デジタルハリウッド東京本校 ブログ

【イベントレポート】
海外就職希望者必読!
VFXアーティスト渡辺潤によるハリウッドの裏側

2016-10-28



こんにちは。
デジタルハリウッド東京本校の下島です。

今回は、2016年10月11日にデジタルハリウッド東京本校にて実施された、ハリウッドのVFX業界で活躍する日本人VFXアーティスト、渡辺潤氏をお招きした公開講座の模様をお伝えします。

ハリウッド映画で利用される各VFXスタジオの最新動向や、ハリウッド映画のVFX制作における現場の生の声、現在所属されているHydraulx Visual Effects社でのお仕事や最新の作品について、お話しいただきました。

私の仕事はウソをつくことです!?

なんとも衝撃的なお言葉でしたが、渡辺さんの真意はそこに無いものをあたかもあるかのように表現すること。
3DCGの世界で第一線でハリウッド映画に携わっている渡辺さんならではの仕事や経験をかたっていただきました。

まず初めに、渡辺さんご自身のデモリールを紹介いただきました。誰もが観たことのある、「あの映画のあのシーンだ!」、「おお、あそこもやってるのか!」と一人歓声をあげておりましたが、それだけ有名映画のオンパレードでした。

渡辺さんはVFXアーティストになるため、すでに完成したシーンに対して、VFX(爆発や炎、建物の崩壊など)を3DCGで付け加えていく職種となります。

デモリールでは、ブレイクダウンシーンも入っており、空撮した地上風景にこれでもか、という程にVFXが散りばめられており、原型を留めないシーンが見事に出来上がっていました。

中でも、人間同士の純粋なアクションシーンにおいても、主役の代わりにスタントマンが殴り、殴られ、そのシーンに本物の俳優さんの顔や筋肉の動きをVFXとして加えていくことは驚きでした。

普段目にしている「ここは俳優さんも実写で体張ってるなぁ。」という考えは今後持てなくなりそうですね。それだけリアルに表現できるCG表現の奥深さと面白さを伝えていただきました。

 

良い作品づくりのためのチームワーク

1つの映画製作にあたって、映像加工に携わるスタッフが数百人(1画面に40~50人ほど携わる)ほど大規模となるハリウッド作品。

各工程で、プリプロダクション・ストーリーボード・レイアウト・モデリング・テクスチャ・リギング・キャラクターアニメーション・エフェクト…と様々なフローを経て制作される中で、自分が制作したパートに他の工程で手を加えられていることもあるそうです。

1人のアーティストとしては、当然面白くないことですが、全体を統括する人がこっちの方がいいんだ!と決断されればそれに従う。作品づくりに妥協しない姿勢を各担当者がしっかりと持っているからこそ起きるジレンマです。

そんな、ジレンマに現場ではユーモアで返していくのが面白いところ。
自分のモチベーショングラフを紙で作って、その紙を枠を超えるくらいモチベーションが下がってることを記してチームに共有したりするそうです。
上手くいかないことを違ったとらえ方をしていくことで、乗り越えようとしていく姿勢がユニークですね。

ハリウッドの現場はどんな働き方なのか

現場制作において、基本的に残業はしないことはマネジメント側が徹底しているそうです。(法律として残業となった場合は給与を1.5倍ほど支払われる規定)そのため、残業する時は週の初めにスケジューリングされるとのこと。

また、ディズニーでは週末の日曜日は必ず休んで家族と過ごすように指示が下るそう。家族を大事にする作品を多く手掛けるディズニーならではのエピソードですね。

また、「Daily」という業務で、昨日作ったシーンの見直しを毎朝行っているそうです。エフェクトチームとスーパーバイザーでチェックをしながら進めるとのことで、こういった地道な繰り返し作業の上に、素敵な作品が待っているんですね。

 

Q&A

お話しがひと段落したところで、聴講されている方から渡辺さんへの質問時間が設けられました。その一部をご紹介いたします。

将来海外で働きたいが英語はどの程度はできた方がいいでしょうか?

英語力はそんなになくても大丈夫です。それよりもコミュニケーション能力が強く求められます。
実際の現場分担作業している時に、これで問題無いか、積極的に確認作業をできるかどうかポイントです。

英語が下手でもいいので、意志疎通を図ろうとする姿勢が大事ですね。  また、一度でわからなければ、何度でも聞きに行くことです。入社前の面接などでは最低限、いつから働けるか、などの面接用の文言は準備しておけば十分です。

海外で働くことのメリットはどんなことがありますか?

日本人以外のいろんな人と働けることですね。国内では出来ない人脈や考え方を学べることが刺激的です。
後は、世界中に公開されるビッグタイトルのスタッフロール自分の名前が載ることがうれしいですね。

映画監督にも興味があるんですが、監督に必要となる要素はどんなものがありますか?

現場で働く者の目からすると、確固としたビジョンと世界観をもっていることでしょうか。どんな絵で、どんなカメラ割で、
どの音楽をあてるか。など様々なジャンルに精通していながら、的確に指示を出すことが求められる職種だと思います。

当日は100名以上の方が聴講されており、セミナーが終わった後も、個別で質問される方の列が出来ていました。
皆さん、海外で働くにはどんなことが必要かなど具体的な質問を熱心にされていたのだ印象的でした。

デジタルハリウッドではこういったセミナーを随時開催しております。
これを読んでいただいている皆様も是非ご参加くださいね!

それでは、また次回!

海外で活躍する卒業生インタビューはこちら!

芹澤 雄理さん

早稲田大学在学中にデジタルハリウッドに入学し、Webデザイナー専攻をWスクールで受講、大学卒業後に本科3DCG映像アーティスト専攻(全日1年制)を受講し、3DCG制作を習得。
卒業後の現在は、シカゴにあるCGプロダクション、Method StudiosでCGアーティストとして活躍をする芹澤さん。

詳細はこちら

清水雄太さん

大学とのダブルスクールでデジタルハリウッドに通学。卒業後はイギリス、ドイツ、アメリカのプロダクションを経て、現在はカナダで活躍中。

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