デジタルハリウッド

クリエイターズオーディション 2025

受講生/卒業生による販促ポスターコンペ受賞作品紹介

ABOUT

デジタルハリウッドの学内コンペ

デジタルハリウッドでは全国の受講者と競い合える環境を提供し、課題制作に留まらない実践的な制作案件を「学内コンペ」という形で実施しています。

本コンペはクリエイターズオーディションの参加企業を増やす目的とした販促物の制作となります。受講者の持つ斬新なアイデアを取り入れるため、テーマとイメージのみの共有に留め、自由な発想で制作しています。

コンペの対象は、現役受講生と卒業生。学び始めたばかりの方から卒業間もない方までが、これまでの学びを活かし、実践的なアウトプットに挑戦する機会として取り組んでいます。コンペに応募した作品は、全国の講師トレーナーが定められた評価基準を元に審査をすることで、客観的な第三者評価を得る事になり、自身のレベル感を確認する事にもつながっています。

審査員情報

栗谷 幸助(くりや こうすけ)

デジタルハリウッド大学 教授/デジタルハリウッド大学院 教授
デジタルハリウッド専任講師/iTeachers 創設メンバー

福岡県久留米市生まれ。中央大学卒業後 流通業に就くが、その際に「人と人とを繋ぐ」という『道具』としてのWebの魅力に触れWeb業界へ転進。Webデザインユニットを結成し、Webの企画・デザイン・サイト運営等を手掛けながら、各地でWeb関連の講師を担当。その後、デジタルハリウッドに所属し、現在に至る。また、近年は 教育の場でのICT活用の実践・情報共有を行う教育者チーム『iTeachers』のメンバーとしての活動も精力的に行っている。著書に『デジハリ・デザインスクール』シリーズ各種(共著、技術評論社)、『初心者からちゃんとしたプロになる Webデザイン基礎入門』(共著、エムディエヌコーポレーション)などがある。

デジタルハリウッド大学:教員紹介 >

小山 明(おやま あきら)

タシリンゴ株式会社/クリエイティブディレクター

日本デザインセンターにて、トヨタ自動車、ダイハツ、東芝、JR等の広告を制作。現在、東急株式会社、京王電鉄ほかの広告制作・ブランディングなどを担当。

むらかみ よしみ

デザイナー

チームラボ株式会社にてUI/UXデザイナーとして勤務。現在はフリーランスとして、デザインやディレクションなど幅広いプロジェクトに携わる。

制作者へのコンタクト

ポスターコンペティションの制作者へのコンタクトが必要な方は、以下のメールアドレスまでお問い合わせください。
tokyo@dhw.co.jp

OVERVIEW

作品

クリエイターズオーディションの販促物として使用するポスターの作成

テーマ「おはよう」
「おはよう」とは新しい一日を始めるための合図です。今までの自分を変えるために、明るく希望に満ちた一日を期待する朝のように、クリエイターがこれまで培ってきたスキルや情熱を発表することで、未来へと繋がる力強い一歩が生まれることを願っています。

クリエイターズオーディションについてはこちらを参照ください。

選考過程

全国から応募された作品を、受講者による人気投票(オーディエンス)と全国講師トレーナーによる二次審査を経て、表彰作品を決定します。
選考では、「デザイン」「伝わりやすさ」の観点を重視し、総合的な評価を行います。その上で、【グランプリ】・【入賞】の作品を選出し、表彰いたします。

PRIZE WINNER

グランプリ

制作者:高木 ひかる (東京本校)

講師コメント

・栗谷講師
誰もがイメージするであろう「パンをくわえて駆けだす際の不意の出会い」、その始まりはいつでもワクワク・ドキドキです。新たな道へ踏み出す大きな一歩を枠に収まりきれないほどの大きさで配し、その傍には 新たな世界への挨拶である「Hello,World!」の文字がある。クリエイティブ業界を目指している受講生へのエールとして素晴らしい作品となっています。

・小山講師
人物を巧みにトリミングすることで、画面から飛び出してしまいそうなほどの躍動感ある表現になっていると思います。さらに、明るいブルーを基調とすることで、生まれたてのクリエイターとしての瑞々しさとバイタリティが鮮やかに伝わってきます。プログラミングで最初に学ぶ「Hello,world!」が透かしで描かれているのも、“デジタル”ハリウッドらしいウィットに富んだ表現で、思わずにんまりしてしまいました。

