コメント

・小山講師
デジタルハリウッドのイメージカラーであるオレンジを基調とした、力強い作品です。デジタルデバイスを手にした多様なキャラクターたちが渾然一体となって前進する姿は、クリエイティブのエネルギーに満ちたデジハリ生そのものを象徴しているように感じられます。タイポグラフィにはやや荒削りな部分も見受けられますが、それがかえって学生ならではの勢いや熱量を際立たせ、作品全体に瑞々しいパワーを与えています。

・むらかみ講師
ビジュアルにとても力強さと勢いを感じます。人物の表情や、線のメリハリ、オレンジを基調に黒でしっかりとカラーコントラストもあり、見応えのある作品になっています。タイポグラフィも遊び心を感じられました。

・河野講師
精鋭のクリエイターが集うイベントであることがしっかりと伝わり、大胆に用いたデジハリオレンジ×黒という強いコントラストが、動きのあるイラストと相まって非常に力強いデザインに仕上がっています。一方で、キャラクター同士の境目が曖昧でややごちゃごちゃした印象を受けるため、もう少し輪郭を明確にすると一人ひとりが際立ち、より魅力が伝わりやすくなると思います。また、下部の帯情報が画面ギリギリまで配置され窮屈に見えるため、余白を意識してゆとりを持たせると、勢いのある上部とのバランスが取れ、さらに完成度が高まりそうです。

制作者:中野 貴世(STUDIO渋谷)

講師コメント

・小山講師
クリエイターズオーディションのポスターコンペにおいて、近年では珍しい写真(実写)を用いた作品です。背景や文字、帯部分まですべてをモノトーンで構成することで、AIが台頭する時代にあって人の温もりを感じさせる表現へと昇華しています。瞳の中に映る新たなビジョンは髪へと表出し、その新たなビジョンに染まっていく姿を端的に描いている点も秀逸です。コンセプトが明快で、シンプルでありながら強く印象に残る、好感の持てる作品だと思います。

・むらかみ講師
「私を魅せる」というコピーと絢爛な花々がぴったりと合い、溢れんばかりの魅力的な才能に出会える場であるということが感じられました。目の中までカラフルな光を散りばめて、この主人公自身もワクワクしているのが伝わってきます。

・河野講師
クリエイターとして一歩を踏み出す初々しさや透明感が丁寧に表現され、自由で豊かな創造性や希望に満ちた未来へ進むキラキラとした様子が伝わる、魅力的なデザインに仕上がっています。また、帯に掲載されたイベント情報の可読性も高く、ポスターとして充分に機能しています。一方で、デジハリロゴと人物の重なりや、情報の余白・整列の甘さがやや気になるため、写真を活かしたシンプルな構成だからこそ、タイポグラフィや細部のレイアウトまで丁寧に意識できると、より洗練された印象になると思います。

制作者:李 基雄(東京本校)

講師コメント

・小山講師
クリエイティブへのあふれる情熱を、まるでサーモグラフィで捉えたかのように可視化し、みなぎる熱量を感じさせる表現となっています。ポスターではあまり用いられないグレイッシュで冷たく暗いトーンを全体に採用することで、体温の存在をより際立たせている点が秀逸です。グラフィック全体を損なわないよう隅に配されたタイポグラフィもバランスがよく、アンディ・ウォーホルのシルクスクリーン作品を想起させる、アート性の高い仕上がりになっていると思います。

・むらかみ講師
手書きのラフな線やざらっとした質感、低いトーンのカラーリングで、奥底から湧き上がるような力強い熱量が伝わりました。光と影の描き分けと、抜けの色使いが巧みを感じます。タイポグラフィによってまた見え方が変わりそうなので、文字での表現ももう一工夫見てみたいです。

・河野講師
絶妙な美しいグラデーションによって、落ち着いた雰囲気に秘めた内なる闘志がじんわりと広がっていく様子が表現されており、立ちはだかる『壁』を前にした不安や緊張感と期待や高揚感という、相反する人間らしい感情の両方が伝わってきます。また、人物の輪郭や服装、配色が曖昧なことで、年齢や性別、人種を限定せず誰もが共感できるビジュアルに仕上がっていると感じました。一方で、アナログアート的な要素が強く、引きの強いビジュアルにやや頼り切っている印象を受けるため、ロゴやQRコード、文字情報などを追加し情報の密度を上げたり、タイポグラフィにこだわるなど、もう少しデジタルクリエイティブを感じられる表現ができると、ポスターの完成度が高まるだけでなくデジハリらしさをプラスできると思います。