テクニカル アーティスト

テクニカル アーティストとは

「テクニカルアーティスト」は、主にゲーム制作やCG制作の現場において、デザイナーとエンジニアなどをつなぐ橋渡しを行う職種です。TAという職業が生まれたのは2000年代に入ってからのため、まだ明確な業務内容が確立されていなく手がける範囲は企業によっても異なります。
呼び方は「TA(ティー・エー)」と略して呼ばれることもあります。会社によってはテクニカルディレクターという呼び方をしていることもあります。

どんな仕事・業務?

デザイナーは様々な演出、表現を駆使して魅力あるビジュアル作りを行います。エンジニアはハイクオリティなアニメーションやストレスなく心地よい操作性をプログラミングによって実現します。それぞれに高い専門性を持って制作に取り組み、高いクオリティの作品を作り上げることを目的にしています。
両者の技術を理解し、抱える問題を解決するための提案行ったり、業務の効率化やワークフローの構築を行い、スムーズかつクオリティの高い制作を行うためのサポートを行います。自身の得意とするスキルを活かしながら、デザイナーとエンジニアの双方の制作管理をしていきます。

どんなソフトウェアを使うのか

ツールの拡張機能などの開発を行うには、主にスクリプト言語を使用します。「JavaScript(ジャバスクリプト)」「Python(パイソン)」「MEL(Maya Embedded Language)」「C++(シー・プラス・プラス)」「C#(シーシャープ)」などを使用し、DCCツールと呼ばれる「Maya(マヤ)」や「Adobe Photoshop(アドビ フォトショップ)」、ゲームエンジンの「Unity(ユニティ)」などのプラグインやスクリプトを開発し、制作が行いやすくなるようにカスタマイズを行います。
そのほかにも、素材となるゲームアセットの制作においてCG/VFX制作ソフトなども使用します。

どのような職場がある?

ゲーム業界とCG業界で需要が高まっており、主にこれらの企業で勤務しています。ゲーム開発を行うには、デザイナーはプログラミングに関する知識が必要になることがあり、その反対もあります。デザイナーとエンジニアのゴール地点は同じなのですが、制作プロセスが全く違うため現場で行き違いが発生することは珍しくありません。そこで、デザイナー、エンジニア双方の制作の現状を理解し、コントロールしていくテクニカルアーティストが求められるようになりました。

業務例(例:どんな流れでwebサイトを作っているのか)

企業によっても様々ですが、以下のような業務を行います。

  • DCCツールのプラグイン作成
  • パイプラインやワークフロー構築・整備
  • グラフィックデータ最適化
  • ワークフローや開発環境などの最適化
  • アートアセット管理やレギュレーション作成
  • 命名規則やディレクトリ構造などの仕様の考案と共有
  • 業務効率化の考案と共有
  • メンバーのサポート
  • プロジェクトの管理

この様に業務内容は多岐に渡ります。また、それぞれの専門職が所属している場合もあります。

働き方は?

多くはゲーム制作の会社に入り、正社員として勤務します。基本的には8時間勤務となっており、リリースのスケジュールなどによって残業なども発生する場合もあります。しかし、フレックスタイム制を導入する企業もあり、こういった企業ではコアタイムやフレキシブルタイムなどを設定し、個人の裁量に合わせてメリハリをつけて働くことができ、子育てとの両立などもできます。

収入(年収・月収)は?

テクニカルアーティストの年収は、おおよそ580万円前後と言われています。
もともとデザイナーやエンジニアとしての実務経験が必要となるため、クリエイター職よりも少し平均年収が高くなります。求人情報の中には、企業によっては最大年収1,000万円を提示しているところもあります。経験を積み大手企業に勤務することで、年収アップも見込めます。

将来性は?

著しい進化を続けている業界であり、テクニカルアーティストの重要性が注目されています。そのためデザイナーとエンジニアのスキルを持ち合わせるテクニカルアーティストは、これからも需要が増える見込みです。プロジェクトをスムーズに進めクオリティを向上するためにも企業はテクニカルアーティストを必要としていますが、なかなか候補者がおらず人材が不足しています。そのため、教育を強化して人材育成を始める企業も出ています。これからCGやVFXを学び実務経験を積み素養を身につけていくとしても、充分活躍できる可能性は高いです。

どんなキャリアが歩めるか

海外ではCG/VFX業界の人材不足もあり、就労ビザも取りやすくなっています。そのため、ゆくゆくは海外に進出してテクニカルアーティストとして働くという道も考えられます。
また、アメリカでは開発したツールをプロダクションなどに提供を行っている企業もあります。このように今後テクニカルアーティストが行う業務内容が産業となり、利益を得ていく可能性もあります。

求人動向

現在日本では資金の関係もありデザイナーやエンジニアのリーダーが同じような仕事を行っていることが多いですが、現在テクニカルアーティストの求人は急激に増加しています。これから益々一般的な職種になっていくにつれて、更に求人は増えていくことが予想されます。