・むらかみ講師
典型的な朝の出会いの象徴である『食パンを咥えて走る』というシーンをしっかりと描ききれています。下から煽るような構図と、画角からはみ出るトリミングで勢いがあるのですが、ラフな服装やちらりと見える背中の抜きなどで、どこか軽やかさも感じます。帯にまとめられたイベント情報も整理整頓され、マップのデフォルメにも情報設計のセンスとバランスのよさを感じました。

入賞

制作者:飯田 星良 (STUDIO吉祥寺)

講師コメント

・栗谷講師
基調となっているブルーの配色と右上から差す朝日の光がとても瑞々しさを感じる作品となっています。さらに、大胆にトリミングをした構図は枠に収まりきれない未来への可能性を感じさせ、コンセプトに掲げていらっしゃる「おはよう、未来の私」を十二分に表現なさっている作品です。

・小山講師
画面全体からみなぎるエネルギーに、見た瞬間圧倒される作品だと思います。補色に近い色相を大胆に組み合わせることで、一枚のポスターを超えたダイナミックな表現となっています。一方で、各文字要素の可読性も十分に確保されており、ポスターとしてしっかり機能している点も評価できます。また、絵の具というアナログな画材をデジハリらしく昇華させるという意味では、画面右側が徐々にピクセレートしていく、などの表現を加えるのも一案だったかもしれません。

・むらかみ講師
デジタルハリウッドのテーマカラーであるオレンジの絵の具と、補色の青い空のコントラストが美しく、朝方のフレッシュな透明感も感じる、とても生き生きとした作品です。わくわくとした期待と共に未来を描いていくことが想起されます。筆の先がトリミングされていることで、続きを想像させられる見事な構図にもなっています。タイトルを斜めに配置することで、絵の勢いを損ねない、躍動感のあるレイアウトになっています。

制作者:高須 ちひろ(STUDIO上野 by LIG)

講師コメント

・栗谷講師
目覚めのキラキラが作品全体に表現されており、タイトルのタイポグラフィーに自然に取り込んであるのが素敵です。ポスター下部に配された情報は、日付の情報を立て向きに配置するトリッキーさがありながらも、イベントタイトルはじめ各種情報が一目で飛び込んで来るポスターとしての必要な要件が最大限に満たされた作品です。

・小山講師
「おはよう」という今回のテーマに沿った、キラキラとした朝の光に満ちた美しい表現だと思います。コピーにおいても「目を覚ましている」という表現でテーマに即している点が評価できます。クリエーターズオーディションの文字は黒色でしっかりと存在感を示し、周辺のその他の情報を黄緑色にするなど、情報の整理がしっかりできていると思います。黄緑色と明るい黄色は、蛍光インクで印刷すれば、より効果的な表現になるかもしれません。

・むらかみ講師
人種や性別、アウトプットも様々なクリエイターが並び、時代に合った多様性のあるオーディションが行われるという期待を感じます。タイポグラフィのレイアウトにも工夫があり、配色もレトロとネオンが混ざったようなおもしろさがあります。

制作者:矢中 甘奈(STUDIO自由が丘)

講師コメント

・栗谷講師
フラットなグラフィック表現でありながら、クリエイターがアクティブに駆け出す様子や、枠をはみ出すほど差し出した指先が前に進む強さを感じさせます。タイトルのタイポグラフィーにも遊び心があり、またまだ少し夜の終わりも感じさせる夜明けのグラデーションが配色されており、非常に洗練されたデザインに仕上がった作品です。

・小山講師
横組みの文字が流れる方向(左から右)へと人物が進んでいく構図が、とても心地よい印象を与えています。背景のグラデーションも色面のバランスが絶妙で、ポスター全体に確かなクオリティを感じさせます。下部のタイポグラフィは優しく上品であり、強烈な自己主張を打ち出すクリエーターというよりも、社会の中でバランスを取りながらものづくりに向き合うクリエーターが集うオーディションのように見える表現だと思います。

・むらかみ講師
色のグラデーションが美しく、多色使いながらまとまりを感じます。様々な要素が斜めに配置され、未来に向かって走っていく前向きな様子が伝わります。タイトルのタイポグラフィにも工夫が見られ、余白の多いデザインですが、密度の高い部分とのコントラストがうまく、全体のバランスがとれています。