なるには

一般的にどのようななり方があるのか

テクニカルアーティストになるには、デザイナーとエンジニアの制作フロー、スキル、専門的な知識と経験が必要になります。
デザイナーとして経験を積んでからCG制作スキルを身に着けるパターンと、CGクリエイターとして経験を積んでからデザイン制作スキルを身に着けるパターンの2つがあります。同じテクニカルアーティストであっても、どちらを先に経験しているかによって、得意分野が違ったりします。
前身がデザイナーの方はPhotoshop、Maya等の制作ツールに長けていますし、制作の進捗や管理についての感覚にも強い傾向があり、どちらかというとディレクターに近いポジションとなります。
前身がプログラマーの方はプログラムによる検証を得意とし、ツール自体を開発することも可能なので、既存のアプリケーションでは表現できないようなビジュアル制作を可能とします。

未経験からなるには

得意とするスキルを活かしながら、デザイナーとエンジニアの双方で制作管理を行うため、未経験から目指すことは難しくなっており、まずデザイナーかエンジニアのいずれかで実務経験を積んでいきます。
経験を積むにはゲーム企業が望ましく、チームに属すことで制作の流れをつかんでいきます。実績と制作の経験を身に着けたら、足りていないデザインスキル、もしくはプログラミングスキルを身に着けていきます。ここまで長い実務経験を必要とするため、スキルについては各種専門学校や専門スクールで効率よく学ぶのもおすすめします。

必要なスキル

ゲームなどのデジタルコンテンツを制作するソフト内でMELやPythonなどで作品の開発に対しカスタマイズできるスキルが必要となります。
最低限でもCGソフト内でモデリングやアニメーションなど1つでも提供される機能を一通り知らなければ、テクニカルアーティストになることはできません。その理由は商品の開発において効率化を図る為のパイプライン役となるからです。
そしてコミュニケーション能力も必要となります。商品の中でどの部分で作業のウェイトが高く、重要なのかを把握する為、各担当者と上手く調和していく必要があります。

必要な機材

CG制作やゲームエンジンの操作、プログラミングが行えるパソコンが必要になります。CG制作には高いスペックを持ったパソコンが必要となります。動作が重くて仕事にならないといったことを防ぐためにも、パソコンへの投資は可能な限り惜しまないほうがよいです。
持ち運びにはノートパソコンの中でも画面の大きな15インチのタイプが制作がしやすいため人気ですが、より大きな画面の外部ディスプレイを自宅や作業場では使用することをおすすめします。

勉強法

まずはCG制作やゲーム制作に関わるスキルを身につける必要があります。独学もしくは専門のスクールでスキルを身につけます。
デジタルハリウッドの本科デジタルアーティスト専攻や本科CG/VFX専攻では、「Maya」「Adobe After effects(アドビ アフターエフェクツ)」などをはじめ、「ZBrush(ズィー ブラシ)」や「Houdini(フーディニ)」といった高度なエフェクトを制作できるソフトの習得や、プロカメラを用いて撮影し、撮影×実写合成を制作する実習もあります。また『ゲーム映像VRゼミ』などもあり、ゼミでは授業と並行してゲームエンジンのUnityのトレーニングも行います。実際にゲーム業界など第一線で活躍する特別講師の授業もあり、短期間で効率的に学ぶことができます。

なるための適性は?

テクニカルアーティストは主にゲーム業界で活躍するため、CG制作スキル、もしくはプログラミングスキルがある方に向いています。いずれのスキルも必須ですが、どちらかのスキルを持っていれば、あとは実務経験の中で身に着けていくことも可能です。またCGデザイナーとエンジニアの橋渡しをすることが役目なので、コミュニケーション力も必要となります。なので、コミュニケーションでチームを円滑にまとめることや、チーム制作でクオリティを上げたいと考えている方に向いています。そのためディレクター経験がある方にも向いています。

なるための難易度は?

デザイン、プログラミングどちらの知識と経験が必要なため、難易度の高い職種です。
なぜならばゲーム業界における業務効率化などを図り効率よく仕事ができる環境を整えるには、多くの実務経験が必要となるためです。このように難易度はクリエイターに比べるとかなり高いです。しかし、先述の様に今非常に必要とされている職種のため、スクールなどで勉強をし、知識を身につけてゲーム業界に入ることで目指していける職業です。

なるにはどれくらいお金がかかる?

専門のスクールでCG/VFXの制作スキル、ゲーム制作に関するスキルをつける場合、90万~150万円前後が多いです。内容や期間によっても価格は大きく変わってくるため、自分の目的やライフスタイルに合うスクールを選択ことが大切です。
また、すでに使えるパソコンがあれば必要ありませんがパソコン購入費も必要になります。その他にも有料のソフトを使うのであればソフト使用料がかかります。